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Vogtsbauernhof & Gengenbach ~黒い森地方 トリベルクからの日帰り観光~

2011年01月08日 | 夏のヨーロッパ家族旅行2010
8月16日(月)のち時々

体験型の屋外ミュージアムVogtsbauernhof(ヴォークト農場)は黒い森地方の古い農家を一堂に集め、家畜が放され、農作業の実演や体験コーナーもあり、家族で楽しめるテーマパークだ。トリペルクから西へ電車で22分で行けるHausachという駅から、バスで20分弱のところにある。

ところが、トリベルクのホテルから駅まで歩いたら予想外に時間がかかってしまった上に道にも迷って、電車を逃してしまった。次の電車は2時間も先… タクシーが停まっていたので運ちゃんに料金を聞いたら、「50ユーロ」と言われた…限られた日程のせっかくの黒い森の滞在だ。決心してタクシーに乗った。

ベルリン出身という気さくな運転手さん、「この辺りは天気がとても変わりやすいから、急にパーッと青空が広がってくるかも知れないよ」と聞いて、電車を逃したショックと、パッとしない天気にしぼみ勝ちな気分が少しは上向いた。しかもVogtsbauernhofまでのタクシー代は37ユーロで済んだ。気を取り直して思いっきり楽しもう!


Vogtsbauernhof

入場券を買いゲートを通ると、まずショップやレストランが入った真新しい建物に入るようになっている。ここは素通りして園内へ入ると、黒い森に囲まれ、飛弾の合掌造りを思わせる年代を重ねた農家風の家屋が点在し、牧場の囲いの中には牛や馬、ヤギなどの動物たちが放され、ニワトリや大きなアヒルたちは園内を自由に歩き回っている。とてものどかなドイツの田舎の風景が広がっていた。


動物の周りには子供たちが集まり、そこらの葉っぱを一生懸命与えていた。普段動物にあまり近づこうとしない息子もなぜか夢中で葉っぱを取ってきてはヤギに与えていた。



地図を見ながら家屋をひとつずつ見学した。

これらの農家は、Schwarzwald地方のあちこちに古くから建っていたものをここに一同に移設したもので、どれも100年以上の年代もの、なかには400年以上も前に建てられたものもある。

黒くくすんだ木の色が年代を感じさせ、いい味を出している。




園内で最大の、その名もVogtsbauernhofは、元々この場所に1612年に建てられた古い農家

どの家屋も家畜スペース、作業スペース、生活スペースに分かれている。土地の斜面を利用して、1階からも2階からも外から直接出入りできるようになっているものが多い。

作業スペースには、農作業に使う様々な器具や道具が展示され、生活スペースは、家具調度類から壁に掛けられた絵や柱時計まで、人が暮らしていた当時のものが揃っていて、今でも誰かが住んでいそう。




そうしたら、家の奥の方から「シューッ・パタン」という機織りをする音が聞こえてきた。行ってみると見学人に囲まれて、機織りの実演をしている人がいた。一本ずつ糸を手繰りながら細かい模様の布が織られていく様子を見て、昔の人の知恵と技にあらためてびっくりした。



機織りだけでなく、いくつかの水車小屋では粉引きや脱穀、丸太切りなどの作業が時間ごとに実演されている。狭い小屋に大きな音が轟き、水車の力で巨大な石臼が回転して、白い粉がサラサラと落ちて来る過程を見れるというのは貴重な体験だった。

このほか、木工細工教室や、木こりのパフォーマンスなど子供向けの催しもいろいろあって、Vogtsbauernhofは家族でまる一日過ごして楽しめるところだ。うちらはここに4時間ほど滞在して、Gengenbachに向かった。


GENGENBACH

Vogtsbauernhofからバスで18分のHausach駅まで行き、そこから電車で更に西へ17分行ったところにあるゲンゲンバッハ(Gengenbach)の旧市街は、中世の家並みをそのまま残し、黒い森に囲まれた静かな町だ。



駅の正面の道を少し行くと交差する通り(Leutkirchstraße)を、右方向へ歩いて行く。すると、間もなく旧市街に入る。

市庁舎前の広場には、カーニバルの噴水(Narrenbrunnen)が建ち、ここが黒い森地方の町であることを感じさせる。


市庁舎前から見張りの塔のある町の北の城門(Oberturm)へ延びる道(Victor-Kreuz-Straße)が、この旧市街のメインストリート。通りの両側に並ぶ木組みの家には、レストランやカフェ、お土産屋などが入っている。Oberturmに登ると通りの様子がよく見渡せた。


