スローでいこうよ

キャンプレポートやキャンプに関わるお気に入りの品の紹介をメインにしてます。

テントのガイライン自在は幕側?それともペグ側?

2021-09-14 23:45:00 | キャンプグッズ
冒頭の写真は先日の記事からなのですが、モス・ヘプタウィングから伸びる黒いガイライン(細引き)ついて自在(調節ループ)の位置は幕側か、ペグ側か、どっちがいいのでしょうね、とのコメントをORIONさんからいただきました。

この時は自在ループは全て幕側にあります。しかし確かにどっちなのでしょう?


いつも無意識にやってたのでこれを機会に自宅に帰り本やカタログを確認しましたら、The Complete Walker IVに同じMoss Heptawingでのガイラインの様子を垣間見れる画を見つけました。


ここではペグ側に自在がある様子が描かれている様子が見てとれます。ちなみに寝そべるのは共著者のChip氏でしょうか? 彼もこのHeptawingを愛用されているとのこと。


ただしペグの使い方やガイラインの張り方については後のページで紹介されてますが、


自在(guy-line adjuster)については少し触れてる程度で詳細の説明はないようで、、まぁでも利用状況によって臨機応変にということでしょうか。


普通にペグダウンできるところは、ペグの頭側に自在ループをセットするとガイラインがスッキリして美的に優れていると思いますが、個人的にはペグの打ち込みを短くして長く立てたままだと脚をちょくちょく引っ掛けた際にぐらつき抜けやすいので1〜2センチしか頭を出さないくらい地面に打ち込みます。
するとガイラインが地面スレスレ、もしくは少し地中に入ってしまい、その状況で自在で調節したりしたら土が付いてまわり汚れたりペグの角で擦れ傷付いたりするので、自分は利便性から大抵は幕側に自在を付けてます。


またペグダウンできないところで岩や木などをアンカーとして用いる場合は幕側に自在を持ってくる方が調節しやすくなります。
特に涸沢のようなガレ場での岩アンカーは絶妙なバランスで固定されるので自在調節でバランスを崩したくないのもあります。

槍ヶ岳肩のテン場
そして森林限界より上のような枯れ木もなくペグダウンする十分な土も無いところでも岩をアンカーにすることになります。

奥穂小屋前のテン場
その際、岩側にも自在にしておくと岩のサイズに合わせて緩みなく固定することができます。ペグを横にして岩に引っ掛けるやり方もありますが、せっかく周囲にアンカーになる岩がゴロゴロとあるわけですから、この際、ペグは無駄な荷物として携行しません。この場合、自在は幕とアンカー側の両方になります。アンカー側の自在ループはかなり余裕を持った長さにしておくとかなり大きな岩も巻くことができます。

涸沢のテン場
ただ欠点は岩をアンカーにするとガイラインが切れやすい。ですのでいくらか余分に持っていくようにしています。それでもペグを一式持って行くより軽くなります。尚、自在は“自在結び”を多用して更に軽量化に努めます。


涸沢のテン場
冬山での雪中キャンプでは、アンカーを雪に埋めることになりますがそうするとアンカー側に自在があると凍って全く効かなくなります。ですのでこの場合は幕側一択ですね。

いろいろと書きましたが、こんな具合に登山メインでのキャンプをなさる場合は幕側もしくは両側の方にあると利便性がいいですね。自分はオートキャンプより登山歴の方が長いせいか、いつの間にか習慣化したのかなと改めてこう書きながら気付きました。

ただしオートキャンプ利用だと美的なペグ側というのもアリですね。

最後にモスのカタログから。
こちらは自在ループがペグ側にあることから、幕からはすっと1本のガイラインが出ていてスッキリした印象ですね。ループも極力小さくしているようで、美しくセッティングしようとする意識が感じられるショットです。またこの場合、幕側だと調節が難しくなります。

以上、長くなりましたが今回、ORIONさんからのコメントをきっかけにこれまで無意識にやってたことへの意味付けをする機会を得ることができました。ありがとうございます。
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雨宿り

2021-09-12 13:13:00 | キャンプグッズ
六甲山中の市ケ原というところにモーニングハイク中、予報通り雨☔️が降ってきたのでミニタープをザックから引っ張り出しました。


