亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

病院の待合室もよう

2009-03-14 | 先生&病院譚
ジンチョウゲが咲いているのを見つけました。花というか、鼻が春を感じてます♪

T3負荷検査3日目!
ちょっとだけ皮疹が出ているのですが、フルメタを薄く塗って、しのいでいます。
吐き気があるくせに、食欲がけっこうあって、体重は減りません~。熱は37.5度くらいまでしか上がってません。テンションが高くて、頑張れば仕事をバリバリできそうな気分になるんですが、きっとそうすると倒れるんだろうな~(笑)まだ、救急外来に走っていかなくても、大丈夫そうです。
眠れないけど、甲状腺機能亢進症で起きやすい焦燥感はあんまりないのも助かってます♪
とりあえず、できるだけ省エネで暮らしてます~。エコですね。

このところ、家族や自分のことで病院にいることがとっても多いのですが、なんだか空いてるんですよね。学会の季節で、先生たちもご不在みたいです。
寒くて膠原病の不調が出る季節でもなく、暖かくて甲状腺が亢進する季節でもなく、負荷検査にはぴったりな季節なのですが、信頼している先生たちが学会で不在の時期を選んだのはちょっと失敗かも?(笑)

そういえば、一昨日のTRH負荷の処置は、消化器内科の横の処置室でやってもらいました。このところ、大腸内視鏡とか、ピロリ菌とか、消化器の周辺に行くことがつづいてます。
内分泌や膠原病の外来は、若い女性がけっこうたくさんいるのですが、消化器の外来の周辺に行くと、高齢者の男性率があがってます。待合室の雰囲気がぜんぜん違います!!おもしろいです~。
消化器は、待ちながら怒っているおじさん率も高いような?(偏見かな?)

病院は、先生だけじゃなくて患者さんも、科によってなんとなく雰囲気があって、ある一般内科を長くやっている先生が、「初診の患者さんでも、診察室に入ってきて座るまでに、あの病気かな?って見当がつくこともあるんだよ、キャラみたいなものがね~」なんて言っていたのを思い出しました。

さて、いろんな科に行っているわたしは、どの科のタイプに見えるかな?

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メディエーター ~ 医療対話の橋渡し

2009-02-23 | 先生&病院譚
昨日は、よそのお仕事のお手伝い。久しぶりにおでかけしていたのですが、お仕事が終わった途端、電池切れ。歩くのも電車に乗るのもつらくて、近所のお店で、ガツンとお肉を食べて、一休みしました(笑)今日も、地球が回っているので代休です。

明日から、ヨード制限食が始まるので、隠し味に昆布茶を使っているようなパスタをたっぷり食べたり、チーズたっぷりのピザを食べたり、寒天で固めた杏仁豆腐を楽しんだり、ミルクたっぷりのカフェオレを飲んだり。そのせいで、甲状腺機能がすごく亢進してたら、大笑いですけど。
ヨードは海のものにたくさん含まれているので、ヘルシーな和食は食べにくくなります。逆に、お塩と胡椒だけをかけたステーキなんかはOKです。食事制限というわりに、あんまりヘルシーメニューに見えないので、お昼にお弁当を広げていると、周りの人には、「ほんとに食事制限なの~」とつっこまれます(笑)
ほんとなんですよー。

さて、そんなわけで、おうちでおとなしくしていたら、医療メディエーションの記事をみつけました。

メディエーションは、医療の場面で、専門的なテクニックを持った第三者が対話の橋渡しをするもの。メディエーションを行うメディエーターは、どちらかの代理人ではなくて、医療者や病院の伝えたい内容を患者や家族にわかるように説明したり、患者側が知りたいと願うことをきちんと伝えて、説明したりする人です。

アメリカでは70年代以降に医療訴訟が頻発、賠償金も高額化することで、「かかりつけのお医者さん」をしていたような先生たちがストをしたり、どんどん撤退したりするという事態が起きました。そこから起きた医療崩壊に対して、賠償金の上限を設定するなどの法的な保護をする州が増えていきました。
そして、保護された州へ、医療者が流出するということが発生していきます。

