5月10日(金)豊永美恵(Cl)/荒井結子(Vc)/大宅さおり(Pf)
~Reclamation plan vol.1~
アーティストサロン"Dolce"
【曲目】
1. ユオン/ミニチュア・トリオ Op.18/24 (1940)
2. ルトスワフスキ/ダンスプレリュード (1955)
3. ムチンスキー/ファンタジー・トリオ (1969)

4. ヒンデミット/音楽の花園 ライプツィヒスタイル (1927)
5. ハルトマン/セレナーデ・トリオ Op.24 (1877)
【アンコール】
ユオン/ミニチュア・トリオ~第1楽章
新宿西口から歩いてすぐのところにある、楽器店のとても響きのいい素敵な音楽サロンで行われた室内楽のコンサート。豊永さんのクラリネットを以前リサイタルで聴いた時は、ハンガリーの珍しい作品を中心に取り上げ、知られざる名曲を素晴らしい演奏で楽しんだ。今年リリースされたソロアルバムではその時の曲をはじめ、マイナーだけれど魅力いっぱいの音楽を素敵な演奏で楽しむことができる。今夜のコンサートも全ての曲目が知らないものばかり。そして、どの作品も1度聴いただけでもとても惹かれ、楽しめて、また聴きたいと思う曲がたくさんあった。
今年記念の年を迎えたルトスワフスキやヒンデミットはいくつか作品も知っているが、その他の作曲家は名前すら聞くのは初めて。そんな「無名の」作曲家の作品の、どれもがこんなにも魅力たっぷりに伝わってきたのは、これらの曲を見つけて演奏会に取り上げた豊永さんの、いい作品を見抜く眼と、それらを最良の姿で聴かせてくれた演奏者達のおかげだろう。
今夜演奏された5つの作品は、全て違う作曲家で、しかもお国も全てが異なる。時代的には重なる部分もあるが、その音楽は実に多種多様。ロマンチックな歌に溢れたもの、民族色のある踊りが入った曲、ユーモアやアイロニーが入ったり、挑戦的だったり。それは一人の作品の中でも変化に富んでいて、「次はどんな音楽だろう」とワクワクしながら夢中で聴き入ってしまった。
硬軟自由自在に、歌って踊って語りかけてくる豊永さんのクラリネット、息が長くふくよかな歌で胸に迫ってきた荒井さんのチェロ、知的にキリッとアンサンブルを引き締めつつ、秘めた情熱も見せた大宅さんのピアノ、 3人のプレイヤーはそれぞれの持ち味を十分に活かし、こうした音楽の多彩な特徴を、曲想の変化ごとに敏感に捉えて、生き生きと柔軟なアンサンブルで聴かせてくれた。
どの曲もとても魅力的だったが、中でもユオンのトリオの溢れる抒情、ムチンスキのリズムの冴えとハーモニーの新鮮な感触が特に印象に残った。アンコールではこのユオンのトリオのなかでも美しい第1楽章をやってくれて嬉しかった。また聴きたいな。
豊永さんはこうした知られざるクラリネットの名曲を紹介するコンサートをまた構想中だとか。とても楽しみだ。
アーティストサロン"Dolce"
【曲目】
1. ユオン/ミニチュア・トリオ Op.18/24 (1940)

2. ルトスワフスキ/ダンスプレリュード (1955)

3. ムチンスキー/ファンタジー・トリオ (1969)


4. ヒンデミット/音楽の花園 ライプツィヒスタイル (1927)

5. ハルトマン/セレナーデ・トリオ Op.24 (1877)

【アンコール】
ユオン/ミニチュア・トリオ~第1楽章

新宿西口から歩いてすぐのところにある、楽器店のとても響きのいい素敵な音楽サロンで行われた室内楽のコンサート。豊永さんのクラリネットを以前リサイタルで聴いた時は、ハンガリーの珍しい作品を中心に取り上げ、知られざる名曲を素晴らしい演奏で楽しんだ。今年リリースされたソロアルバムではその時の曲をはじめ、マイナーだけれど魅力いっぱいの音楽を素敵な演奏で楽しむことができる。今夜のコンサートも全ての曲目が知らないものばかり。そして、どの作品も1度聴いただけでもとても惹かれ、楽しめて、また聴きたいと思う曲がたくさんあった。
今年記念の年を迎えたルトスワフスキやヒンデミットはいくつか作品も知っているが、その他の作曲家は名前すら聞くのは初めて。そんな「無名の」作曲家の作品の、どれもがこんなにも魅力たっぷりに伝わってきたのは、これらの曲を見つけて演奏会に取り上げた豊永さんの、いい作品を見抜く眼と、それらを最良の姿で聴かせてくれた演奏者達のおかげだろう。
今夜演奏された5つの作品は、全て違う作曲家で、しかもお国も全てが異なる。時代的には重なる部分もあるが、その音楽は実に多種多様。ロマンチックな歌に溢れたもの、民族色のある踊りが入った曲、ユーモアやアイロニーが入ったり、挑戦的だったり。それは一人の作品の中でも変化に富んでいて、「次はどんな音楽だろう」とワクワクしながら夢中で聴き入ってしまった。
硬軟自由自在に、歌って踊って語りかけてくる豊永さんのクラリネット、息が長くふくよかな歌で胸に迫ってきた荒井さんのチェロ、知的にキリッとアンサンブルを引き締めつつ、秘めた情熱も見せた大宅さんのピアノ、 3人のプレイヤーはそれぞれの持ち味を十分に活かし、こうした音楽の多彩な特徴を、曲想の変化ごとに敏感に捉えて、生き生きと柔軟なアンサンブルで聴かせてくれた。
どの曲もとても魅力的だったが、中でもユオンのトリオの溢れる抒情、ムチンスキのリズムの冴えとハーモニーの新鮮な感触が特に印象に残った。アンコールではこのユオンのトリオのなかでも美しい第1楽章をやってくれて嬉しかった。また聴きたいな。
豊永さんはこうした知られざるクラリネットの名曲を紹介するコンサートをまた構想中だとか。とても楽しみだ。