1971 Steyr-Puch Pinzgauer 712DK 6×6 Custom
The Paul Andrews Estate Collection
$72,800 USD | Sold
| Monterey, California
12 August 2021
先日、71年式ピンツガウアー712がサザビーズオークションに登場、72800ドル(約800万円)で落札されました。
噂では自衛隊も70年代にこの712系を輸入していたらしく納入価格は架装内容によるかと思いますが大体3千万円くらいだったとか。
ピンツガウアーはWikiによると2007年まで生産されたそうですが、後期のものはまだ機密情報の詰まった武器扱いなのかな、個人で所有できるのは70年代80年代の技術的にアウトデートしたものでスクラップを運良く回避できたものになるかと思います。
つい先日発売されたランクル新型より心躍るものを感じるのは元712パイロットだからでしょうか。
私が操縦してましたのは712Mという6WDモデルの全幌車で、こいつで日本中いろんなキャンプ場を巡りましたが、雨後のどんなぬかるみも走り抜き、荷室は広大でなんでも放り込むことができ、
そして一度たりとも同じ車にかぶったことはありませんでした。
これからキャンピングカーをと考えてらっしゃる方にはおすすめの一台だと思います。
オークションに出されたピンツガウアー712DKも6WDで前輪、中輪、後輪それぞれでデフロックがかけられるために、悪路走行性能が半端ありません。
無骨な鉄ホイールは純正のドラムタイプのようですね。
窓後ろ側には無線アンテナのベースが付いていて、ここにぶっといCODAN製のHFアンテナを付ければ携帯電波の届かない辺境地でもストレス無くモーニング コールできるでしょう。
ただごちゃごちゃと派手にペイントが施されているので暗視スコープには簡単に捕捉されそうですね。
個人的にはシンプルにマットな赤外吸収ODグリーンで良いかと。
こいつを仮に購入したとしてアップグレードをはかるとすればまずはホイールかと思いますが、HMMWVなどに採用されているハッチンソン製防爆タイプだと型式によっては機密武器扱いとなり一般では輸入が困難になるので注意が必要です。
こう見ると長大な荷室部分の前半分がハードトップ、後ろ半分はソフトシェル(幌)と良いとこ取りの仕様になっていて、これは使い勝手良さそうですね。荷物に邪魔されずに車中泊ができそう。
軍用車らしくハブリダクションと呼ばれるデフが普通の車より上にあがった構造になっているので、床下はスッキリとフラット。機能美そのものですね。
ヘッドライトについてはオプションで暗視ゴーグルを通じて視認できる赤外線ライトユニットがありますがこの車両には付いていないようです。派手なペイントといえ、あまり実戦用ではないことが伺えます。
随所に軍用車らしい機能美が見られますね。
自分が712を輸入した際は、このドア内部に補強ステーを入れないと保安基準を満たさないとお上から指摘を受けて改造を施しました。
更に窓ガラスも日本の保安基準を満たしたEマークが入ってないので公道ではNGと指摘され、全て別注で換装させられるハメに。
軍用車ですから相当丈夫ですよ、と説明しましたが聞き入れてもらえなかった。
運転席と言うよりかは仕事場と言う印象の強いキャビンですね。
おっと、空調レス仕様ですか。。
経験上、このままではNATO地域の夏は越せても日本の夏は越せません。アンテナやホイールよりも何よりもまず空調を設置するのが最初にするべきアップグレードになるかと思います。
ちなみに運転席中央にある3つのレバーでデフロックを操作します。
私が乗っていた712は一度、6輪全てロックがかかって戻らないトラブルにみまわれ、そうなると爆進直線番長、カーブで対向車線に突っ込み死ぬかと思いました。
何もかもが規格外のクルマですが、楽しさも規格外です。
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