福江島の教会めぐりの続き
次にやって来たのは水ノ浦教会。高台に建つすっと伸びた白い塔が見えてきた。
風格のある石垣と石段。
この白亜の聖堂は、なんと木造建築だとか!まるでレースのような壁のトレーサリーが美しい。
1938(昭和13)年に鉄川与助が改築を手掛けたということだが、実質は建て替えだろう。
今の姿は1986年の台風被害から大規模補修を経たもので、当初からはだいぶ変わっているかもしれない。
入口の開口部がイスラム建築の多葉アーチのようにも見え、どことなくオリエンタルな印象も。
ぐるっとひと回り。ここも屋根は和風の桟瓦。外観から想像がつく通り内部はヴォールト天井だそうだ。
中へは入れなかった。。
水ノ浦教会を見学していたときにちょうどシスターが鐘を打ち鳴らす場面に出会った。
毎日決まった時間に鳴り響く鐘の音は、この集落の人々の原風景の音として耳に残るのだろう。
さてその次にやってきた三井楽教会は、五島旅の中でもいちばん楽しみにしていた場所だ。
高台にシンボリックな姿を見せていた水ノ浦教会などとは違って、この教会は平地の集落の一角にあり、
高い塔もなく建物は平べったい。
現在の聖堂は1971(昭和46)年に建て替えられたものだが、もう少し昔の戦後モダニズムのような雰囲気だ。
門から入ってきて聖堂を見たとき、正面には入口のドアではなくカラフルな絵が描かれた壁がある。
絵は抽象的な部分もありはっきりわからないが、中央に太陽、左側に人々の姿が見える。
「FIDES SPES CARITAS」の文字は、ラテン語で「信」「望」「愛」を意味するらしい。
近づいてみると、タイルや陶片を貼った壁画であることがわかる。かち割った色タイルのモザイクに混じって
十字デザインの染付タイルがぽつぽつと貼られている。私たちはまさにこれを見に五島に来たのだ!
この十字タイルは有田の松尾徳助窯が、黒島天主堂の内陣に敷き詰めるために注文を受け苦労して作った
磁器タイルで、マルマン神父のデザインと考えられている。
マルマン神父ゆかりの堂崎教会にも1枚展示されているのを見たばかりだ。
壁画の中に11枚の十字タイルが貼り込まれているが、一枚一枚色も雰囲気もかなり違うので、ここに貼るために
用意したものでなく、解体された建物からもらったか何かでたまたま手元にあったものを貼ったのだろうか。
このタイルは、教会とは関係のない建物での使用例も数か所見つかっており、その流通は謎めいている。
他にも大型の皿状のタイルも数枚埋め込まれている。これらは角が丸いところを見ると、もしかすると
タイルでなくガラスドアの把手だったのかもしれない。その他に本物のお皿や灰皿、用途不明の丸い焼き物など
が散りばめられているが、特に意味はなさそうだ(笑)
色タイル自体も味わいのある色合い。
折り紙を対角線で折ったような屋根。
この三井楽教会は中にも入って見学できたのだが、実は内部がまた素晴らしかった!!
祭壇に向かって伸びる2本のコンクリート梁が柱のない大空間を作りだし、天井からいくつも下がった照明は
シャボン玉がふわふわ浮いているよう。そしてカラフルなステンドグラスのはまった縦長窓が左右の壁に並ぶ。
せめて、もらった絵はがきの写真で、内部の様子を。。。
建築が1971年だからステンドグラスも古いものではないのだが、近づいて見てもかなりきっちり作られて
いるのが分かる。詳しくは知らないが、近年の修復ステンドグラスのようなやり方ではなく、もっと古い時代の
手法でつくられているように見える。
しかし説明板によると、これらのステンドグラスは地元の「ステンドグラス同好会」の人々が、プロの
手ほどきを受けながら1999年から2005年にかけて制作したものというから驚いた!!
デザインもバランスよく、もう少しくすんでいればアンティークと思ってしまいそうな出来栄え。すごいな!!
