ぐるっとパスで朝倉彫塑館にも建物目当てで行ってみた。
日暮里駅から徒歩10分ほど。書道博物館のあった鶯谷もそうだが、山手線の上野から池袋の間ってほとんど
行ったことがないエリアだ。鶯谷と日暮里は隣りの駅だったんだな、一緒に行けばよかった(苦笑)。
塀越しに真っ黒な洋館がそびえているのが見える。おぉ、これか!
彫刻家朝倉文夫が自ら設計して建てたもので、1935(昭和10)年に完成。
こちらの洋館がアトリエで裏側には和館の住まいがある。
まず門と塀が変わっている。六角柱か五角柱か、細長い石を縦に隙間なく並べて塀にしてあるのだ。
これは玄武岩のように柱状節理のある石だな。しかし玄武岩のように黒くないしも質感も違う。
こちらに来てから時々見かけて気になっていたのだが、これは伊豆で産出する「伊豆六方石」という石らしい。
火山の溶岩が冷えて固まるときに繊維状の柱状節理ができるのは玄武洞の玄武岩と同じだが、伊豆六方石は
角閃石デイサイトや輝石安山岩だという。
六方石は門の付近だけで、そこから続く塀には大谷石が使われていた。関東らしい地方色を感じる石使いだな!
しかし、塀に単管が組みつけてあったのは何か工事の予定があったのだろうか。ちょっと景観が・・・(汗)
えっ、建物の内部は写真撮影NGなの!?ん~~残念(涙)。
門の脇に建つ茶室の待合のようなあずまやを先に見よう。こちらも古そう。当初のものだろうな。
ダイヤモンド型の五角形、面白い形をしている。垂木を放射状に配し網代を貼った傘天井の中央に吊り灯篭が。
足元を見れば擬木の丸太が敷き詰められ、その隙間には、チャートだろうか、赤い小石が詰められている。
壁沿いにはベンチが造りつけられているが、腰張りの板も互い違いに高さを変えてあり、いろいろ凝っている。
三階建てのコンクリートの壁は真っ黒に塗られ、なんかすごくものものしいというか、威圧感があるというか・・・
しかし、近寄ってみるとひさしの下の壁は小さな粒々の青石がみっしりと貼られた洗い出し。そして塀と同じく
六方石が段違いに並べて貼られている。竹や木のような石使い。RC造の洋館なのに、数寄屋のようじゃないか!?
さぁそろそろ入ろう。
玄関を入ったところからびっくり!!エントランスホールは玄関付近の数寄屋の雰囲気が続いているのだ。
足元には、さっきのあずまやと同じようだが擬木でなく本物の木の輪切りが敷き詰められ、隙間には青石の小石が。
空調が仕込まれた出窓の下の壁には割竹が貼られているし、階段には絶妙にカーブした自然木が手すりとして
使われている。
そしてそこから続くアトリエにまた度肝を抜かれる!高さ10mぐらいあろうかという吹き抜けの天井は
隅がすべて丸く塗りこめられていて、モヤモヤした黄色の壁がまるで大きな繭の中にいるような感覚を起こさせる。
このマットな壁は和紙?と思ったら、真綿壁といい、真綿、つまり絹のくずを壁に塗ってあるのだ。へぇー!!
アトリエには大きな塑像を制作するときのために電動昇降装置が仕込まれている。というか、これを備えつける
ためにRC造の洋館を作ったというのだからすごい。このアトリエにはたくさんの作品が展示されていた。
隣の書斎は四方の壁が天井まで本棚となっている。その隣の応接室はまた面白い。おそらくここから和館だと
思うのだが、台形の出窓にソファが造りつけられている一方で壁はベンガラ入りの赤い漆喰壁という不思議な部屋。
その先は中庭をめぐる廊下が伸びていて、和館の玄関へと至る。
中庭も朝倉文夫自ら設計し、西川佐太郎という庭師に依頼して作らせたという。中庭をぐるっと囲むように
配置された廊下や各部屋のどこから見ても、さらには2階から見ても美しく違った表情に見えるように、
計算されているのだ!中庭のほとんどを水面が占め、朝倉氏がこだわって集めた石が配置されている。
数寄屋意匠満載の和館の各部屋はどの部屋も本当に面白くて素敵で、写真を撮れないのが本当に残念。。。
ただ屋上と蘭の間という部屋だけは写真撮影可能ということだったので、ここぞと写真を撮る(笑)。
3階の屋上にはなんと緑豊かな庭園が広がっていた!!
オリーブの木がこんなに大きくなるなんて、知らなかった!
