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留学開始時にやる事

2022年05月25日 | ドイツ留学相談室
留学開始時にやる事

試験にパスしたら、早速留学のための現地での諸手続きを始めよう。留学先大学の正規の学生となるにはImmatrikulation(学籍登録- Einschreibungと言うこともある)の手続きが必要だ。
ドイツでは「自分のことは自分で責任を持って行う」という厳しいがある。日本の大学のように、手続きに来なかったからといって連絡してくれるようなケアは一切ないと考えること。どんな手続きでも期日に遅れてたらまず救い道はない。「知らなかった」では済まされないことをドイツではイヤと言うほど思い知らされると思うが、そうならないためにも、自分が今何をやらなければいけないか、或いはどんなことができるのかを常にアンテナを張って情報収集に努めよう。どんな手順でImmatrikulationに至るかを一般的な流れで説明しよう。

ここで紹介する内容は、過去の留学経験者からの情報や、ドイツの複数の大学のパンフレット/ホームページの情報などをまとめて掲載しています。大学や地域によって事情が異なったり、情報が古くなったりしている場合があるので、あくまでも参考程度に留め、実際には現地で確認してください。
このページの下に留学生から寄せられた詳しい情報も掲載してあります。併せて参照してください。

住まいを見つける

住まい探しは是非とも渡航前から始めよう。大学の寮は安くて立地条件も良いため大変人気が高く、学期開始前、特に冬学期開始前は希望者が殺到する。実際に寮が決まるまでには半年程度待つ場合が多いので最初から寮に入れる可能性は高くないが、できるだけ早く入寮の申請をしよう。部屋に空きがある場合は、申請順に入れることになる。申請はオンラインで出来ることが多い。

理想的なのは、オンラインで申請したうえで、現地で自分の足でも部屋探しを行うこと。対面で相談すれば、思わぬところで部屋を紹介してもらえるチャンスがある。それに、部屋を実際に見て決められるメリットは大きい。冬学期から留学する場合は、学期が始まる前の夏休みなどにその大学で行われているドイツ語コースに参加すれば宿泊がセットになっているので、コース期間中(4週間前後のものが多い)にゆっくりと住居探しができる。

住居探しにあたっては、大学のStudentenwerkに相談してみよう。ここは寮などを取り扱っている部署で、寮のほかに民間の部屋も紹介している。その他、大学の互助機関のAStA/UStAでも部屋を紹介している。ネット情報のほかに、地方紙でも週に何回か空き部屋の広告が載る。新聞は売り出し直後に買い、よさそうなものがあったらすぐに連絡を取り、実際に部屋を見せてもらうこと。入れ替わりの多い時期(9月と3月)にできるだけ早めに現地に行って部屋捜しを始めよう。

家賃を比較する場合はKaltmiete(賃料のみ)か、Warmmiete(水道光熱費や管理費込み)かを確認すること。不動産屋(Makler)に物件の仲介を頼むこともできるが、家賃の3ヵ月分程度を仲介料として取られる。

大学のホームページで寮の申し込みができる場合は、日本にいるうちにできるだけ早く申請手続きをしておこう。民間の部屋を日本からインターネットで探すことも可能。リンク集のページにDAADが紹介している住居探しのサイトをリンクしている。
特に民間の住居を契約する場合は契約内容を入念に確認し、大家さんと直接会って疑問点は全てクリアしたうえで契約書にサインすること。自信がなければ、現地の知り合いや友人にサポートしてもらった方がいい。留学生のためのチューター制度がある大学もある。ドイツは契約社会。特に退去時のトラブルは多いので、契約はくれぐれも慎重に行うこと!

AAA(Akademisches AuslandsAmt)/International Officeへ出向く

日本にいる時から、書類を請求したり、願書を送付したりとコンタクトのあった大学のAkademisches Auslandsamtは、実際の留学が始まってからもいつでも強い味方だ。ここは留学生に関する殆どの事がらを担当していて、留学生の勉学や生活などあらゆる相談の入口として対応してくれる。ただし、どこの担当デスクでもオフィスアワーを採用していて、"Sprechstunde"という相談できる曜日と時間帯が指定されている。この時間以外は原則として受け付けてもらえないので、それを確かめてから出向こう。
留学開始時にはまずAAAで、Immatrikulation(学籍登録)をするための手順を聞き、必要な書類を受け取る。
AAAでは学期の初めに、留学生のための様々なオリエンテーションや催しを行っている。オリエンテーションでは留学を始めるにあたっての学生生活で必要なことや大切なことを教えてもらえるので、必ず参加するようにしよう。また、歓迎パーティーやエクスカージョンなどを行っている大学もある。他の留学生やドイツ人学生と知り合ういいチャンスとなる。書類を受け取りに行った時にオリエンテーションなどの日程を確かめておこう。

住民登録をする

住居が決まったら原則1週間以内に、居住する市役所の住民登録課(Einwohnermeldeamt/Bürgerbüro)で住民登録を済ませよう(要予約、要パスポート)。住民登録をして発行してもらう証明書はこの後で銀行口座を開いたり、滞在許可申請をする際に必要となる。なお、引越しや帰国の際は退去届をすることを忘れないように。

