爪楊枝転かし散らかり年の坂 鮎を
声聞こゆ鴉の遠く年の坂 鮎を
端山の木々こすれ合ふ冬の音の 鮎を
日の照らす山脈遥か年の坂 鮎を
冬に乗り風に乗ってるトンビかな 鮎を
冬の朝山なみ遥か奥の奥 鮎を
西陽さす山鮮やかの年の坂 鮎を
南空の冬雲とまる時もなし 鮎を
冬の鳶群れて天空駆くるさま 鮎を
冬の朝鳶と鴉の鳴き比べ 鮎を
鉄塔の背後へ沈む冬夕日 鮎を