そういう現場で生まれたのが、メディエーションという手法。
日本では、方法論としては、まだ確立されていないのかもしれませんが、いくつかの記述で、共通するポイントはあるようです。
患者側が思いをしっかり語れる場を作ること、そこから、「ほんとうに怒っていたり疑っていたりするところはどこか」を整理すること、おびえている医療者側には本当のことを整理できるような場を作ること、医療者側も起きたことについて残念に思っている正直な気持ちを伝えること、…結局のところ「一緒によく考える」ことだと書かれているものがたくさんありました。

そんな対話から、固まった心がほぐれるのかもしれません。

少し前に市立豊中病院での取組みが紹介されています。

わたしも、小さい頃からいろいろ病院にはお世話になってきているので、「あれ、その薬はダメって言われてますよ」とか「前の検査結果が出てるはずですけど、誰も教えてくれないんですよね」とかいうことも時々。
検査や処方の前にしておかないといけないスクリーニングが抜けていて、「他の科でやっていたはず」という誤解があったなんて怖いことも。
でも、日ごろ、先生が丁寧に説明してくれているから、わたしも「あれ?」と気づくし、「言ってくれるのがいい患者さん♪」と先生も聞いてくれるんです。

わたしも、「もっと正直に言おう」と思えるようになったのは、この数年かもしれません。でも、つらかったら、つらいと言ってみる、楽になったら楽になったと言う…というのも、先生にとっては大事な情報だったりします。
医療者の方でも患者の方でも、対話をしようって、本気になれたらいいなと、記事を読みながら思ったのでした。

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患者の体験談のデータベース

2009-01-23 | 先生&病院譚
昨日はなんだか、霧のような雨が冷たい、冷たい~という天気でしたが、今日のお昼には春みたいな陽射しになりました♪
甲状腺ホルモンが増えているようなほてりがあったり、かと思ったら、指先はレイノーでジンジンしてたり、偏頭痛の前のようなチカチカ(閃輝暗点)が30分くらい出ていたり、短いめまいがあったり、体調もめまぐるしく…。
でも、ダルダルは感じないから、多分、かなりゲンキです♪

さて、患者の不安を取り除き、家族を支援しようと、「患者の語り」のデータベース作成プロジェクトが進んでいるそうです。

同じ病気の診断を受けた患者に病気と向き合うために必要な情報を、家族や友人、医療に携わる人々にはがん患者の体験を理解してもらうための情報を提供するという目的で、最初に診断を聞いた時に考えたこと、傷ついた言葉、励まされた言葉、生活の変化、闘病中に困ったこと、闘病を振り返って感じたことなどインタビューをまとめているそうです。まずは、乳がん、前立腺がんについて。

何度となく書いていることではあるのですが、客観的な情報と、それをどう受け止めて消化したり行動に展開したかということ、つらさや不安の共有というのは、病気と向かい合っていくためには、すごく力になる気がします。

同じ病気や同じくらいの状態の方とは話しやすいという面もあるのですが、いろんな病気があって、いろんな人がいろんなスタイルで、向き合っているんだなというも、ゲンキをもらえるから、いろんな病気の人の体験記がわかりやすい形で提供されるのもいいなぁと思いながら、読みました♪

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ワンコインで健康診断

2009-01-17 | 先生&病院譚
寒いです~。甲状腺が亢進していて、手のひらに汗をかいているのに、それでもレイノーがでて、ジンジンしているって…(笑) うちのなかで遭難しそうな気分になってました。

さて、よく読んでいる「お医者になるのは、大変ですね」というブログで、ワンコイン健診の話が紹介されていました。

「ワンコイン健診」はもともとは産経新聞の記事
検査内容は、大きく分けて「血糖値」「総コレステロール」「中性脂肪」「身長、体重、骨密度、血圧など」の4つ。1回の検査は数分で各500円(ワンコイン)、セットでは1500円で受けることができる。セットの場合、血液を採取した後、身長や血圧などを測る間に全項目の結果が用紙に打ち出される。その間、わずか10分程度。
と紹介されています。
継続して利用する人は、過去の結果をまとめて携帯電話のサイトでみられるようになっているようです。

