facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

ボン → ヴェッセリングでのファミリーステイ

2011年03月03日 | 夏のヨーロッパ家族旅行2010
8月20日(金)~8月22日(日)

マインツ大学の図書館長、Dr.アンデアフープさんに言われたとおり、ボンへ向かう電車からは車窓の眺めを楽しんだ。


ライン川に沿った鉄道の旅では、遊覧船が最も多く行き交うマインツからコブレンツあたりが一番のハイライト。ライン川の悠々とした流れや、有名なローレライの岩のあたりで大きく蛇行する様子を眺めるだけでわくわくするが、ブドウ畑の間に点在するかわいらしい町、次々と現れる古城の多さは屈指。急行列車に乗っていると、町もお城もあっという間に通り過ぎてしまう。カメラを構えるのはほどほどに、せっかくの景色を楽しみたい。


BONN
ボンの中央駅では、仕事でのメールを通じて知り合い、メールを交わしているうちに仲良くなったガービーさんが迎えに来てくれていて、初のご対面。写真でどんな人かはわかっていたが、想像していたとおりのとてもフレンドリーな素敵な人だった。

ガービーさんのボーイフレンドのエドウィンさんと、ガービーさんの同僚で日本語堪能のアンネ=マリーさんも一緒。ガービーさんには、ボン大学の図書館を見学する手はずを整えてもらっていた。駅に荷物を預け、ベートーヴェンの銅像の立つミュンスター広場(Münsterplatz)を通り、大学の本部が入っている宮殿などを眺めながら、ボン大学の図書館に向かってみんなで散歩した。




ベートーヴェンの銅像と郵便局


このお城と庭はボン大学の一部
家族はアンネ=マリーさんが市内の徒歩観光に案内してくれている間に、pocknはガービーさん、エドウィンさんとボン大学の図書館へ。

図書館では、利用者サービスセクションのチーフをしているゼーグレフさんが図書館内を詳しく案内して下さった。

ボン大学図書館 Die Universitäts- und Landesbibliothek Bonn
ボン大学中央図書館は1960年開館時の建物。機械化された図書館の機能に合わせ、快適な空間にリフォームされていた。蔵書数は約204万冊、貸出冊数は100冊、開館時間は朝8時から午前0時まで。こちらも開館時間がとても長い。

マインツ大学の図書館同様に、入口を入ると総合案内センター (Informationszentrum)がある。PCやOPAC専用PCが並び、案内カウンターも入っていて、明るくて広い。



返却・利用者登録カウンター。夏休みで学生が少ないせいもあるかも知れないが、とても広く感じた。



透過性を重視するという図書館のコンセプトに即し、閲覧ホール(Lesesaal)は、自然光を多く取り入れた快適な環境が実現されていた。



この図書館で一番感動したのが、ここの閲覧席。ライン川に面していて、眺めが素晴らしかった。「夜には行き交う船のイルミネーションがとてもきれいなんですよ」とのゼーグレフさんのお話。デートスポットとしてもいいかも。



この窓は、西日が差し込んでくると自動でブラインドが下りるようになっているという、なかなかのハイテク装置も備わっていた。

いろいろな説明を聞きながら、地下の閉架書庫も含め、1時間以上かけて広い図書館を詳しく案内してもらった。図書館に勤め、司書の勉強も始めた身としては、ドイツの大学図書館を2箇所連続で見学させてもらったことは大変興味深く、またいろいろと勉強にもなった。

エントランスホールに戻ると、アンネ=マリーさんと家族が待っていた。この間、家族はアンネ=マリーさんにベートーヴェンハウスなど、ボン市内をいろいろ見学させてもらえ、アイスカフェもご馳走になったとのこと。とてもお世話になってしまった。


落ち合った家族を迎えるゼーグレフさん。息子(手前)は、「日本の電車のサイト
が見れる」と言ってインターネットに夢中…


図書館を出て、近くのライン河畔のカフェテラスでしばしの歓談。太陽が眩しい。

このあとヴェッセリングへ行くので限られた時間だったが、のんびりした楽しいひと時を過ごした。

みんな今日初対面の人達だったが、メールでやり取りしていたガービーさんと、そのお仲間なので、最初からとても打ち解けておしゃべりができた。

ボンからケルン行きの路面電車で、ベルンハルトさんファミリーの待つヴェッセリングへ向かうウチらを、ガービーさん達はホームまで見送りに来てくれた。ドアが閉まり、手を振りあってお別れした。ありがとうございました!


にこやかに手を振ってお別れ(エドウィンさん撮影)、ところが、このあと大ハプニングが…

大ハプニング!!
事前に調べた検索では、ボンから目的の駅であるヴェッセリング(Wesseling Mitte)までは、乗り換えなしで所要18分。ベルンハルトさんには、到着時刻を電話で直前に知らせてあるので、駅まで迎えに来てくれるはず。

ところが、到着予定時刻を過ぎてしばらくたったのに、”Wesseling Mitte”に着かない。「おかしいぞ…」 車内に路線図があったので見に行ったら、な・・・なんと!!! ボンからケルン行きの路面電車は北ルート(16番)と南ルート(18番)の2路線があり、北ルートに乗らなければならなかったのに、南ルートの18番に乗っていることがわかった。

大慌てで次の停車駅で下車。降りたところは、Bahdorfというなーんにもない村の駅。さあ困った。。。ボンまで戻って16番に乗り直すのでは1時間以上かかってしまう。周りを見回すと、近くに1軒の居酒屋があり、外でビールを飲んでいるおにいさんがいた。
「乗る路線を間違えちゃって、本当はヴェッセリングに行きたかったんだけど、どうすればいいですかねぇ…」
「ヴェッセリングならバスがあるけど、時間かかるよ。」
ヴェッセリングで友達が出迎えてくれているはず、という事情を話したら、「じゃあこれで電話してみなよ」と、最新のi-phonをサッと貸してくれた。親切な人だ。待ちくたびれているはずのベルンハルトさんの携帯に電話をかけたら、「そこまで迎えに行くから待ってて!」とのこと。助かった!

