2011年3月11日14時46分は忘れられない時刻になりました。平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震が発生し、三陸沖が震源だというのになんと関西でもゆっさゆっさという強い揺れを感じました。
自衛隊が撮影する、迫り来る津波が仙台平野を覆うというオンタイムの惨事を現実と思えないまま、あっけにとられながら公共放送で観てから、少し離人症気味な感覚です。まるで悪夢を見ているようです。
より大きな地図で The 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake 2011/3/11-平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震 を表示
原子力発電所がとても信じられないような災害を起こし、東京電力のスタッフの方々や自衛隊の方々など命をかけた防衛に挑んでいます。もう、ずっとずっと胸が痛んでいます。
ご無事で帰還はありえない程の放射線被曝状態だと思いますがどうか命だけは助かりますように。
原発事故の原因はわかりません。
ただ、ことさら事業者を責めても無意味などころかかえって重大なミスの隠蔽につながるので、きわめて客観的で当事者を感情的に追い詰めない原因究明が必要になると思います。
今は反原発の機運が高まっていますが、原発なしでエネルギー需要をまかなうのはすぐにはまったく不可能です。以前から筆者は原発が怖くてしかたがなかったのですが、今は頼らざるえないものだと考えています。危険なのに運用しないと生きていけないならば、もっと安全なエネルギーの開発と移行も含めて巨額の投資、何重もの安全策が必要であると考えています。
世界でも有数の巨大地震発生地帯である三陸沖に面した設計構想で造られていたのか、これほど大きい地震の想定は不可能であったのか、想定した地震と津波のパワーの推定が足りていなかったのか、1970年代稼働で老築化していたのではないか、等様々な可能性があるのですが、関西ではバラエティ報道番組でも取り上げられていた基本的な運営に関する問題点が最近指摘されていたことを思い出させます。
取水口の問題
「チリ地震が警鐘 原発冷却水確保できぬ恐れ 」2010年3月1日(月)「しんぶん赤旗」
改善ないまま
原発の津波対策をめぐっては、2006年に日本共産党の吉井英勝衆院議員が国会質問で不備を指摘しています。5メートルの津波(引き波)によって、日本の原発の約8割にあたる43基の原発で、冷却水が海から取水できなくなることを明らかにしました。また、原発ごとに想定されている引き波でも、12原発が、取水不能になるうえ貯水槽もないことがわかっています(女川・浜岡の各原発は取水槽あり)(略)
冷却水喪失なら炉心溶融の危険
吉井議員の話 2007年の新潟県中越沖地震では、地震の揺れそのものによって柏崎刈羽原発が被害を受けた。津波でも、海面が上がると冷却ポンプが水没する危険があり、海面が下がると冷却水喪失の恐れがある。これらは、原子炉の崩壊熱による炉心溶融を懸念させる事態だ。今後も、地震の揺れや津波への対策を前進させるために、国会でも取り組みたい。
点検に関する問題は経済産業省のホームページで確認できます。しかしこれが原因とつながりがあるかどうかはわかりません。
「東京電力株式会社柏崎刈羽、福島第一及び福島第二原子力発電所の点検周期を超過した機器に係る報告の評価について」(2011年)平成23年3月2日(水)
点検周期を超過している機器が全発電所の合計で171機器ありましたが、そのうち、141機器については既に点検が完了しています。
また、点検未実施である30機器についても外観点検等により、漏えいがないことや異状がないこと等を確認し、そのうち、至近に点検を行う予定の機器が27機器となっています。
なお、残りの3機器のうち、福島第一原子力発電所1号機の 原子炉再循環ポンプMGセット可変流体継手2機器は外観点検等で異常がないことを確認するとともに、技術評価を行い次回定期検査時に点検を実施することを決定しています。
また、福島第二原子力発電所2号機の原子炉給水ポンプタービン排気弁リミトルク1機器は運転停止時の試験に用いる機器であり、原子炉の運転上の機能要求がなく、使用停止措置を講ずることとしており、これらのことから東京電力は当該171機器全てについて、安全上の問題がないと評価しています。
「東京電力株式会社福島第一原子力発電所第4号機の第4回定期事業者検査の実施体制に関する保安院の評定について(定期安全管理審査の結果に基づく評定)」 (2011年)平成23年3月10日(木)