これでは発見できない病気もあるわけだけど、フリーターや自営業の人が、とにかく健診を受けることができることで、何か気になる症状があったときに、病院に行ってみようという敷居を下げることができたら、プラスになるんじゃないかと思います。おもしろいです~。

自治体の健康診断の方が、項目も多いし、無料や1000円以下で受けられるけど、気楽にいけるというのは、いいのかもしれません。

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国立がんセンターが、がん対策のサポーターを募集

2009-01-16 | 先生&病院譚
がんに関する情報が充実している国立がんセンターがん対策情報センターが、患者・市民パネルを募集しているそうです。

「がん対策応援団」を募集しますのページを読んでみると、実際にやるのは、2年間にわたって、がん対策の課題への提言や調査協力、パンフレットやウェブページの分かりやすさのチェック、意見交換会への出席など、のようです。

患者にとって、病気や治療がよくわからないことから、不安やコミュニケーションの問題が起きているようなこともよくあります。だから、病院の先生や周囲とコミュニケーションをとっていくために、何が必要か、「医療関係者や行政が伝えたいこと」じゃなくて、「患者が知りたいこと」も、うまく反映されていくような試みが進んでいくとしたら、いいなぁと思いました。

そういえば、がん疑惑がおさまったすきに、わたしももう一回、ガン保険を検討しなくちゃ~!! どうしましょ。

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ドクター・ユニオン、お医者さん組合のはじまり

2009-01-04 | 先生&病院譚
お医者さんだけの全国規模の労働組合が、はじめてできるそうです。
1月4日、東京新聞が書いていました。

名前は、ドクター・ユニオン。今春にできる予定だとか。
昨年、全国医師連盟ができて医療再生に向けた提言をしたりという報道はあったけれど、労働者としてのお医者さんのための組合はなかった、と記事には書いています。

これまでも、日本医療労働組合連合会が、病院や診療所、福祉施設などの職場で働く労働者のための組合として存在してきたはずだなぁと思って、記事を読んでみると、勤務状態の改善だけではなくて、医療事故で訴訟のサポートや、、地方での偏在解消についても取り組んでいく、少し専門的に特化した組合のようです。

医師組合の話は、この数年、いろんなところで聞いていましたが、いよいよという感じでしょうか…。
組合という形が成功するのかどうかわからないけど、お医者さんが安心して、お仕事をつづけたくなる環境が守られますように。きっと1つの形で100%の解決はできないけれど、いろんな人がいろんな形で、「何とかするんだ!」って願いを込めることで、世の中が動いていく気がします。

さ~て、これから「おでかけ」の半分まで移動です。どんだけ僻地なの!?って言われそうですが(笑)入院以外で1週間もでかけるなんて、いつ以来だろう???

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研修医の無駄な研修と東洋のマジック技!

2008-12-30 | 先生&病院譚
いよいよ年の瀬。
24日の膠原病の外来は、診察の本体は10秒で終わり、ほとんど雑談したり、昔からのデータを時系列に展開して、それをどう解釈するのか教えてもらったりしてました。

そういえば、「造影剤のあと、2週間も痣がとれませんでしたよ。温めて、血行をよくしたのに~」って話をして、「針も22Gって細めだったのに、失敗されたし。」って笑ったら、「僕ももう針させなくなったなぁ」なんて、遠い目をしてました。
そうそう、ドクターに針を刺してもらうもんじゃありません(笑) ぜったいに日ごろやっている看護士さんの方が上手です。

わたしの先生も、3年目くらいまでは、しょっちゅう針を刺す機会があって、海外だったので、「東洋のマジック」と呼ばれていたそうです(笑)
「あの頃は、当直の夜、誰がやっても入らない血管にちゃんと刺して、重宝がられてたなぁ。あの技術はどこへ?? 今は何の役にも立ってないし。ほんとに研修って、ムダが多いなぁ…。」と、ぼやく先生。

そういえば、地方の病院が閉鎖の危機に陥り、都心でもお医者さん不足で、救急が受け入れられない事態になって、ようやく、お医者さんが足りないということに気づいたお役人さんは、医学部の増員を決めたようです。

