1月17日(金)山田和樹指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
第767回東京定期演奏会
サントリーホール
【曲目】
1.エルガー/行進曲「威風堂々」第1番ニ長調 Op.39-1
2.ヴォーン・ウィリアムズ/ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス「揚げひばり」
(アンコール)
♪ パガニーニ/イギリス国歌の主題による変奏曲
Vn:周防亮介
3.エルガー/交響曲第2番変ホ長調 Op.63
年明け最初のコンサートに続いて今夜も日フィル。山田和樹の指揮によるイギリスもののプログラムによる定期演奏会。最初は超有名な「威風堂々」。まさに曲名に相応しい堂々とした演奏だった。筋肉質でエネルギーがみなぎり元気一杯。フレーズが濃厚な塊として息づき、それらが有機的に連なって迫って来た。終盤の大合唱のフレーズで山田さんは鈴がいっぱいついたスレイベルを両手に持って客席を振り返って高く掲げるパフォーマンス。一緒に歌って欲しい?イギリスだったら会場が大合唱で包まれそうな盛り上がり。最後のコーダでは山田は再び指揮棒を持って目にもとまらぬ速さの指揮振り、日フィルはこれにピタリと合わせ、鮮やかに熱く曲を締めた。
続いて周防亮介をソロに迎えての「揚げひばり」。初めて聴く穏やかでロマンチックな音楽。周防のヴァイオリンは芯のある音がピーンと伸びて、ヴァイオリンが単独で奏でる長いメロディーでの存在感もなかなかのもの。柔らかく温かな響きのオケと共に美しく澄んだ歌を聴かせた。もう少し妖艶な色気のようなものを伝えて欲しいとも思ったが、それではこの作品の趣旨には合わないかな。アンコールでもイギリス国家を披露して、イギリスプログラムに花を添えた。
後半はエルガーのシンフォニー。知らない曲だが、エルガーの他の充実したオケ作品から、名曲との新たな出会いになるのではという期待があった。しかし、コンサートに出かける前に神経を使う作業を長時間やった疲れのせいか、第2楽章以降で何度かウトウトしてしまい、印象の薄いまま終演となってしまった。ずっと同じような密度で音が鳴り続け(実際は違うかも)、どの楽章も随分長かったなぁ、といった感想しか書けないのは残念だが、山田の指揮はキビキビしていて、それが日フィルの演奏に反映され、指揮と演奏がシンクロして濃厚で充実した演奏だとは感じた。
小林研一郎指揮日本フィル 2024.1.12 サントリーホール
カーチュン・ウォン指揮 日本フィル 2024.1.26 サントリーホール
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山田和樹 指揮 N響 2021.12.16 サントリーホール
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