モスのヘプタウィングになります。幕と専用ポールを合わせて1.1kgほどと非常に軽く取り回しが楽。


雨宿りに5分くらいでぱぱっとセット。地座りゴロ寝にはちょうど良い高さと大きさ。タープとマットだけのシンプルな利用と不自由さが逆に野性味をかきたててくれます。

雨は降ったりやんだりを繰り返してます。川向かいのテント組さんらは朝食を終え撤収をし始めました。


自分は六甲山については夜のイノシシ🐗襲撃が怖くてまだキャンプ泊まり経験はありません。つい先日も近所に現れました。超ガン見です。私のほうから目をそらし退散。


いやぁしかし神戸の街から20分のところとは思えない。

遠くでセミの鳴き声、タープを打つ雨の音、川の流れる音しか聞こえない。なにも考えずじっと空を眺めて、冷えた風が心地いい。

速く、短く、安く、生産性高く、を美徳とし頭を支配する日常からしばらく離れて一服。

スローで生産性に囚われない時間がここにはある。

このまましばしごろ寝。

雨が止んだら帰ります。

追記)

先ほどのゴロ寝している写真でORIONさんからガイラインの自在の位置はどっちがいいだろうとのコメントをいただきました。確かにあまり気にして無かったのですが、自宅に帰り本やカタログを確認しましたら、こんな画を見つけました。この画ではペグ側に自在があるようですね。幕側か、ペグ側か、少し考察してみました。↓↓↓

参考記事)


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HAN-go ファーストインプレッション

2021-08-09 15:26:00 | キャンプグッズ
5月に予約をしていたイワタニのカセットガス炊飯器HAN-go(型番CB-RC-1)が届きましたので、まずはキャンプでの実使用前のレビューになります。

尚、あらかじめ断っておきますと、これはいわゆるステマではありません
個人的に感じた良いところ、改善して欲しいところを率直につらつらと書かせていただきました。


ちなみにイワタニは以前、プリムスブランドでODガス缶仕様の炊飯器を出していました。ただしこちらは同社の定番カセットガス缶が利用できない不便がありました。


また野外炊飯器という専用の固形燃料を用いたユニークな商品もありました。

そして今回、新型の登場。
商品説明によりますと「イワタニカセットフー」シリーズ初の炊飯器らしく、お手軽に本格的なガス炊飯ができるとのこと。
ガス缶を内蔵することができ、従来のセパレート型での取扱いの煩わしさから開放される画期的な製品として期待大です。

サイズ、重量について

開梱しての第一印象は、綺麗やなぁ、そして重っ!ってことでしょうか。
ガス缶抜きで約5kgあります。
だだ比較として、リンナイ製「こがまる」5合サイズも本体に加えてホースやガス缶接続ユニットを含めたら約5kgですから、さほど驚くほどでもなさそうです。

サイズについては高さ334mm、幅275mmと車載荷室の限られたスペースに放り込むには少し躊躇するほどの大きさ。これはガス缶を内蔵することができる構造から仕方ありません。

素材について

本体のほとんどの部分はカセットフーと同じく鉄スチール板が用いられていて、宣伝写真にあるようなアウトドアでの利用を想定しているにしてはさほど頑丈さが無い印象。
ちょっとぶつけたらぺコんと凹むような柔さ危うさがあります。
吹きこぼれなどによるサビの問題も出てくることでしょう。
何せ酷使されてるうちのカセットフーJr.はサビサビのベコベコです。

価格的にも本体ケース部分はてっきりステンレスだと思っていたので、カセットフーと同じ安価な鉄スチール板で作り上げてくるとは意外でした。せめてフーでもタフまる仕様の頑丈さにして欲しかった。


よって頑丈さの比較としては、ステンレスを胴体にまとうリンナイこがまるやパロマに分がありそうです。

こがまるは長らく使いましたが目立った凹みは皆無、ぶつかってくるあまたの荷物らの挑戦にもビクともしない保護剛性があります。

ですのでこのオレンジ色に化粧の施された薄い鉄スチール板をまとったHAN-goを保護なく素のまま車載なんかしたら移動中に荷物干渉ですぐに凹んでしまうでしょう。ダッヂなんかぶつかってきたら一巻の終わり。
できましたらオプションで専用のハードケースが欲しいところです。

残念のところ

ざっと外観を確認したところで、一つ残念に思ったのは工作精度の悪さ。
ガス缶を入れる扉の上側の部分がかなり浮いています。
本来ならばココは閉じた状態で本体とフラットであるべきところでしょうが、明らかに扉サイズが大きく収まりきれていない様子。
プロダクトデザイナーの方もこの雑な仕上げは意図されてないのでは?