でもね、若い先生が増えても、そこを研修する指導医の年代が、今、ごっそり勤務医から離れているんです。重労働だし、通常の医療行為をしているなか訴えられたり逮捕されたり、社会的にも叩かれがちな環境になってしまったから。
チームで治療に当たってくれる先輩の先生や指導する人がいなかったら、研修医は、ちょっと医療の情報に詳しいお兄さん・お姉さんです。

「夜中の急変で、2年目の先生が駆けつけてくれたら、うれしいけれど、だからって、何かを知ってるわけじゃないからなぁ」と言うと、先生も「そうだよー、後ろに指導医がいて、指示を受けたり、相談したりしてるから、研修医は頼りになるんだもの。」と先生。

研修医の配置も、○○病院はx人、○○病院はx人、というのを見ていると、なんだか、病院の規模とは一致しない、へんな割り当てです。

「研修させる目的じゃなくて、忙しいからネコの手がほしいなら、アルバイトを雇って、医者って札でもかけておけばいいのに…」と、先生と嘆いてしまいました。

注射の練習も必要だけど、数年経ったらやらなくなる技術より、コミュニケーションや情報収集・整理の方法のような、生涯必要な技術を身につける研修がしっかりできる体制って、どういう風にしたら実現できるかなぁ~。

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EBM - 情報の蓄積・共有と、それを鵜呑みにしない話

2008-12-23 | 先生&病院譚
昨日は、夜の南風のあと、ずいぶん暖かなインデアン・サマーだったのに、今日はすっかり寒いですね~!!

癌治療学会で、エビデンスに基づくがんチーム医療の展開法について、がんのチーム医療に取り組む上野直人先生が、基調講演をされたと日経メディカルが取り上げていました。

限られた経験や個人の考えではなくて、十分に検討・合意されたガイドラインやエビデンス(膨大な症例の蓄積情報)を参照していく努力は、多様で複雑化する医療現場では、とっても大切になっています。

この講演の報告記事のなかでおもしろかったのは、そういうエビデンスに基く治療(EBM)をチーム医療に導入する人には、吟味する人(Examiner)、作る人(Creator)、鵜呑みにする人(Follower)の3種類の人がいるという話。
EBMを一生懸命つくっても、間違っている可能性もあるし、その現場には適さないかもしれない、それを吟味することが大切という指摘をされていたそうです。

…みんなが吟味する人(examiner)になるのがいいって、ほんとにそうだなぁと思います。

自分の個人的なノウハウだけを信奉するのも怖いのですが、ガイドラインがこうだから、ぜったいそれが正解っとガイドラインやエビデンスだけを信奉するのも怖いです。
「目の前の患者は、つらいと言っている」という部分にむきあうという要素が加わって、そこでの冷静な判断によって、その人のための一番の治療が生まれるのかもしれません。

たとえば、わたしの甲状腺ホルモン不応症の治療なんて、ふつうは、下垂体型の場合でも処方しない抗甲状腺薬(メルカゾール)を処方されたりという治療アプローチは、例外中の例外。
でも、エビデンスに沿って検討した上で、やっぱり抗甲状腺薬を使わなかったら苦しい!という話になったのを思い出します。

そんな話を読みながら、情報を蓄積して、分析して、共有して、それを参考にしながら鵜呑みにしないで…って、どこの世界でも同じだなぁ~なんて、しみじみしたのでした(笑)

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積極治療はしたくない、というキモチ

2008-12-21 | 先生&病院譚
今日は風がすこし暖かかったです♪

この間、北欧の「無料診療」の背景では、寝たきりになりそうな場合は積極治療をしないらしい、という話を書きましたが、日本でも、あるフォーラムでのグループ・ディスカッションで、年を取って何かがあったら、何もしないでいいよ、と思っている人が多いという声が思いの外多かったという記事がありました。
それだけ、いま背負っている介護の負担が大きい…という現われなのかもしれませんが、考えさせられる記事でした。