朝倉文夫はこのアトリエで「朝倉彫塑塾」を開き後進の教育にもあたった。そのカリキュラムの中で必須と
した園芸実習をこの屋上庭園で行ったのだ。今はバラ園になっていたが花にはまだ若干時期が早かった。
このあたりはあまり高い建物がないので眺めも素晴らしく本当に気持ちいい。あぁなんて素敵な実習場所だろう。
再び階段を降りて蘭の間へ。
蘭の間の前にパステルカラーのタイルを乱貼りしたかわいい水場があった。
ルーフバルコニーの床はキャラメルのようなクリンカータイル、腰壁はスクラッチタイル貼りとタイル尽くし。
そして豚の顔の壁泉がユーモラス!!青銅製と見えるのでこれも氏の作なのかな?
蘭の間は温室のように明るいガラス天井だった。そう、その名の通りここでは蘭が栽培されていたのだ。
朝倉文夫は蘭の栽培にも熱を入れ、「東洋蘭の作り方」という本まで書いている。
アトリエや1階の外側の温室に蘭の鉢が並んでいるが、焼き物としての蘭の鉢もまた見事なものがある。
現在はこの部屋では猫をモチーフにした彫塑作品が展示されている。
猫好きで多い時は10匹以上の猫を飼っていたという朝倉氏。まるで生きているかのような表情やしぐさの
リアルな描写からは、半端でない猫好き加減が伝わってくる(笑)。
「猫百態」展を構想し製作していたが途中で亡くなってしまったため100点には及ばないが、ここや
アトリエにたくさんの猫が展示されていた。人間よりも猫の方が得意だったという話も(笑)
この写真の朝倉氏の表情を見れば納得。猫にまみれてこの上なく嬉しそうだ!
さてこの部屋の階段がまたちょっと面白い。温室と数寄屋?・・・う~ん、なんと斬新な。
階段を数段下りたところにちょっとしたスペースがあるのだが、スキップフロアなのか踊り場なのか・・・
絨毯の下はモザイクタイル貼りだとわかったのだが、この丸みはいったい・・・?今はポールとか置いてあるけど
手すりもないから誤って落ちそうじゃないの!?このよくワカラン仕上げに想像を掻き立てられるなぁ~
オリジナルグッズや本も充実。タダで(ぐるっとパスで)入館したので少し売り上げに貢献しておこう(笑)
裏に回ったらお墓の前に和館の入口が。
あぁ素晴らしい建物でめちゃくちゃ楽しかった!また行きたいなぁ~
→朝倉彫塑館公式サイト
日暮里駅から徒歩10分ほど。書道博物館のあった鶯谷もそうだが、山手線の上野から池袋の間ってほとんど
行ったことがないエリアだ。鶯谷と日暮里は隣りの駅だったんだな、一緒に行けばよかった(苦笑)。
塀越しに真っ黒な洋館がそびえているのが見える。おぉ、これか!
彫刻家朝倉文夫が自ら設計して建てたもので、1935(昭和10)年に完成。
こちらの洋館がアトリエで裏側には和館の住まいがある。
まず門と塀が変わっている。六角柱か五角柱か、細長い石を縦に隙間なく並べて塀にしてあるのだ。
これは玄武岩のように柱状節理のある石だな。しかし玄武岩のように黒くないしも質感も違う。
こちらに来てから時々見かけて気になっていたのだが、これは伊豆で産出する「伊豆六方石」という石らしい。
火山の溶岩が冷えて固まるときに繊維状の柱状節理ができるのは玄武洞の玄武岩と同じだが、伊豆六方石は
角閃石デイサイトや輝石安山岩だという。
六方石は門の付近だけで、そこから続く塀には大谷石が使われていた。関東らしい地方色を感じる石使いだな!
しかし、塀に単管が組みつけてあったのは何か工事の予定があったのだろうか。ちょっと景観が・・・(汗)
えっ、建物の内部は写真撮影NGなの!?ん~~残念(涙)。
門の脇に建つ茶室の待合のようなあずまやを先に見よう。こちらも古そう。当初のものだろうな。
ダイヤモンド型の五角形、面白い形をしている。垂木を放射状に配し網代を貼った傘天井の中央に吊り灯篭が。
足元を見れば擬木の丸太が敷き詰められ、その隙間には、チャートだろうか、赤い小石が詰められている。
壁沿いにはベンチが造りつけられているが、腰張りの板も互い違いに高さを変えてあり、いろいろ凝っている。
三階建てのコンクリートの壁は真っ黒に塗られ、なんかすごくものものしいというか、威圧感があるというか・・・
しかし、近寄ってみるとひさしの下の壁は小さな粒々の青石がみっしりと貼られた洗い出し。そして塀と同じく
六方石が段違いに並べて貼られている。竹や木のような石使い。RC造の洋館なのに、数寄屋のようじゃないか!?
