まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

割烹旅館臨水 思い出の間に泊まる

2021-06-15 22:36:11 | 建物・まちなみ
友人が見つけた、ほとんど知られていないけどすごい宿、臨水に泊まりに高知へ行ったのは去年の11月下旬。
11月からの転勤が急に決まったものだから、急遽伊丹発をキャンセルして羽田発に変更したりもうドタバタ
だったけど、本当に行ってよかった!!


金曜日午後休をとって高知へ飛び旅館へ直行。高知のまちのど真ん中、はりまや橋から歩いて10分ほどの
ところ。その名の通り、鏡川に臨む土手の上に建っていた。
手前のRC造の部分が先に見えたので最初それとはわからなかったのだが、隣に二階建ての和風建築があった。


外から見るとそれほど古そうに見えないし特に変わったところもない。
石段を上るアプローチからは直接玄関戸が見えず、玄関に坪庭のような空間があったり、京都の町家のようだ。
気分が高まる~~
※写真はいろんな時間帯に撮ったものが混ざっています(笑)




玄関を入ると正面に数寄屋風な床の間の設え、天井は格天井。
・・・しかしこれは序の口。この先には想像もつかないような濃厚な空間が私を待ち受けていたのだ!!


私たちが泊まるのは、この旅館の中でもスペシャルな部屋、「思い出の間」。友人が予約してくれていた。
その部屋は建物の中央に位置する2間+控えの間付きの贅沢な部屋。階段を上り、一歩部屋に入ると・・・


うわぁ~~すごい!!格天井の格間すべてに絵が描かれている!


丸くかたどられた中におさまった花々は一つ一つ全部違っていて、写実的でありながらデザイン的に優れ、
高名な絵師が描いたのだろうと想像する。


どの花もそれぞれに美しく甲乙つけがたい。


片っ端からもれなく撮りたいのだが首が痛い痛い・・・(苦笑)


そして・・・欄間という欄間が彫刻で埋め尽くされていた!
奥の部屋との境の襖の上には、着色された透かし彫りが。・・・しかしこれは欄間と呼んでよいものか!?


馬の行列。これは戦国時代の物語なのだろうか。歴史に疎いのでよくわからないが・・・


よく見ると「山内一豊公御国入」と隅に書かれている。山内一豊は土佐藩初代藩主。なるほど、この土地の
歴史上の逸話の場面が描かれているのだな。


馬と人の体勢は皆違っており、いきいきとして躍動感に満ちている。








そして度肝を抜かれるのが、この床柱!柱は一刀彫で人物が飛び出さんばかりに彫り出されている。
折り重なるように人が3人。矢が刺さっているじゃないか!折り重なり絡み合っている武将たちの、熾烈な戦いの光景。


首に矢を受け苦悶の表情でなお、敵に馬乗りになりまげをつかんで短刀でとどめを刺そうとしている勇猛な武将。
見開かれた目は血走っているように見えてくる。これも戦国時代の歴史上の事件を描いているのだろうな。


しかしこんな場面を床柱に彫るという発想自体がすごすぎる。。。柱の直径はゆうに40cmはあるだろう。


思いおこされるのは、去年の夏に見た東京のホテル雅叙園の百段階段。あそこの柱もこんな立体的な彫刻だったな!
ここは雅叙園を模して造られたのだろうか!?


床の間の落とし掛けにも、彫刻が。紅梅、白梅、その上にも・・・お城の風景だろうか?






「丸に土佐柏」紋が見える。やっぱりここは土佐城か。










旅館が土手の上に建っているので、目の前が川。素晴らしいリバービューを楽しめるように、正面に広縁が付属している。


この境にも透かし彫りの欄間が。この欄間は無垢の板を両面から彫ってある。


書院が地味に見える・・・


入口の上の壁の彫刻。もうありとあらゆる壁に彫刻があるのだ!


着色されたものと無垢のもの、彫り方も違うので複数の職人さんが手掛けたのだろう。
着色されたものはちょっとケバケバしく見えるが(笑)、情景のいきいきとしていること!!






写真がめちゃくちゃ多くなってしまったが・・・この部屋のすごさを伝えるには、写真を並べるしかないのだ(笑)
あぁ、部屋に入っても全然リラックスできない。

続く

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