たしかに、近所のおじさんが「前立腺ガンがみつかって…」なんて言っていると、手術をするかどうか、よくお医者さまと相談されたらいいですよ、と言っちゃったりしたなぁ。
とても進行の遅いガンの場合、寿命がくるまで問題にならない可能性もあって、手術で失われる機能や時間、体力の方がもったいないことも多いように感じます。
自分がガンを抱えているということが不安で、不安で、生活に支障があるくらいなら手術する方がいいのかもしれませんが、焦って手術するより、病気がどこまで進んでいて、どのくらい生活に影響があるか、よく聞いて、判断するのがいいなぁと思うことも多くて。

わたし自身は、基本的に原因がわかるものははっきりさせたいし、必要な治療は積極的にしたいというタイプ。それでも、積極治療が必要か、よく考えるのがいいなぁと思うこともあるのです。

そういえば、わたしの家族はわたしがどういうときにどうしたいか、理解してるかなぁ~。目の前で苦しんでいると、「助けたい」と思うのが人情なので、理解してても、そのとおりにしてくれるかは微妙なところもあるかもしれません。
いろんなチャンスに、話せる機会があるといいのかな。みんなどうやって話しているんだろう?

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近所のお医者さんが自分にとっての「名医」に

2008-12-18 | 先生&病院譚
昨日、ふれた、『「名医」のウソ』児玉知之・著(新潮新書)の著者は、若手の内科医で「医療サービスコンサルタント」をされている方です。普通の医師を自分にとっての「名医」に変えることができる、というお話は共感するところがあります。印象に残ったポイントを、勝手にメモにして並べてみます。

自分なりの言葉で心配の種を言語化しよう
「気になっていること」を整理するのが大切。
実はおじがxxの病気で亡くなったときと似ていて…というような、漠然とした不安も、口に出して、専門家に判断してもらうのがいいです。
具体的に、困っていることがあれば、それも伝えてしまいましょう。

わからないときはわからないと言おう
納得できるということが、治療方針を決める大事なポイントです。感覚的に「なるほど」と思えたら、それで十分。
「先生もそういうから…」と全責任を先生に預けてしまうと、問題があったときに、気持ちが処理できなくなってしまいます。

自分が受けている治療を知ろう
出先で急に病院に行かなくてはいけないことが起きることもあります。
これまでの病気、今、治療している病気、飲んでいる薬や治療、経過、アレルギーや家族の病気は、概要だけでも伝えられるように、メモをまとめておきましょう。

薬の効果は自覚症状に現われるとは限らない
効かないから服用を自分で減らしたり止めたりする、というのは怖いことです。止めたい理由を説明して、お医者さんと相談するのがいいです。

老齢の先生が頼りになるとは限らない
日々、進化する医療の世界ではエビデンスは数百~数千人の治療の集積ですから、新しい治療法やリスクの情報を吸収している先生が安心であることも多いのです。
個体差に対応するという面では、経験を積んだ先生が安心ですが、「治療法を知っていれば進行を防げる病気」もどんどん増えているので、よく勉強されている先生が安心です。特に、専門外のことは知らないことも多いはず。
※看板に掲げられている科によって、その先生の専門を見分けるワザも載っています(笑)(ネットで書かれていたり、開業医なら待合室に専門医の認定証が掲げられていることも多いですね。)

いい先生は医者に聞く
専門外のことであれば、いつもお世話になる先生に相談するのがいいようです。餅は餅屋に…

検査にはリスクがある
内視鏡には穿孔のリスクがある…というように、ある一定の率で事故は起こります。
同じ検査でも、施設や検査の精度、その検査を読み解く先生によって、結果は違うことがあります。(昨日書いた、内視鏡の解像度のお話もそうです。)
その分野の専門医に検査してもらうのがいいようです。

「病院ガイド」ではわからないポイント
話しやすい、説明がわかりやすい相性のあう先生をさがそう…。
(それが難しいんですけどね。しかも、合うと思った先生に限って、すぐによその病院に移るんですよね~)

○おまけ
日本の医療を語るときによく比較されるアメリカの医療。日本では自己負担5-6万でできる子宮筋腫の手術に100-120万かかります。治るとわかっても高くて治療が受けられないことはよくあります。
ただ、ホームドクター(プライマリドクター)は浅く広く病気を学んで、素人にアドバイスするために専門家として訓練されていて、まずそこに行くということになっているのは、安心なシステム。

そんなわけで、すこし読みにくかったですが、おもしろかったです♪
医療制度が簡単に変わらないなら、カリスマ主婦じゃないけど、カリスマ患者でもめざしますかねぇ。

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お医者さんだからって、すべての病気に詳しいわけじゃない!

