2月26日(水)小山実稚恵(Pf)、クァルテット・エクセルシオ、渡邉玲雄(Cb)
~シューベルトの最高傑作~
東京文化会館小ホール
【曲目】
1.シューベルト/弦楽四重奏曲第14番ニ短調D810「死と乙女」
2.シューベルト/ピアノ五重奏曲イ長調Op.114/D667「ます」
【アンコール】
♪ シューベルト/ピアノ五重奏曲「ます」から 第3楽章
都民芸術フェスティバルでいつも注目しているのは室内楽の公演。今回は小山実稚恵とクァルテット・エクセルシオというお気に入りのアーティストが一緒に出演するこの公演を選んで夫婦ででかけた。
「シューベルトの最高傑作」と題して2作が取り上げられた最初は「死と乙女」。冒頭のトゥッティによる「運命の動機」はエクセルシオらしく落ち着きのなかに緊張感がみなぎり、続く第1ヴァイオリンの西野さんによる語るような問いかけが、他のパートへ次々と連鎖して能動的で充実したハーモニーとなった。エクの演奏はいつもながら脈々とした命が息づいている。4つのパートがそれぞれに血液や大切な養分を運び、一つの生命体として有機的に働いているのを感じる。呼吸は自然で温かい。とりわけ第2楽章の連綿と続く美しい変奏は、固く閉じていた蕾が、透き通るような薄い花びらを少しずつ開いてゆき、淡い色合いと立ち昇るほのかな香りで満たされる静謐なシーンが思い浮かんだ。
後半の「シューベルトの最高傑作」は、エクの3人のメンバーにピアノの小山さんとコントラバスの渡邉さんが加わっての「ます」。僕たちが座った正面の席から見ると、エクの3人の間に小山さんと渡邉さんが一人ずつ入り、エクがゲストを迎え入れる形に見えた。5人による演奏を聴いての第一の印象は「楽しそう」。エクのメンバーの親密なアンサンブルがゲストの2人にそのまま伝わり、5人は気負うことなく伸び伸びと音楽を奏で、歌い、対話が繰り返されていった。
ダイナミックにバリバリ弾く印象の小山さんがここでは繊細で温かく、ほほ笑みに溢れたピアノを奏でてアンサンブルの和を作り、渡邉さんのコントラバスはフワッとした柔らかな感触でアンサンブルを優しく包む。ゴムまりのような、いやいやふくよかなオネエちゃんにハグされているような心地よさだ。大友さんの味わい深いチェロと吉田さんのキリッとしたヴィオラのデュオもステキだ。そして西野さんのヴァイオリンの柔らかく伸びやかな歌が耳に優しい滋養を与えてくれる。最初から最後までウキウキ、ワクワク、時々しっとりじんわり・・・ 心から演奏に気持ちが溶け込んだ。
「最高傑作」と銘打たれた曲で感銘を与えるのは大変だと思うが、この音楽が求めていることが実現された演奏だった。会場は大きな拍手とブラボーに包まれた。
クァルテット・エクセルシオ 第37回東京定期演奏会~2019.11.17 東京文化会館小ホール~
♪ブログ管理人の作曲♪
「星去りぬ」~フルートとギターのための~
Fl:佐々木真/G:岩永善信
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~シューベルトの最高傑作~
東京文化会館小ホール
【曲目】
1.シューベルト/弦楽四重奏曲第14番ニ短調D810「死と乙女」
2.シューベルト/ピアノ五重奏曲イ長調Op.114/D667「ます」
【アンコール】
♪ シューベルト/ピアノ五重奏曲「ます」から 第3楽章
都民芸術フェスティバルでいつも注目しているのは室内楽の公演。今回は小山実稚恵とクァルテット・エクセルシオというお気に入りのアーティストが一緒に出演するこの公演を選んで夫婦ででかけた。
「シューベルトの最高傑作」と題して2作が取り上げられた最初は「死と乙女」。冒頭のトゥッティによる「運命の動機」はエクセルシオらしく落ち着きのなかに緊張感がみなぎり、続く第1ヴァイオリンの西野さんによる語るような問いかけが、他のパートへ次々と連鎖して能動的で充実したハーモニーとなった。エクの演奏はいつもながら脈々とした命が息づいている。4つのパートがそれぞれに血液や大切な養分を運び、一つの生命体として有機的に働いているのを感じる。呼吸は自然で温かい。とりわけ第2楽章の連綿と続く美しい変奏は、固く閉じていた蕾が、透き通るような薄い花びらを少しずつ開いてゆき、淡い色合いと立ち昇るほのかな香りで満たされる静謐なシーンが思い浮かんだ。
後半の「シューベルトの最高傑作」は、エクの3人のメンバーにピアノの小山さんとコントラバスの渡邉さんが加わっての「ます」。僕たちが座った正面の席から見ると、エクの3人の間に小山さんと渡邉さんが一人ずつ入り、エクがゲストを迎え入れる形に見えた。5人による演奏を聴いての第一の印象は「楽しそう」。エクのメンバーの親密なアンサンブルがゲストの2人にそのまま伝わり、5人は気負うことなく伸び伸びと音楽を奏で、歌い、対話が繰り返されていった。
ダイナミックにバリバリ弾く印象の小山さんがここでは繊細で温かく、ほほ笑みに溢れたピアノを奏でてアンサンブルの和を作り、渡邉さんのコントラバスはフワッとした柔らかな感触でアンサンブルを優しく包む。ゴムまりのような、いやいやふくよかなオネエちゃんにハグされているような心地よさだ。大友さんの味わい深いチェロと吉田さんのキリッとしたヴィオラのデュオもステキだ。そして西野さんのヴァイオリンの柔らかく伸びやかな歌が耳に優しい滋養を与えてくれる。最初から最後までウキウキ、ワクワク、時々しっとりじんわり・・・ 心から演奏に気持ちが溶け込んだ。
「最高傑作」と銘打たれた曲で感銘を与えるのは大変だと思うが、この音楽が求めていることが実現された演奏だった。会場は大きな拍手とブラボーに包まれた。
クァルテット・エクセルシオ 第37回東京定期演奏会~2019.11.17 東京文化会館小ホール~
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Fl:佐々木真/G:岩永善信
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