天気は生憎の雨模様でかなり寒い。どこかのカフェで暖を取りながら、この地方の名物ケーキ、サクランボのタルト(Schwarzwälder Kirschtorte)でも食べたいな…

たくさんあると思っていたカフェは閉まっていたり、お目当てのケーキは売り切れだったりでなかなか見つからない。

小路を入ったところに居酒屋やカフェが軒を寄せ合っている古びたスクエアがあり、そこのカフェにようやく腰を落ち着けた。

カフェのあるスクエアにあった子供の像


そこでありついたシュヴァルツヴァルトのサクランボタルト。

たっぷりの生クリームとチョコの生地にサクランボが散りばめられた一品は、この地方の名品ということを納得、目でも楽しめる。

それと、ドイツの家庭で手作りを食べておいしかった覚えがあるプラムケーキ(Zwetschkenkuchen)も注文した。これもおいしかったが、みんなには不評だった。甘さが足りないといえば足りないかな…

みんなはこのカフェで腰を落ち着かせてしまい、しばらく居座る態勢だったが、pocknはせっかく来た中世の旧市街をもう少し歩いてみたい。みんなを置いて旧市街をぶらぶらした。

メインの通りを歩くだけでも旧市街の雰囲気は十分味わえるが、狭い路地に入ると、まさしく「中世にタイムスリップしたような」という形容がぴったりの風景に出会える。


どこを歩いても何百年もの歴史がありそうな木組みの家がひしめき、大きな水車に出会い、朽ちかけた城壁にぶつかる。


Stadtkirche St. Marienという大きな教会の内部は、シンプルな力強さを伴った美しさで迫ってきた。


ものの30分程度で周れてしまう小さな町だが、この旧市街の保存状態は素晴らしい。ローテンブルクやツェレのように知られていないが、そうした日本人に人気のスポットに劣らず、Gengenbachは古い街並好きにはたまらない魅力がある。

Gengenbachでは是非スケッチをしたいと思っていたのだが、雨が降っていて屋根があるところを探していたがなかなか見つからない。そのうち雨が上がったので、Victor-Kreuz-Straßeのカフェテラスに出しっぱなしになっていた椅子を借りてスケッチをしたが、また雨が。。。 小雨なので傘をさしてなんとかスケッチを続けられたが、寒さで歯がガチガチなるほど体が冷え切ってしまった。


寒さに震えながらやっと仕上げたスケッチ

家族と合流して、近くのレストランに入った。地元のお客っぽい人達で賑わう、とてもアットホームで良い雰囲気の店だ。隣のテーブルの人達が、日本人は珍しいのだろうか、興味深そうに時々こっちを嬉しそうに眺めていた。


体は冷えていたのに頼んでしまった白ビール! 白ワインも飲んだ。
メニューにはドイツでは秋の味覚として有名なPfifferling(プィッファーリング)というキノコ料理が載っていた。ドイツ人やオーストリア人の友人がこのキノコを絶賛するのを聞いていたので、一度試してみたかった。

注文したのはPfifferlingのスープと、PfifferlingのFlammenkuchen(フランメンクーヘン)を注文した。Flammenkuchenを直訳すれば「炎のケーキ」、何だろうとは思ったが、Pfifferlingが入っているのでこれにした。


熱いPfifferlingのスープはいい香りで冷えた体が芯から暖まった。

Flammenkuchenとは、釜で焼いたシンプルで薄いピザのようなものだった。この上にPfifferlingがところ狭しとのっている。初めて食べたPfifferling、確かに良い香りだが、日本の松茸… いやシメジでもこれに負けない香りと味だ、というのが正直な感想。




後ろのオヤジがしょっちゅうにこやかにこっちを見ていた…


食後にはSchnaps(シュナップス)を一杯ひっかけた。「どんなSchnapsがあるの?」と訊いたら、この辺で採れる実から作ったSchnapsがある、というのでそれにした。

Zibartenwasserというシュナップス、名前を何度も聞き返したら、ボトルごと持ってきて見せてくれた。ドイツのシュナップスは、いろいろな植物から作られていて、それぞれに香りがあってうまい。アルコール度は約40%と高く、これで冷えていた体は燃え上がった。

食事を終えたらもうすぐ9時。夜景を楽しみながら駅へ向かった。


9時10分の電車でトリベルクへ戻った。ゲンゲンバッハからトリベルクまでの切符を買おうとしたら、ホテルでもらったSchwarzwald-Cardでフリーということが判明。このカードは相当優れものだ。あ、でも来る時に乗ったバスや電車は普通に切符を買ってしまった…

トリベルク ~黒い森のハイキング~
ドナウエッシンゲン&黒い森のSL
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