冒頭の写真は先日の記事からなのですが、モス・ヘプタウィングから伸びる黒いガイライン(細引き)ついて自在(調節ループ)の位置は幕側か、ペグ側か、どっちがいいのでしょうね、とのコメントをORIONさんからいただきました。

この時は自在ループは全て幕側にあります。しかし確かにどっちなのでしょう?

いつも無意識にやってたのでこれを機会に自宅に帰り本やカタログを確認しましたら、The Complete Walker IVに同じMoss Heptawingでのガイラインの様子を垣間見れる画を見つけました。

ここではペグ側に自在がある様子が描かれている様子が見てとれます。ちなみに寝そべるのは共著者のChip氏でしょうか? 彼もこのHeptawingを愛用されているとのこと。

ただしペグの使い方やガイラインの張り方については後のページで紹介されてますが、

自在(guy-line adjuster)については少し触れてる程度で詳細の説明はないようで、、まぁでも利用状況によって臨機応変にということでしょうか。

普通にペグダウンできるところは、ペグの頭側に自在ループをセットするとガイラインがスッキリして美的に優れていると思いますが、個人的にはペグの打ち込みを短くして長く立てたままだと脚をちょくちょく引っ掛けた際にぐらつき抜けやすいので1〜2センチしか頭を出さないくらい地面に打ち込みます。
するとガイラインが地面スレスレ、もしくは少し地中に入ってしまい、その状況で自在で調節したりしたら土が付いてまわり汚れたりペグの角で擦れ傷付いたりするので、自分は利便性から大抵は幕側に自在を付けてます。

またペグダウンできないところで岩や木などをアンカーとして用いる場合は幕側に自在を持ってくる方が調節しやすくなります。
特に涸沢のようなガレ場での岩アンカーは絶妙なバランスで固定されるので自在調節でバランスを崩したくないのもあります。

槍ヶ岳肩のテン場
そして森林限界より上のような枯れ木もなくペグダウンする十分な土も無いところでも岩をアンカーにすることになります。
そして森林限界より上のような枯れ木もなくペグダウンする十分な土も無いところでも岩をアンカーにすることになります。

奥穂小屋前のテン場
その際、岩側にも自在にしておくと岩のサイズに合わせて緩みなく固定することができます。ペグを横にして岩に引っ掛けるやり方もありますが、せっかく周囲にアンカーになる岩がゴロゴロとあるわけですから、この際、ペグは無駄な荷物として携行しません。この場合、自在は幕とアンカー側の両方になります。アンカー側の自在ループはかなり余裕を持った長さにしておくとかなり大きな岩も巻くことができます。
その際、岩側にも自在にしておくと岩のサイズに合わせて緩みなく固定することができます。ペグを横にして岩に引っ掛けるやり方もありますが、せっかく周囲にアンカーになる岩がゴロゴロとあるわけですから、この際、ペグは無駄な荷物として携行しません。この場合、自在は幕とアンカー側の両方になります。アンカー側の自在ループはかなり余裕を持った長さにしておくとかなり大きな岩も巻くことができます。

涸沢のテン場
ただ欠点は岩をアンカーにするとガイラインが切れやすい。ですのでいくらか余分に持っていくようにしています。それでもペグを一式持って行くより軽くなります。尚、自在は“自在結び”を多用して更に軽量化に努めます。
ただ欠点は岩をアンカーにするとガイラインが切れやすい。ですのでいくらか余分に持っていくようにしています。それでもペグを一式持って行くより軽くなります。尚、自在は“自在結び”を多用して更に軽量化に努めます。

涸沢のテン場
冬山での雪中キャンプでは、アンカーを雪に埋めることになりますがそうするとアンカー側に自在があると凍って全く効かなくなります。ですのでこの場合は幕側一択ですね。
いろいろと書きましたが、こんな具合に登山メインでのキャンプをなさる場合は幕側もしくは両側の方にあると利便性がいいですね。自分はオートキャンプより登山歴の方が長いせいか、いつの間にか習慣化したのかなと改めてこう書きながら気付きました。
ただしオートキャンプ利用だと美的なペグ側というのもアリですね。

最後にモスのカタログから。
こちらは自在ループがペグ側にあることから、幕からはすっと1本のガイラインが出ていてスッキリした印象ですね。ループも極力小さくしているようで、美しくセッティングしようとする意識が感じられるショットです。またこの場合、幕側だと調節が難しくなります。
以上、長くなりましたが今回、ORIONさんからのコメントをきっかけにこれまで無意識にやってたことへの意味付けをする機会を得ることができました。ありがとうございます。