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草加市民吹奏楽団第42回定期演奏会

2024年11月08日 | pocknのコンサート感想録2024
11月4日(月・祝)
草加市民吹奏楽団第42回定期演奏会

~吹奏楽のフランス料理店~

Chef de Cuisin:さかはし矢波/Garçon:倉林成年
草加市文化会館

第1部 à la carte divers délices
♪ フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」
♪ 天国と地獄
♪ シャンソン・メドレー
♪ BONAPARTE

第2部 Course Paris
♪ Entrée:ノートルダムの鐘
♪ soupe:パリの散歩道
♪ Plat:パリのアメリカ人

(アンコール)vin et fromage:
♪ 薔薇は美しく散る
♪ オーシャンゼリゼ

草加市民吹奏楽団の定期演奏会では毎回テーマが掲げられ、それに沿った選曲が行われる。今回のテーマは「吹奏楽のフランス料理店」。曲目の一つ一つをフレンチレストランの料理に見立てて、ギャルソン役の倉林成年氏の名司会と共に、おフランスゆかりの音楽をたっぷりと楽しんだ。

前半はアラカルトとして、様々なタイプのフランスの音楽が並んだ。最初は「ラ・マルセイエーズ」の華やかな堂々とした演奏で、早速このハイレベル楽団の実力を見せつけた。「天国と地獄」も重量感ある安定した演奏で、運動会やフレンチカンカンでよく使われる後半のノリも抜群だった。ハープが入ると更に潤いが増したかな。「シャンソンメドレー」では有名なシャンソンが次々登場。テンポもテイストも異なる楽曲が短いタイミングで次々に登場するが、このバンドは曲の継ぎ目でサッと呼吸を整えて自然な流れで音楽を繋いで行った。ノリもいいし歌心もあって、各セクションのソロも上手い。シャンソンというのは名曲の宝庫だなとあらためて思った。電子キーボードのような音がよく聴こえてきたが、これはちょっと異質な印象。アコーデオンなんかでやると良かったのでは?

後半はフルコースのディナーに見立てた選曲。「ノートルダムの鐘」もメドレーだが、前半のシャンソンメドレーよりも全体が落ち着いてまとまって聴こえた。フルコースの繋ぎのスープ役として「パリの散歩道」のおしゃれな演奏に続き、「魚と肉料理の盛り合わせ」というメインディッシュに演奏されたガーシュウィンの「パリのアメリカ人」は今日の演奏会の中でも一番のインパクトがあった。各パートのフレーズの扱いが細部まで丁寧で、アンサンブル全体が緻密に噛み合って充実した響きを聴かせ、奥行きと広がりを感じた。ガーシュウィンらしいノリの良さもあってジャジーで活きのいい演奏を楽しめた。アンコールの「オーシャンゼリゼ」では聴衆も手拍子で参加して、会場の雰囲気は一層盛り上がった。

今日の定期演奏会は、全体がひとつのストーリーのようにまとまっていて、構成の巧さも光った。草加市民吹奏楽団は、15年に渡り音楽監督を務めるさかはし矢波氏と共に楽団としての個性を磨きつつ、着実に技を育んでいることを感じる演奏会だった。

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