これが元々のデザインなのか否か?
多くの先行レビュー記事でこの部分についてわかる写真を探しましたがどれも正面のものばかりで問題の裏側部分について全くといって見当たらない、、
と思いきや価格コムで1件、写真付きで報告がありました。

この方も同様の指摘をされていて、一度返品されたそうで、交換返送されてきたものに改善が見られないとして最終的には返金対象になった模様。
ということはメーカーは不具合と認めているのでしょうか?
なにせ6万円ほどもするプロダクトですからもう少し細かなところにこだわっていただきたいですね。

質の良い

釜はフッ素加工のなされたアルミ製で、当然バリなんかなくスムースな手触り、これだけで767グラムあり加温性能はいい感じ。
五合サイズなのでファミリーキャンプやグループキャンプに重宝しそうですね。


本体は上下分離できる構造で、上は釜部、下はガスバーナーユニットとガス缶セット部になります。
なお、バーナーユニットのカバーはステンレス製。吹きこぼれなど水分を伴いますからさすがに鉄というわけにはいかないのでしょう。

便利なロック機構

接続時は上下が簡単に外れないように左右両端にあるつまみを回してロックできるのは移動時に嬉しい機構ですね。

同様に分離するパロマのやつにはロックが付いていなくて持ち運びには不向きでした。

おひつとしての使い勝手

こちら炊きあがったら上部を分離して、おひつとして利用も可能なようです。
ですが上部ユニットの底に脚や緩衝材が付いていないので直接にフレームを直置きすることになり、、


炊き上がった五合のご飯が入った重い釜をこの頼りない鉄スチールフレームで支えるには座りが悪いところでは歪んでしまう可能性も否めません。一度歪み癖の付いたら修正は困難でしょう。安価なカセットフーなら諦めもつきますが、こいつはそうはいきません。
そもそもこうした使い方は想定されてないかとは思いますが、せっかく分離してコンパクトになるわけですからオプションとして専用のおひつ台なんかあればいいのになぁ。

カセットフーなりの剛性

ちなみに下部はカセットガス缶をセットする大空間があり、これがかさばる要因にもなっていますが、この構造のおかげで他社のガス缶むき出し型よりスマートに使うことができるわけで、この製品のアドバンテージといえるでしょう。



ただ、アウトドアでのハードな利用状況ではこの強度的に頼りない扉部が真っ先に歪んで閉まりが悪くなりそうな気がします。実際すでに未使用の状態で扉にズレの歪みが確認されます。

何せここより上に重いバーナーユニット、そして更にその上に5合の入った大釜が鎮座することになる。。要は本体重量の8割に炊き上がったご飯で約5kgが上に載っかっているわけでバランス的には全くよろしくない。これは例えればスチール製カセットフーにダッヂを載せて調理するようなもの。そういうコンロはことごとく歪んでしまっている。


余計な懸念かもしれませんがこのスカスカ空間のボトム部はこれまたスチール薄板の構造柱が入っているとはいえ更に強度対策というか歪み対策が必要ではないでしょうか。

曲げ加工が容易なスチール薄板の多用ではどうやりくりしても限界があると思います。そもそも曲がりやすい素材なのですから。

なのでここは強度の高く腐食にも強いステンレス一択ではないかと。

価格的に思うこと
てゆうか、ここまで書いてあらためて定価59800円というのは高いと感じるようになってきました。こがまる5合サイズが3セット購入できるお値段です。

カセットフーシリーズ初の炊飯器、というのは同社のコンセプト通りでしょうが、いかんせんスチール素材もそのまますぎて、見た目は塗装が施されて綺麗だけど、手にし触れた際のチープ感が否めません。
まさしく化粧されたカセットフーです。
ならば価格もカセットフーシリーズなりの設定にすべきではなかったか。

初代モデルゆえの課題
ガス缶の内蔵化に取り組まれたのは素晴らしい! これは長い間、多くのキャンパーがセパレート型に対して感じていた不便でした。
ただアウトドア使用での耐久性という点では課題があるように感じます。

今後、ユーザーらからのフィードバックを得て改良がはかられることでしょう。これは初代たる宿命ですね。
それとも不発に終わりモーニングクッカーのようにレアものとしてプレミア化する?


廃番となって久しい“キャンプでごはん”はヤフオクなどで今も定価超えで取引きされている。
このHAN-goもそのユニークさ故にもしワンオフで終わるようなことがあればプレミア化は必須でしょう。

いろいろとありますが、あらためて内蔵型の難しさを感じる結果となったファーストインプレッションでした。

いずれにしても涼しくなりアフターコロナになりましたらキャンプ🏕で利用させていただきたいと思います。
それまでにハードケースを自作しよっかな。イワタニさん、ぜひ専用ハードケースを!