2008-12-17 | 先生&病院譚
先日、りかりんさんとお話しながら、「そうなんだよねー」と話したのが、お医者さんはマルチ・プレイヤーではないってこと。
お医者さんならわかるでしょ!って、つい、なんでも相談してしまいがちですが、皮膚疾患が出やすい膠原病でも、皮膚のことなら膠原病の先生じゃなくて、皮膚科の先生に相談するのがいいんだよ、って言われるんですよね。
わたしの今の主治医は、守備範囲は比較的に広いけれど、たしかに皮疹なら皮膚科に送られるし。

そういえば、去年も、腹痛のことは、一番、話しやすかった内分泌の若い先生の外来で、「そういえば最近、お腹が痛いんです」って。消化器も同じ内科だからいいかなと思ったのですが、一応、お腹の触診をして、典型的な症状があるわけでないので「うーん、僕はお腹は自信がないなぁ。」って一言(笑)
「消化器の先生にちゃんと診てもらうのがいいなぁ」ってことになりました。そういう正直な先生だから、安心だったわけですが。
ちなみに、結局、消化器に行ってきて、そのときのデータが今回の肝腫瘍でも、参考になっているわけです。

実は、最近、出た『「名医」のウソ』児玉知之・著(新潮新書)にも、そんな話が書いてありました。
「第五章 医者は万能だという都市伝説」という章があります。
「近くの整形外科で、毎年、健康診断して、胸のレントゲンを撮ってもらっていたのに、肺がんが見落とされていた」なんて話はときどき聞きますものね。同じレントゲンを見ても、やっぱり整形外科の目で見てしまうんでしょう…。

…ムダに死なないために、参考になる話もいろいろあって、おもしろいなぁと読みました。
もっとも、個人的には、医療というのは、死なないためのものではなくて、死ぬまで気持ちよく生きて、「よかった」と死ねるサポートだと思っているので、エビデンスでどうあれ、「正しい」ことよりも重要な「人が生きることを受け止められる心意気」ってものも大事かなと思いますが。

ときに、切れ者の優秀な先生より、いっぱい見落としするけれど、「そうかぁ、それはつらいなぁ」と共感してくれる先生がうれしいこともありますね。そうやって、つい、専門外の相談をしてしまうのは、ちょっと反省…。

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症状を上手に伝えるポイント

2008-12-11 | 先生&病院譚
お医者さんとのコミュニケーションの話を書きましたが、gooヘルスケアの「お医者さんにかかるときの心得」に症状を上手に訴えるポイントが挙げられていました。前にも書いたかなぁ。

「症状」は、ときに診断のためにとっても重要な情報になるのですが、わたしもときどき「いつも言ってるじゃないですかー」って症状を「あれ、そうだったっけ。そりゃたいへんだ!」と言われることがあります。
言いたいことを聞いてもらうことも大事ですが、先生が必要な情報を伝えることが肝心♪
前もってメモして伝えるのがおすすめで、たとえば頭痛を例にとると…

・ いつから始まって
・ どのあたりが
・ どんなときに
・ どんな風に
・ どれくらいの間、痛いか
・ どうすると楽になるか
・ はじまったときから現在までの変化
・ ほかの症状はないか(発熱や吐き気、肩こりなど)
・ なにか薬は使ったか
・ 他に病気があれば病名と使っている薬

先生が1つ1つ聞いてくれたらいいけれど、寡黙に、うんうん…と頷いているタイプの先生だと、いろいろ、いい損ねちゃいそうですね。メモって大事。

それから、伝わりにくい倦怠感や痛みは、できるだけ数字にして伝えるのがいいんでしょうね。「1時間座っていたら、もう座ってられなくて、10分、横になってっていうのが1週間つづいた」とか「500mlのペットボトルならいいけど、1リットルのミルクは、片手で傾けられないくらい、手首が痛い」とか。