待つこと30分以上。まただんだん心配になってきたが、サングラスをかけたベルンハルトさんがとうとう登場!あーよかった。。。!
家族みんなと再会のハグ。さんざん待たせたうえに、予想外のところまではるばる迎えにきてもらってしまって、本当に申し訳くて、しきりに詫びた。少しぐらいツッこまれると思ったのに、ベルンハルトさんは「もし逆の立場なら、僕も同じ間違いをするかも知れないよ」と、文句ひとつ言わず、笑顔で出迎えてくれた。いやぁ、ホントいい友達を持ったもんだ。

それにしても、ボンでは「ヴェッセリングへ行く」という僕たちを、地元のガービーさん達が3人も一緒に見送ってくれたのに、誰一人路線が違うって気付かなかったなんて、どうしてだろう。地元の人たちに見送ってもらったので、すっかり安心して来た電車に乗ってしまったのは失敗だった。もちろん責任はこのpocknにありまス。。。ゴメンナサイ…

WESSELING
ベルンハルトさんの家は2年前に出来たばかりの新築。2階建てに、大きな屋根裏と地下室もある広いおうちになっていた。奥さんのビルギットさん、息子のハイコちゃんと喜びの再会。

ハイコちゃんは、ドイツの国旗に色分けされたブブセラを吹き鳴らして歓迎してくれた。うちの息子とハイコちゃんは同い年で、会うなりたちまち意気投合。2人で足こぎ式のゴーカートに乗って、猛スピードで家の周りを走り始めた。近所の子供たちもはしゃいでいる。



ベルンハルトさんのお宅には2泊させてもらい、2日目にはケルン大聖堂の特別ツアーに連れて行ってもらうなど、本当にお世話になった。2日目の夜はpocknファミリーが料理を担当して、和食パーティーをした。楽しかったショートホームステイのシーンをいくつか紹介します。

初日、庭先のテラスでの夕食。ベルンハルトさんは「今日はボクが料理担当」と書かれたエプロンをかけてバーベキュー担当。各種ソーセージやスパイシーなタレを効かせたターキーを次々と焼いてくれた。

ビルギットさんは、いろいろなサラダや、パンに塗って食べるディップを作ってくれ、どれも超おいしかった。飲み物はもちろんケルンのビール・ケルシュ“Kölsch“。これはハイグレードのケルシュで、キレとコクが絶品だった。デザートはフルーツのムース、夜遅くまでおいしく食べて飲んで語り合った。


泊らせてもらったのは、屋根裏の広~いホール。大きな窓もあってとても快適。近い将来、お客さん用のバスルームも隣に作るとのこと。すごいなぁ!



仲良し!

この二人、4年前に初めて会ったときは、よくわからない感じでふざけ合っていただけだったが、今回は言葉はわからないのに、顔を合わせたそのときから仲良しの友達という感じ。いつも二人で嬉しそうにお互いの言語や、掛け声や、ジェスチャーをフルに使って何やら円滑にコミュニケーションし合い、いつもいっしょに遊んでいた。これには、どちらの親もビックリ。



土曜日はお昼前に、みんなでケルン大聖堂へ向かった。薬剤師のビルギットさんは土曜日も仕事へ…



ケルンへ出かける一行。 ケルンの大聖堂 特別ツアー


2日目の夜はpocknファミリーが和食を作ってみんなで食べた。日本から持ってきた調味料に、近くの超大きなスーパーから食材を買い込んできて、広くてキレイなキッチンを占領。


母は肉じゃがと、ほうれん草の胡麻和え。娘はだし巻きたまご。


pocknは、パプリカとネギのマリネと、鍋でご飯を炊いた。
近くのスーパーで買ったMilchreisは日本米に似ている。


インスタントの豚汁も加わり、食卓には和食が並んだ。

かなり時間を食って待たせてしまった。ようやく日本食パーティーのはじまり!



お味の方は… ベルンハルトさん夫婦は「おいしい!」と言ってたくさん食べ、お替りもしてくれたが、

ハイコちゃんは、インスタントの豚汁をちょっと口に入れたとたん「オーイェ~。。。」と顔をしかめた。その後食べていたのは、ほうれん草の胡麻和えをちょっとと、白いライスだけ。おいおい、それじゃあお腹すいちゃうぞ!


ハイコちゃんの微妙な表情が…

2日目の夜も遅くまで盛り上がり、最後はリビングでpocknファミリーひとりひとりが「ゲストブック」にメッセージを書き込んだ。


2泊した翌朝は、早朝にオランダへ出発するため、朝早く家を出た。
「日曜日だし、朝早いから、朝食もなにもいらない」
と言ったのに、みんな早起きしてくれ、ハイコちゃんも眠い目をこすりながらも、みんなで一緒に朝ごはんを頂いた。

そして、みんな駅まで見送りに来てくれた。
子供たちにとってもとても楽しく貴重なホームステイ、温かい心と、たくさんのおもてなしを受けた素敵な時間だった。本当にお世話になりました。

ヴェッセリング(2006年夏のヨーロッパ旅行より)
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