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イワタニのカセットガス炊飯器 HAN-go

2021-04-20 20:10:00 | キャンプグッズ
こちら予約入れましたらお届けは8月末から9月中旬になるとのことでした。コロナ後キャンプには間に合いそうです。
追記)



こがまるくん vs パロマ☆キャンプ用ガス炊飯器比較



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MSRリアクターの威力と問題点

2021-02-28 20:00:00 | キャンプグッズ


MSRリアクター、一昨年の涸沢でのグループキャンプ以来の利用ですが最近一番小さい1.0リットルサイズを入手したので一人で利用してみたらその威力を再認識。

これまでその大きさと重さからソロ登山での利用は敬遠してましたが、これはアリですね。

何が凄いかって、コーヒーカップ1杯量のお湯なら、バーナーに火を入れてから、モンカフェを袋から出してカップにセットし終わる前にもう沸騰している! 早すぎて逆に慌ててしまう。
 
なので、お湯が湧くのを耳を澄ませて待つという煩わしさがゼロ、沸騰待ち時間から完全に解放される。

更に付け加えると、これは1リットルの小さいのに限ったことではありませんが、丸い熱源部がポットで覆われるので風の影響を受けにくく、いちいち風防やら岩で囲んだりバーナーの配置を変えたりする煩わしさがない。


説明書にはバーナーユニットがあまりにも高温になりガス缶の爆発を引き起こす可能性があるとして風防を絶対に使わないようにとの記載。 


使用中、赤く浮かび上がるMSRのロゴを見ることができないのはご愛嬌。
この熱源は強烈で、誤って空焚きするようなことでもあったらポットの底が溶けてメルトダウンするのだとか。 さすがリアクター(原子炉)と言うだけあります。
開発を担当した元MSRエンジニアのレッドウッド氏によると燃料効率が通常タイプのバーナーだと約40%であるのに対してこのリアクターユニットは約80%なのだとか。
これはすなわち同じ量の湯を沸かすのに必要な燃料が半分で済むということ。 但し皮肉にもMSR指定の赤缶は日本では倍の値段するのでコスト的には変わらない。 とはいえ環境配慮という点で素晴らしいイノベーションですね。

高効率をもたらす仕組みの1つとしてレッドウッド氏によると、一般的なバーナー(図では競合のジェットボイルらしき絵が示されている(右)はバーナーヘッド上の開放された空間で燃料と空気中の酸素があわさり燃焼するために、風など環境変化によって燃料と酸素との配合が一定にならず最適な燃焼が得られない一方で、リアクター(左)ではユニット側面から外気を取り入れて流れを制御し常に一定量の酸素と燃料がユニット内のノズル直近で合わさり燃焼することにアドバンテージがあるらしい。 燃焼中に赤く見えるのはノズルではなく触媒で、実際のノズルはユニット内部にあるから風の影響は受け難い構造のよう。 てっきり天面の巨大な網状ノズルからガスが広拡散に噴射されているものと勘違いしておりました。


確かにジェットボイルではノズル下周りが開放系で大きな空間がある。3方に開く穴から入り込む空気量は風まかせと言うことでしょう。
MSRに言わせれば、この手のものは形や見た目は変われど基本構造は一般的バーナーと同じということになります。


リアクターに話しは戻して、発生させた燃を余すことなく受けとめるポットのルーバーデザインが加わり、結果、一般的なバーナーに対して倍もの効率を叩き出していると言うことになります。

リアクターが高価な理由はどうやらこうした構造上の大きな違いから来るようです。

そんなことを知るとあのアミカバーの中がどうなってるか見たくなりましたが安全上、分解はしないほうがいいですね。


現在、3サイズがラインナップされてます。
サイズ感がわかるよう重ねてみました。
1.0リットルポット(MAX0.5リットル)、1.7リットルポット(MAX1.0リットル)、2.5リットルポットには何故かMAXの目盛表記がなく2リットルとある。
カップヌードル6〜7個相当量のお湯を一度に沸かすことができるのでグルキャン向きと言えます。


なお2.5リットルポットのみハンドルに赤いロック機構がついてます。

〈高温検知による自動停止問題〉
リアクターの場合、いつ何時でも高温化を避けることがとても重要なようで、
バーナーユニットが異常な高温になると熱融金属が溶けてガスの供給管に栓をしガスの供給を塞ぐ、いわゆるサーマルトリップ機構が働くらしいですが、問題なのはこのトリップが作動してしまったら最後、そのリセット作業はMSRでしかできないということ。 これは大変困る仕様ですね。
森林限界上での登山キャンプ中に止まったりしたら、火を得る手段がなくなるわけで死活問題。
 