さぁそろそろ入ろう。
玄関を入ったところからびっくり!!エントランスホールは玄関付近の数寄屋の雰囲気が続いているのだ。
足元には、さっきのあずまやと同じようだが擬木でなく本物の木の輪切りが敷き詰められ、隙間には青石の小石が。
空調が仕込まれた出窓の下の壁には割竹が貼られているし、階段には絶妙にカーブした自然木が手すりとして
使われている。
そしてそこから続くアトリエにまた度肝を抜かれる!高さ10mぐらいあろうかという吹き抜けの天井は
隅がすべて丸く塗りこめられていて、モヤモヤした黄色の壁がまるで大きな繭の中にいるような感覚を起こさせる。
このマットな壁は和紙?と思ったら、真綿壁といい、真綿、つまり絹のくずを壁に塗ってあるのだ。へぇー!!
アトリエには大きな塑像を制作するときのために電動昇降装置が仕込まれている。というか、これを備えつける
ためにRC造の洋館を作ったというのだからすごい。このアトリエにはたくさんの作品が展示されていた。
隣の書斎は四方の壁が天井まで本棚となっている。その隣の応接室はまた面白い。おそらくここから和館だと
思うのだが、台形の出窓にソファが造りつけられている一方で壁はベンガラ入りの赤い漆喰壁という不思議な部屋。
その先は中庭をめぐる廊下が伸びていて、和館の玄関へと至る。
中庭も朝倉文夫自ら設計し、西川佐太郎という庭師に依頼して作らせたという。中庭をぐるっと囲むように
配置された廊下や各部屋のどこから見ても、さらには2階から見ても美しく違った表情に見えるように、
計算されているのだ!中庭のほとんどを水面が占め、朝倉氏がこだわって集めた石が配置されている。
数寄屋意匠満載の和館の各部屋はどの部屋も本当に面白くて素敵で、写真を撮れないのが本当に残念。。。
ただ屋上と蘭の間という部屋だけは写真撮影可能ということだったので、ここぞと写真を撮る(笑)。
3階の屋上にはなんと緑豊かな庭園が広がっていた!!
オリーブの木がこんなに大きくなるなんて、知らなかった!
朝倉文夫はこのアトリエで「朝倉彫塑塾」を開き後進の教育にもあたった。そのカリキュラムの中で必須と
した園芸実習をこの屋上庭園で行ったのだ。今はバラ園になっていたが花にはまだ若干時期が早かった。
このあたりはあまり高い建物がないので眺めも素晴らしく本当に気持ちいい。あぁなんて素敵な実習場所だろう。
再び階段を降りて蘭の間へ。
蘭の間の前にパステルカラーのタイルを乱貼りしたかわいい水場があった。
ルーフバルコニーの床はキャラメルのようなクリンカータイル、腰壁はスクラッチタイル貼りとタイル尽くし。
そして豚の顔の壁泉がユーモラス!!青銅製と見えるのでこれも氏の作なのかな?
蘭の間は温室のように明るいガラス天井だった。そう、その名の通りここでは蘭が栽培されていたのだ。
朝倉文夫は蘭の栽培にも熱を入れ、「東洋蘭の作り方」という本まで書いている。
アトリエや1階の外側の温室に蘭の鉢が並んでいるが、焼き物としての蘭の鉢もまた見事なものがある。
現在はこの部屋では猫をモチーフにした彫塑作品が展示されている。
猫好きで多い時は10匹以上の猫を飼っていたという朝倉氏。まるで生きているかのような表情やしぐさの
リアルな描写からは、半端でない猫好き加減が伝わってくる(笑)。
「猫百態」展を構想し製作していたが途中で亡くなってしまったため100点には及ばないが、ここや
アトリエにたくさんの猫が展示されていた。人間よりも猫の方が得意だったという話も(笑)
この写真の朝倉氏の表情を見れば納得。猫にまみれてこの上なく嬉しそうだ!
さてこの部屋の階段がまたちょっと面白い。温室と数寄屋?・・・う~ん、なんと斬新な。
階段を数段下りたところにちょっとしたスペースがあるのだが、スキップフロアなのか踊り場なのか・・・
絨毯の下はモザイクタイル貼りだとわかったのだが、この丸みはいったい・・・?今はポールとか置いてあるけど
手すりもないから誤って落ちそうじゃないの!?このよくワカラン仕上げに想像を掻き立てられるなぁ~
オリジナルグッズや本も充実。タダで(ぐるっとパスで)入館したので少し売り上げに貢献しておこう(笑)
裏に回ったらお墓の前に和館の入口が。
あぁ素晴らしい建物でめちゃくちゃ楽しかった!また行きたいなぁ~
→朝倉彫塑館公式サイト
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