銀行で口座を開き、医療保険料を払い込む

Immatrikulationの際に医療保険(Krankenversicherung)の払込証明が必要となる場合がある。 この医療保険料払い込みや、学期納入金(Sozialgebüren/Semesterbeitrag)の納入のために銀行口座を開いておこう。口座開設に必要なものは
・パスポート
・住民登録の際に発行してもらった証明書(Anmeldebestätigung des Einwohnermeldeamtes)

その他にZulassungsbescheidやMietvertragなども用意しておくといい。口座開設には予約が必要な場合がある。

医療保険への加入は30歳未満の学生(BachelorとMaster)に義務付けられている。ポピュラーな保険としてAOK(Allgemeine OrtskrankenkasseやTK(Techniker Krankenkasse)などがあり、どこで加入できるかはAAAで分かる。学期の始めには学内に保険会社のブースが出ていることも多い。
日本で既に留学保険などに加入してきた場合は、その証書をAAAに見せて有効かどうかを確かめよう。有効であれば現地で新たに保険に加入する必要はないが、「何を準備するか」で述べてあるように、渡航前(保険に入る前)にこうした留学保険が留学先の大学で有効と認められるかどうかは、あらかじめ確かめておいた方がいい。

ここで説明した口座は"Girokonto"と呼ばれるお金の出し入れができる普通口座。この他に、滞在許可を得るためには「閉鎖口座 "Sperrkonto"」の開設が必須となる。これは「閉鎖」という名の示す通りお金をおろすことができない口座で、ドイツ滞在中の財政能力が確保されていることの証明として使われる。閉鎖口座の開設については、ネット上で留学経験者らが詳しいレポートを載せているので、それらも参照すると良い。

滞在許可申請をする

住民登録、保険の加入を済ませたら、市の外国人局(Ausländeramt)で滞在許可申請(Aufenthaltserlaubnis)の手続きをする。「渡航の準備」で述べた滞在許可申請のための書類を持参することを忘れずに。外国人局は予約制になっているので、事前にアポイントを取っておこう。申請に際しては通常以下のものが必要となる。
・パスポート
・住民登録済み証明書(Anmeldebestätigung)、または入居契約書(Mietvertrag)
・滞在許可申請書(Antrag auf Erteilung eines Aufenthaltstitels/現地でもらうか事前にダウンロードする)
・Zulassungsbescheid
・証明写真(35 x 45mm)
・保険加入証明書
・財政能力証明書(Sperrkontoの口座開設証明)
・登録手数料:初回申請時は100ユーロ/更新時は93ユーロ
(2021年10月現在ベルリンの場合)

AAAで学籍登録(Immatrikulation)を行う

Immatrikulationの手続きは定められた期間内にAAAで行う。Immatrikulationができる期間は"Zulassungsbescheid"や、同封された手紙などに書かれているはず。学籍登録に必要な書類には一般的に以下のようなものがあげられるが、不備のないように事前に確かめておくこと。
・パスポート
・Zulassungsbescheid
・住民登録証明書(Anmeldebestätigung des Einwohnermeldeamtes)
・学生証貼付用の証明写真
・学籍登録用申請書(事前にもらっておく)
・学期納入金の払い込み証明
・保険加入証明書

学籍登録の有効期間は1セメスター単位。次学期も留学を継続する場合は更新手続き(Rückmeldung)が必要となる。

授業の登録手続きを行う

実験などを行う授業やSeminar系の小人数で行う授業では受講人数制限を行っていることがある。出たい授業を早めに決めて、どのように登録(Einschreibung)すればいいかを調べ、できるだけ早く登録手続きを行おう。こうした情報収集はImmatrikulation前からやっておこう。
受講したい科目があれば、事前登録の要否にかかわらず最初の授業には必ず出席すること。

その他に

損害賠償保険(Haftpflichtversicherung)に入るようにしよう
損害賠償保険への加入は義務ではないが、不注意で器物を破損したり、自転車に乗って誰かに怪我を負わせたり等で高額の賠償請求をされることもある。日本で損害賠償などを含む留学保険に入っていない場合はドイツで加入しておくことが望ましい。


ここまで、留学開始までの流れをできるだけ詳細に追って来ました。全てがここに書いてある通りに運ぶというわけではありませんが、このプロセスは誰もが通ることです。
これから先は皆さんひとりひとりが全く違った状況や場面に出くわし、それを1つずつクリアして行かなければなりません。思うように意思疎通がうまくいかなかったり、授業の内容がわからなかったりして言葉の壁を痛感することや、ドイツのサービス対応の悪さのせいでカルチャーショックに陥ることもあるかも知れません。けれど、そうしたハードルを乗り越える毎に、あなたは間違いなくドイツの社会に適応して行き、人間としても確実に大きくなっているという自負を胸に、これから始まる留学生活をあまり気張らずに、自由に楽しんでください。
実際に留学した先輩達の体験記はそうした意味でとても参考になるはずです。ドイツに留学した先輩は大勢いますが、ひとりひとりがまったく違った、「自分色の」留学体験をしています。この体験記のコーナーに次はあなた自身の、まだ誰も経験したことのない素晴らしい体験を寄せくださることを待っています。

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