ガスが止まれば英語の説明書には、”Return to an Authorized Dealer”とあるけれど日本代理店のモチヅキではリアクターを扱ってないので、本国に送り返しリセットしてもらう必要がある、って。。
長年認可の降りなかった赤缶の販売が開始されたわけだからリアクターも扱ってくれたらいいのに、と愚痴をこぼしたくなる。

もしくは禁断の一手として海外のサイトには自己責任でほじくり出す様子をレポする猛者もいるようだけど、ここでは安全のため詳細の説明は控えておきたい。

いずれにしてもリアクター自体は2007年に発売されて以来これまで製品リコールもなく本国ではまだ現行SKUとして息長く売られてますので設計品質的には問題は無く、また気づかないところで熱対策の改良がコツコツと加えられていることでしょう。
何せ社名がMountain Safety Researchです。 個人的にはこの手の安全に関わるガジェットは最新ロットのものが最も改良の進んだ最良のものと思います。


そして後発のウィンドバーナーにはこれがMSRの手を借りることなくリセットできるようになったらしい。性能はリアクターより劣るらしいが信頼性は高い。


余談になりますが、このウィンドバーナーは以前キャンピングガスから出ていたトレックオートに似ていますね。


以上から察するにリアクターの場合、設計性能が担保される最大容量2.5リットルポットにある実用2リットル目盛くらいまでの水や雪を沸かす時間以上にダラダラとバーナーに火を入れっぱなしなんかしたらアカンということでしょうか。 


試しに2リットルの水を純正赤缶で沸かしてみるとギリギリ吹きこぼれることなく沸騰しました。時間にして7分15秒! 夏ならもっと早く沸くことでしょう。更に高度が高いと沸点も低くなるから早い?
いずれにしても目安として10分以上の加熱はバーナー部への熱負荷が設計想定以上にかかりリスクは高いと思われます。
ですので煮込みが必要なカレーとか鍋物とか蒸し物とか時間をかける調理はやめた方がいい。

まぁいったん湯が沸いてしまい、更に火にくべる必要があるならば他のバーナーに移し替えればいいわけで。
試しにプリムス2243バーナーに乗せてみたらどのサイズもしっくりいく。

要するに瞬間湯沸かし器の役割りに徹する、沸いたらすぐ火を止める。
それだけの用途と割り切るのが得策かと。だけどその価値は十分すぎる。
 
また、サードパーティ製のゴトクをセットしスキレットで炒め物とかも出来るようですが、長く火を入れたままというのは避けたほうが良さそう。 ティファールに色々とさせないのが無難。
 
〈重すぎる問題〉
ここまで高温停止問題について書きましたがこれらは注意すれば回避できるとしても、どうにもならないことがあります。
それは、重量。 どのサイズもかなり重いので登山で長く携行するにはキツい。 



最小サイズの1.0リットルポット(スキレット無し)とバーナーの組み合わせで実測408グラム、1.7リットルでは479グラム、2.5リットルは599グラムある。 ガス缶を付けたら1キロ近くにもなるって、、ヘビィーすぎるやろ😅 昔のワンゲル部でもあるまいし。。 単独行登山なら当然1.0を選択することになる。

一方で後継モデルのウィンドバーナーについては、カタログ値465グラムもありリアクター1.0より約60グラムほど重いらしい。 新しいモノ好きな自分が購入に躊躇する理由はこの重量増と性能低下につきる。
 

一方でいつも登山で使用頻度の高い左側のプリムスのP-115バーナーとモリタのチタンクッカー(鍋とスキレットになる蓋)の組み合わせは228グラム。
リアクター1.0との200グラムほどの重量差をどう捉えるかだけど、自称グラムカッターとしてはこれは看過できない重さ。加えてリアクターの場合、注意深く使用しててもいつ高温でサーマルトリップが作動するかもしれない恐怖からバックアップのバーナーを持つ必要に迫られ更に重量増となる。
 
結果的にオートキャンプやバックアップの望めるグループ登山、すぐ下山できる低山ハイキングでしか出番がなく、滅多に使わない。
 
〈純正OD缶問題〉
MSR純正の赤OD缶(イソブタン80%、プロパン20%)は長らく日本では入手できませんでしたが、昨年になってようやく売られ始めました。やっと入手することができた喜びも束の間、構造上脱着時にプシュウ〜とガス漏れすることに幻滅。
結局、自分はもっぱら漏れ音があまりしないプリムスのパワー缶(ノーマルブタン75%、プロパン25%)を自己責任で優先利用。配合的にはMSR指定と近似しているからか、今のところ問題無く使用できている。


