10月16日(金)ミーツ・ベートーヴェン・シリーズ Vol.3 山下洋輔 
~ベートーヴェン生誕250周年記念~
東京芸術劇場
【曲目】
1.ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第6番 へ長調 op.10-2 第1楽章
2.ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 op.13「悲愴」第2楽章
3.ベートーヴェン/エリーゼのために
4.ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 op.27-2「月光」第1楽章
♪ ♪ ♪
5.山下洋輔/オマージュ
6.ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 op.125 第2楽章より*
7.ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調 op.68「田園」第1楽章より*
8.ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調 op.67「運命」第1楽章より*
【アンコール】
♪ ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 op.125 第4楽章より*
Pf:山下洋輔/Perc:八尋知洋(4,6~アンコール)/飛鳥ストリング・クァルテット(6~アンコール)/編曲:櫛田哲太郎(6~アンコール)

ベートーヴェン・イヤーにちなんだコンサートにジャズ界の重鎮、山下洋輔が登場。僕にとって山下洋輔のベートーヴェンと云えば、昔「オーケストラがやって来た」という番組で「運命」をオーケストラと共に演奏した破天荒というかハチャメチャというか、キーボード上で暴れまくっているイメージ。あまりの打鍵力でピアノの弦を切るなんて云われていた。その当時は乱暴な演奏だと思っていたが、80歳を前にしてまだ現役バリバリで活動している山下のぶっ飛んだベートーヴェンを聴いてみたくなった。
今夜の客席はSD仕様でほぼ満席。最初は山下のソロ。作品10の2は大好きなベートーヴェン初期のソナタ。プログラムノートには「展開部の三連符を思いっきりスウィングして、今度は自分のアドリブにしちゃおうかと」と書かれていたので、ワクワクして耳を傾けたが、「ん?」・・・ 言い方は悪いが、アマチュアピアニストが初見で譜読みしている感じで、スウィングとか感じられない。出鼻を挫かれた気分だったが、次の「悲愴」はステキだった。大きな呼吸でバラード風に歌い、深い味わいとお洒落なムードを湛えている。ステージがカクテルラウンジになったよう。次の「エリーゼのために」はまたちょっと違ったテイストでいい味を出していた。「月光」ではパーカッショニストの八尋知洋が加わった。「アフリカ風」とMCで紹介されたが、八尋はいくつもの珍しい民族楽器を操り、熱帯雨林の湿った物憂げな空気を醸し出す。山下のファンタジックな「山下流月光」と共にエスニックな雰囲気にどっぷり浸った。
前半では期待していた「大暴れ」はなかった。代わりに味わい深さや多彩な色彩を感じたが、やっぱり野性的な演奏が聴きたい。後半はパーカッションにカルテットも加わってシンフォニーをやるので(「運命」も!)期待を繋いだが、山下は一人突出することなく、共演者と同じ歩みで一緒に音楽を作り上げて行く姿勢だった。で、その演奏もエキサイティングというよりは楽しく和気あいあいな感じ。プログラムノートからは第7シンフォニーのリズムや、「田園」のしつこい繰り返しを、山下流に野性的に聴かせてくれそうと思ったし、「運命」では、あの暴れまくっていた昔の演奏を上回って「思う存分やる」と書いてあったが、どれも「これで終わり?」というぐらいあっけなく終わってしまった。でも会場はなかなかの盛り上がり。ジャズやポップスのコンサートみたいに聴衆の手拍子がそろわないのは寂しいが、盛大な拍手に応えて演奏したアンコールは「喜びの歌」のメロディーがデキシーランドジャズ風のノリで繰り広げられ、パーカスのソロもあって楽しかった。客席からの手拍子が入るともっと一体感を味わえたんだけど、クラシックのお客はお行儀が良くてつまらない(オレもか…(´∀`)
初めてライブで聴いた山下洋輔は、僕が持っていたイメージとはだいぶ違っていた。年齢を重ねて深化したとも云えるかも知れないが、野獣の眼光で睨まれ、飛びかかってきて欲しかったなぁ。