それと、調子が悪いから心配というだけでなくて、どうしてほしいかを伝えるのもいいみたいです。

・ 今の症状がつらいから、なんとかしてほしい
・ つらくないけれど、悪い病気が原因でないか確認したい
・ ともかく完治したい
・ どう付き合っていくのがベストなのか知りたい みたいに。

この間、症状がいろいろで膠原病科に急に行くことになったときは、久しぶりに「はじめまして」の若い先生でした。
発熱、倦怠感のような全身症状、皮疹、関節痛、難聴など、症状にかなりのバリエーションがあって、一応、それぞれにいつ頃、どういうきっかけで出てきて、どういう対応をして、どういう経過でどう収まってきたか…、という話を1個1個したんですが、だいたい調子が悪くて、ぼぉ~っと頭が悪い状態ですから、メモがなかったら、膨大な報告の途中で「先生、ちょっと休憩!」なんて暴挙に出たかもしれません(笑)

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アメリカの専門医は「いい先生かどうか」問われる?

2008-12-10 | 先生&病院譚
ちょっと前に、知り合いの先生が、専門医の資格の更新でバタバタしていましたが、アメリカで専門医の資格をとるときは、患者や同僚医師から評価のアンケートに答えてもらわないといけないそうですね。
患者さんに聞く内容は…

(1)医師が必要な事項をきちんと説明してくれるか。
(2)医師がしっかり挨拶をし,友好的な態度をとっているか。
(3)医師が威張ったり患者を見下したりしたような態度をとらないか。
(4)医師が患者さんの訴えに耳を貸し,患者さんの訴えを途中で遮ったりしないか。
(5)患者さんを人間として尊重し,病気の症状のみでなく患者さんを全人的な面で治療しているか。
(6)診察する時にも検査をする時にも説明をきちんとするか。
(7)治療に関して選択肢を示し,患者さんが選択しやすいように説明するか。
(8)患者さんが質問しやすいように質問がないかどうか医師のほうから尋ねるか。
(9)患者さんの問題に関して,またこれから起こり得る症状に関しても説明するか。
(10)患者さんにわかりやすい用語で説明しているか。

読んでみるとすごーく当たり前の話なんですが、意外と忙しいとなかなか難しいんじゃないかな。
患者さんが選択しやすいように説明」とか「患者さんが質問しやすいように質問がないかどうか医師のほうから尋ねる」とかいうことは、自然にしてくれる先生はいるけれど、先生自身が元気がないときでも、大きな処置とか気になる他の入院患者さんがいるときでも、安定してそうできるってのは、なかなかできるもんじゃないですね♪

昨日の笑顔の話のついでに、そういえば、と思い出しました。
専門医というカテゴリーのなかで、この評価を導入するのがいいのかは、わかりませんが、アメリカ人に聞くと、「確かに専門医っていうと、技術に限らず安心できる先生って印象があるね」と言っていました。
日本の病院でも、「顧客満足度調査」みたいなアンケートがあって、「毎回の平均待ち時間は?」「先生は挨拶しますか?」「先生は十分に説明しますか?」なんて質問を見たことがあるけど、そういう評価によって、先生が怒られることはあっても、給料が上がったりすることにはならないんだろうなぁと思いながら、回答するのは、ちょっとせつないです~。

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痛みは医者には通じない、でも難しい話は笑顔で?

2008-12-09 | 先生&病院譚
国際パフォーマンス学会という学会がありますが、今年の9月、「診察室に入った患者は、医師が終始まじめな顔で話すより、笑顔を交えながら話すことを好む」という報告がありました。

品川区の健康講座を受講した75人(平均年齢66歳)を対象に、ビデオを観て、どれがいい?と聞くと、診察室に入ったときの挨拶は笑顔がいいというのはもちろん、網膜はく離のような、ちょっと難しい話も、笑顔がいい!と言った人が60%にもなったそうです。
同じビデオを開業医に見せると、まじめな顔で話すのがいいと言った人が69%もいたそうです。こんなにギャップがあるんですね!