こちらがMSR指定のガス配合。


配合的にはプリムスのウルトラ缶(イソブタン75%、プロパン25%)も近いけど、封印シールに、外気温の高い場所では絶対に使用しない、と丁寧な警告が但し書きされているのを見ると、これからの時期、使うのが億劫になる。


噂では赤の専用缶の方が深くバーナーに刺さり、設計意図がそうで赤缶の方が高温化しないのでは?という憶測もあるが、見た目ほんとわからない。でも確かなのは赤缶は装着時にガス漏れするということ。それに輸入品だからか何せ高価。これ1個でプリムスパワー缶が2個買える。

おかげで勿体ぶってもあってか勢いで購入したストック赤缶がずっと棚にあるまま。棚に静置してるうちはガス漏れはないだろうけどやっぱ怖いから早く使わないと。。
 

話しを市ケ原でのモーニング に移して、朝食パンはTHE BAKE というお店の焼き立て。朝8時からやってるのはうれしい。
チョイスしたのはゴルゴンゾーラのとクロワッサン。
やっぱ朝はパンですね。コーヒーとのコンビネーションはパーフェクト、うまい!
 
この後、大龍寺経由で超高速下山。eMTBのバッテリーは75%残でトータル90分ほどのモーニング ハイクでした。

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猛暑に向け臨戦態勢

2020-07-31 06:11:00 | キャンプグッズ
長い梅雨が明け、いよいよ夏本番。

これから50日は続くだろう猛暑に向けて、今年は携帯扇風機からアップグレードをはかり臨戦態勢に入っております。


まず、こちら5月に予約しておいたマキタのクーラーボックス、間に合いました。


まだ庭の雑草抜き作業中にちょこっと使用した程度ですが、いやはや前評判通り凄い。
ゼロ℃設定しても使用環境によってはマイナスまでオーバードライブするほどの高性能。まさにビールがキンキンに冷える。

これまでペルチェだの分厚い高性能断熱材入りだのと色々と使ってきましたが、間違い無くコレが断トツ、これぞ最強です。

一つ使い勝手の点から面倒だなと感じるのは、ちょっとでも移動させようとしたら傾きや振動を感知してなのか電源がオフになることでしょうか。室内でそぉっと気をつかいながら横移動してもやっぱりオフになる。そしていったんオフになったらすぐには電源が入らない。

アウトドア利用で少しテーブルのそばに、なんて引き寄せるようなシチュエーションでは使い勝手悪そうですね。


そして、今年の夏の大本命がこちら。
BURTLEという聴き慣れない会社のAIRCRAFTという製品。

いわゆる空調服です。

左から、専用の服、ファン、風量をコントロールする機能を備えた充電池。 あれって一体になってると思いきや、別々なんですね。そのおかげでユニットだけアップグレードがはかったり、服を変えたりできるのは経済的でイイ。


肝心の空調コントロールユニットは京セラ製。
服のタイプはいきなり工事現場で見るような玄人向けの長袖はと思い、ベストタイプにしました。

こちらもまだ試着、いや試運転?程度に近所を散歩した程度ですが、やばい! もっと早く手にしてたらよかった。


これまでミシュランマンみたいになるモコモコの見た目がぁ〜と躊躇していたのを後悔するレベル。とはいえ、年々進化してるそうで、昨年のより風量アップなら遅れたとはいえ今年デビューも納得。

保冷剤をポケットに入れるとクーラーをまとってるような感覚になります。

難を言うとすれば、ファンの動作音と重量ですが、これらをオフセットできる冷効果をもたらしてくれる。

さて、まず散歩程度は大丈夫なのですが、例えばバックパックを背負っての登山で果たして使えるのか? 結論から先に申しますと、やや工夫がいる様子。

こちらのレビューはまた詳しくアップしたいと思います。


最後に、こちらは先日レビューをあげたソニーの携帯空調デバイスREON POCKET。
これは昨年の”ここ冷え”並みに期待ハズれでした。満員電車の中でじっとしているようなシチュエーションではじわりじわりと首元に冷を感じるかと思いますが、外でアクティブに行動するには全力団扇の方が勝ります。

そしてその全力団扇よりも勝る新体験をもたらしてくれるのが、空調服!
もうこの際、モコモコの見た目は二の次です。

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残念⭐︎ SONYのポケットクーラーREON POCKET

2020-06-12 21:32:00 | キャンプグッズ
昨年、クラウドファンディングで購入予約したSONYのREON POCKETの全機能入りスタンダードモデル。3月に無事届いて、ようやく使える時期になりましたのでまずは試用してみました。

いざスイッチオン!
暑がりな自分には超ワクワクもん、

夢のデバイスになる!  