指導は西宮の熊谷通禧氏。意外と関西の人だったのか~
隣の建物の壁にも壁画があったが、こちらはモザイクではなく壁に直接描かれていた。
続く。
次にやって来たのは水ノ浦教会。高台に建つすっと伸びた白い塔が見えてきた。
風格のある石垣と石段。
この白亜の聖堂は、なんと木造建築だとか!まるでレースのような壁のトレーサリーが美しい。
1938(昭和13)年に鉄川与助が改築を手掛けたということだが、実質は建て替えだろう。
今の姿は1986年の台風被害から大規模補修を経たもので、当初からはだいぶ変わっているかもしれない。
入口の開口部がイスラム建築の多葉アーチのようにも見え、どことなくオリエンタルな印象も。
ぐるっとひと回り。ここも屋根は和風の桟瓦。外観から想像がつく通り内部はヴォールト天井だそうだ。
中へは入れなかった。。
水ノ浦教会を見学していたときにちょうどシスターが鐘を打ち鳴らす場面に出会った。
毎日決まった時間に鳴り響く鐘の音は、この集落の人々の原風景の音として耳に残るのだろう。
さてその次にやってきた三井楽教会は、五島旅の中でもいちばん楽しみにしていた場所だ。
高台にシンボリックな姿を見せていた水ノ浦教会などとは違って、この教会は平地の集落の一角にあり、
高い塔もなく建物は平べったい。
現在の聖堂は1971(昭和46)年に建て替えられたものだが、もう少し昔の戦後モダニズムのような雰囲気だ。
門から入ってきて聖堂を見たとき、正面には入口のドアではなくカラフルな絵が描かれた壁がある。
絵は抽象的な部分もありはっきりわからないが、中央に太陽、左側に人々の姿が見える。
「FIDES SPES CARITAS」の文字は、ラテン語で「信」「望」「愛」を意味するらしい。
近づいてみると、タイルや陶片を貼った壁画であることがわかる。かち割った色タイルのモザイクに混じって
十字デザインの染付タイルがぽつぽつと貼られている。私たちはまさにこれを見に五島に来たのだ!
この十字タイルは有田の松尾徳助窯が、黒島天主堂の内陣に敷き詰めるために注文を受け苦労して作った
磁器タイルで、マルマン神父のデザインと考えられている。
マルマン神父ゆかりの堂崎教会にも1枚展示されているのを見たばかりだ。
壁画の中に11枚の十字タイルが貼り込まれているが、一枚一枚色も雰囲気もかなり違うので、ここに貼るために
用意したものでなく、解体された建物からもらったか何かでたまたま手元にあったものを貼ったのだろうか。
このタイルは、教会とは関係のない建物での使用例も数か所見つかっており、その流通は謎めいている。
他にも大型の皿状のタイルも数枚埋め込まれている。これらは角が丸いところを見ると、もしかすると
タイルでなくガラスドアの把手だったのかもしれない。その他に本物のお皿や灰皿、用途不明の丸い焼き物など
が散りばめられているが、特に意味はなさそうだ(笑)
色タイル自体も味わいのある色合い。
折り紙を対角線で折ったような屋根。
この三井楽教会は中にも入って見学できたのだが、実は内部がまた素晴らしかった!!
祭壇に向かって伸びる2本のコンクリート梁が柱のない大空間を作りだし、天井からいくつも下がった照明は
シャボン玉がふわふわ浮いているよう。そしてカラフルなステンドグラスのはまった縦長窓が左右の壁に並ぶ。
せめて、もらった絵はがきの写真で、内部の様子を。。。
建築が1971年だからステンドグラスも古いものではないのだが、近づいて見てもかなりきっちり作られて
いるのが分かる。詳しくは知らないが、近年の修復ステンドグラスのようなやり方ではなく、もっと古い時代の
手法でつくられているように見える。
しかし説明板によると、これらのステンドグラスは地元の「ステンドグラス同好会」の人々が、プロの
手ほどきを受けながら1999年から2005年にかけて制作したものというから驚いた!!
デザインもバランスよく、もう少しくすんでいればアンティークと思ってしまいそうな出来栄え。すごいな!!
指導は西宮の熊谷通禧氏。意外と関西の人だったのか~
隣の建物の壁にも壁画があったが、こちらはモザイクではなく壁に直接描かれていた。
続く。
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