笑顔って大事だなと思います。患者側のコミュニケーションでも求められるなぁと思うことがあります。お医者さんも人間で、うなずきながら、笑顔で聞いてくれる方が気持ちがいいということはあるんだろうと思います。
ただ、わたしの場合、あまりにヘラヘラしているので、ときどき「え、そんなにつらかったの!?言ってよ。」ってこともあるので、気をつけよーと思うこともあります(笑)

たとえば、去年の今ごろ、「甲状腺ホルモン不応症には確立した治療法はありません。Anca陽性、ぜんそく…があるから、適用できる対症療法も、心臓の血管拡張剤だけです。生活を制限して対応することをお勧めします。」という内容の話を、若い先生がわたしにしなければならないことがありました。

でも、その頃の「10m歩くだけで立ち止まってしまう状態」が一生つづくかもしれないのは受け入れられないし、リスクは理解したうえで他の治療をしたいというのがわたしの反論でした。
特に症例の少ないの病気の治療法や薬が簡単に確立するように思えなかったので、切実に。

甲状腺ホルモン不応症は、長期的な対症療法をするので、リスクの高い治療法は、勧められるものではありません。
先生 「せっかく血管炎を救命したのに、ぜんそくの発作が出てないから大丈夫だねって気軽に出した薬でぜんそくを誘発して、うっかり死んじゃったっていうと、僕はつらいよ。」
わたし「そりゃ、そうですね。でも、このままじゃヤダ。」

外来日を避けて時間を取ってもらい、1時間くらい「このままはヤダ」と言いつづけ、結局、次の外来で、血管炎や甲状腺腫の可能性やリスクもよく理解しているから、ということで、特殊な管理をはじめることになったわけです。

今、振り返ると、つらさ具合の伝え方もヘタだったんだろうなと思います。
痛いとか、つらいとかいう主観的な要素は、検査結果でわかることじゃないし、先生が、感じ取ってくれることではありません。患者がわかるように言わなきゃ、わからないんですね、当たり前ですが。

いい損ねたり、聞き流された経験からいうと、先生に具体的にイメージしてもらいやすい主観情報の伝え方って、ワザが必要な気がします。そして、1回でダメでも、何度もいうことが大事だったり。

倦怠感も、「立って話すのは5分が限界。壁とか椅子とかを持ってないとムリ。」とか「特別なことをしたわけでないのに、うちに帰ると、うとうとしてしまうくらい、疲れちゃってるのが3日つづいている。」とか、具体的にしてみたり。
熱が舌下で39.5度まであがっていても、寒いときに救急外来に行って腋下体温が37度だったら、自分の体温計を持参して「普段は舌下で37度なんですけど、39.5度ですよ!ほら!」と言うとか。
「手が振るえるのは、名刺を出したり、握手をしたりできなくて困る。」と、先生と握手してみたり。
「毎回しつこいですが、手首がやっぱり痛くて困ります。」とか。それでも、ねじったりされて痛いとき、顔をゆがめないと、通じなかったり(笑)

先生たちには負担をかけているから、いろいろ言って、クレーマーのように負担になりたくないという気持ちがあるのですが、つらいことをつらい、と伝える方法は、知っているといいなぁと思う、今日この頃です。

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「そうだよねー」が痛みに効いたりする

2008-12-06 | 先生&病院譚
CBニュースで「末期がんの女医が贈る患者へのメッセージ」という記事が取り上げられていました。
乳がんが全身に転移した今も、医療の第一線で活躍されている先生のお話です。誰にでもできることではないだろうと思いますが、前へ前へと進まれる姿を果敢に示されています。そのなかで、

>死を自覚しなければならないような病状になった場合や、他人のお世話にならなければ生きていけなくなった場合、自分の存在価値・存在意義に疑問が生じることもあります。(中略)孤立せず、患者同士で「つるむ」ことが大切です。

と書かれていました。
どんな病気であれ、「なんでこんなことになっちゃんたんだろう」という気持ちに引き込まれそうになるのをぐっと踏みとどまらせるのは、案外、医学的な情報だけじゃなくて、「わたしも!」という共感できる患者さんの声だったりするかもしれません。

まったく同じ病気でなくても、「痛いよー」「ふきんって蛇口にひっかけて絞るよね」「わたしもー」なんてやり取りで、気分が救われたりするのが、不思議です♪

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