はずだった。。


というわけで、いきなり結論から言うと、

期待外れ、残念。

確かに肌に触れるシリコンのところは手で握り確認すると、冷えたペットボトルほどに冷えはするのですが、実際に専用Tシャツを着て装着してみると、なんていうか肌に触れているところに意識を集中しないと何となくわかるようでわからない、そんなボヤっとした冷たさ。

もしかしたら、専用Tシャツのサイズがあってないのだろうか?
でも、171センチ体重73キロの自分にMサイズはかなりぴちぴちなんだけど、

でも何せ、専用Tシャツごしではうまくシリコン部がずっと肌にピタッと触れた状態になってないのか、歩いてるとじっと固着せずにずれたり肌から離れたりするようで。だから手にじっと持ち続けたときのような冷たさは持続して感じない。


不良品かな?とホームページを見ましたら、”安静状態で”、とあるので、アクティブに動き回る状況はよろしくないのかもしれない。

でも冷房下のデスクワーク中ならまだしも、これを必要とするのは暑い戸外になるでしょうから、そこで安静にじっとステイするようなシチュエーションは稀なのでは?

また、専用TシャツがVネックのまんま下着のルックスなので、そのまま普通のTシャツみたいに着て外出はできず、更に1枚上から羽織る必要がある。すると、結果、Tシャツだけよりは暑くなる。


そして、ここで一番の問題と感じたのがこの上に向いた排気口周りに漂う”微妙に”生暖かい空気。
本体はオンオフをインターバルさせて電池を長持ちさせるプログラムモードがあるのだけど、多分、オフの際に本体内に残留した少量の空気が微妙に生暖かくふわっと自然排出されるのかな?
なにせ、これが上から羽織ったシャツと専用Tシャツの間や襟周りの辺りに漂って、妙に生温い感覚になる。

先に述べたシリコン部分は触れたら冷たいけれど、排気口から出る”微妙に”生暖かい空気のおかげでプラマイゼロ、いや、シリコン部はじっと肌に固着せず涼が持続しないから暖かいほうが勝ってるようにも感じる。

結果、梅雨前の暑い晴天下では期待する効果は感じられなかった。
なんか言われてみれば冷たい?かな?かな?というのが個人的な感想。

最新のデバイスを装着しているっていう気持ちの昂りが体温を高くしていたのかもしれませんが。。


とはいえ、まだ諦め切れないと、アプリでブーストという2分間限定の風量MAXモードを何度も繰り返し試したりしたけど、これが時間切れになるたびにブーストに戻す操作をスマホをやる必要があり煩わしい。

ついには本体をTシャツから取り出して手に持ち首にシリコン部を直接当てるという荒技に至りましたが、それでも、片手うちわやUSB扇風機のほうが涼しい気がしてきた。

どうしてだろう?自分のはハズレだったのだろうか? 他の多くの方々が絶賛するほどの実用的な涼感覚を自分は感じられなかった。

期待が大きかった分、なんだこれ?という印象は最後まで払拭することはなかったですが、まだまだこの手のデバイスは創成期。
まずはクラウドファンディングで一石を投じたSONYに敬意を表して、これから多くのフィードバックを得て、次のモデルに期待です。


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この夏の大本命⭐︎マキタのクーラーボックス

2020-05-24 23:28:00 | キャンプグッズ
じきに6月とはいえ今年はコロナのせいか去年より暑さが控え目な感じがしますが、それでもあの猛暑は1カ月もしたらやって来ます。今年も40℃超えとなる日は来るのでしょうか。



そんな折り、マキタから待望のクーラーボックスが登場するとのこと。

同社の18Vリチウムイオンバッテリー2本使いで5℃を17時間。 これって使いようによってはモバイルファンと併用で車中泊のエアコンに利用できるかも。

3電源が利用可能だそうですが、加えてカセットガス缶での稼働も可なら完璧にキャンプ仕様になりますね。

一応、予約入れましたがいつになるやら。

有名YouTuberの方々には発売前にメーカーきら手に届いてるみたいですね。
自分も梅雨明けまでには手にしたいところです。




マキタは他にもアウトドアで使えるガジェットをいろいろと出しています。こちらはコーヒーメーカー。 ただしスペックでは18Vで640mlを1回しかドリップできないのはちょっと効率悪すぎかな。