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2.ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 op.13「悲愴」第2楽章
3.ベートーヴェン/エリーゼのために
4.ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 op.27-2「月光」第1楽章
5.山下洋輔/オマージュ
6.ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 op.125 第2楽章より*
7.ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調 op.68「田園」第1楽章より*
8.ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調 op.67「運命」第1楽章より*
【アンコール】
♪ ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 op.125 第4楽章より*
Pf:山下洋輔/Perc:八尋知洋(4,6~アンコール)/飛鳥ストリング・クァルテット(6~アンコール)/編曲:櫛田哲太郎(6~アンコール)

ベートーヴェン・イヤーにちなんだコンサートにジャズ界の重鎮、山下洋輔が登場。僕にとって山下洋輔のベートーヴェンと云えば、昔「オーケストラがやって来た」という番組で「運命」をオーケストラと共に演奏した破天荒というかハチャメチャというか、キーボード上で暴れまくっているイメージ。あまりの打鍵力でピアノの弦を切るなんて云われていた。その当時は乱暴な演奏だと思っていたが、80歳を前にしてまだ現役バリバリで活動している山下のぶっ飛んだベートーヴェンを聴いてみたくなった。
今夜の客席はSD仕様でほぼ満席。最初は山下のソロ。作品10の2は大好きなベートーヴェン初期のソナタ。プログラムノートには「展開部の三連符を思いっきりスウィングして、今度は自分のアドリブにしちゃおうかと」と書かれていたので、ワクワクして耳を傾けたが、「ん?」・・・ 言い方は悪いが、アマチュアピアニストが初見で譜読みしている感じで、スウィングとか感じられない。出鼻を挫かれた気分だったが、次の「悲愴」はステキだった。大きな呼吸でバラード風に歌い、深い味わいとお洒落なムードを湛えている。ステージがカクテルラウンジになったよう。次の「エリーゼのために」はまたちょっと違ったテイストでいい味を出していた。「月光」ではパーカッショニストの八尋知洋が加わった。「アフリカ風」とMCで紹介されたが、八尋はいくつもの珍しい民族楽器を操り、熱帯雨林の湿った物憂げな空気を醸し出す。山下のファンタジックな「山下流月光」と共にエスニックな雰囲気にどっぷり浸った。
前半では期待していた「大暴れ」はなかった。代わりに味わい深さや多彩な色彩を感じたが、やっぱり野性的な演奏が聴きたい。後半はパーカッションにカルテットも加わってシンフォニーをやるので(「運命」も!)期待を繋いだが、山下は一人突出することなく、共演者と同じ歩みで一緒に音楽を作り上げて行く姿勢だった。で、その演奏もエキサイティングというよりは楽しく和気あいあいな感じ。プログラムノートからは第7シンフォニーのリズムや、「田園」のしつこい繰り返しを、山下流に野性的に聴かせてくれそうと思ったし、「運命」では、あの暴れまくっていた昔の演奏を上回って「思う存分やる」と書いてあったが、どれも「これで終わり?」というぐらいあっけなく終わってしまった。でも会場はなかなかの盛り上がり。ジャズやポップスのコンサートみたいに聴衆の手拍子がそろわないのは寂しいが、盛大な拍手に応えて演奏したアンコールは「喜びの歌」のメロディーがデキシーランドジャズ風のノリで繰り広げられ、パーカスのソロもあって楽しかった。客席からの手拍子が入るともっと一体感を味わえたんだけど、クラシックのお客はお行儀が良くてつまらない(オレもか…(´∀`)
初めてライブで聴いた山下洋輔は、僕が持っていたイメージとはだいぶ違っていた。年齢を重ねて深化したとも云えるかも知れないが、野獣の眼光で睨まれ、飛びかかってきて欲しかったなぁ。

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