ラジオ付きテレビなんかもあるようで。
他、自走掃除機やら扇風機やらと、今回、冷温蔵庫が加わったことで、家中の家電をマキタで、なんてのも可能になりそうですが、全部を同時に稼働させるとなると何個のバッテリーがいることやら😅


自分は今のところ同社の製品はこの18Vインパクトだけですが、そんなに煩雑に使うものではなく、バッテリーの自然劣化が気になるところでした。

今回のクーラーボックスは猛暑の救世主となるか。 発売日が待ち通しいですね。





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PA’LANTEのSimple Pack、またもや在庫切れ

2020-05-13 20:03:00 | キャンプグッズ


トレラン用の使い勝手のいい軽量パックを製造販売している米PA’LANTEから、昨年から長く続いていた在庫切れがようやく解消したとのメールを4月末にいただいたのですが、今度はクリアランスセールの案内が来ました。

いやしかし同社にとっては増加するデマンドに対応するサプライチェーンを確立するために頑張ったと思うのですが、整うまでに時間がかかりすぎたという感が否めません。 また、回復するタイミングも悪かった。 結果、期を逃したのではないでしょうか。


新興ブランドにとっては、ひとつき、ひとつきが成長を支える大切な時間で、あるきっかけで認知されそこから成長してゆく矢先に在庫切れ、そしてコロナとは不運としか言えません。

自分も、昨年夏にはここのSimple Packというモデルが是非とも欲しいと思いながらも在庫切れ。

このパックのユニークなのは、ボトム部にストレッチ素材の生地があてがわれて、背負いながらウェアの出し入れが簡単にできるところ。 これが、なかなかありそうで無い。
もたもたしていたらすぐコピーされてしまいますよ。

頼みのeBayにはプロトタイプのレアものが出回っていたのですが寝坊で落札できず。
仕方なくメーリングリストに登録はしたものの半年以上が過ぎてもうすっかり忘れてました。

そしてその間に英OMMのサイズ違いのパックを購入し、これがかなりしっくりいくので、今のところPA’LANTEは必要ないかな、なんて思いながらも、やっぱ買っとことカートに入れようとしたら、またもや売り切れでした。 残念! また忘れた頃に案内が来るのかな? どうせなら注文だけでも受けてくれたらいいのになぁ。


ところで、いつの間にやら日本語サイトができてるのですね。知りませんでした。
でも宣伝周りは整えても生産を整えないとどうにもならないと思うのですが。。

いずれにしても、ぜひ同社のSimple Packで山に行ってみたい、という気持ちが再熱してきました。 コロナ明けの楽しみがまた増え、そろそろ全てを実行する時間が足らなくなりそうです。


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バイク技術研究所の電動自転車

2020-02-12 22:27:07 | キャンプグッズ


日本初の国産旅客機といえば双発プロペラのYS11ですが、その元技術者が興した(有)バイク技術研究所が先月(2020年1月27日)に会社を解散していたそうですね。

同社は、アルミ製の軽量フレームを用いた電動自転車を開発製造販売、一時は電動で世界最軽量(11kgだったかな?)のYS11というモデルをラインナップし、多くの後塵を排したメーカーにベンチマークされるまでに至りました。

すでにホームページは閉じられていて、保守部品やサービスは東京の自転車店Pokito a Poko(ポキート ア ポコ)が担当されるようです。



当方は同社のYS-33というモデル(上写真)を所有し主にキャンプ中の買い出し移動や坂道の多い神戸での街乗りに重宝しております。

錆にめっぽう強い硬質アルマイト処理がなされたアルミ製のフレーム(日本で設計、製造は台湾)にアシスト心臓部はサンスター技研製の235W出力ブラシレスモーターと 2.5Ah容量のリチウムイオンバッテリー、いずれも日本製というこだわりの組み合わせ。

そしてベルクロにしては大型の18インチタイヤでより安定した走行ができて、特筆すべきはたとえバッテリーが切れても16.7kgという軽量な車体にシマノ製7段変速機のおかげで普通にスイスイと漕ぎ進めることができる!

高度成長期を支えた昭和の技術者魂がこもった、こだわったモノ作りの会社がまた一つ、終わりを遂げました。

時代は確実に電動化に向かっていると思われるのですが、どうしてなのかな?
同社ホームページからの受注販売だけというストイックさでは販路拡大に限界があったのだろうか🤔

モノがよいだけに会社解散は残念でなりません。

手元にあるプロダクトについては、これまで以上に労りの気持ちを持って、大切に令和の時代に乗り続けさせていただきたいと思います。





コメント (3)
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