まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

旧田中家別邸 大広間

2020-03-06 22:56:05 | 建物・まちなみ
2月の鹿児島の続き。


旧田中家別邸は洋間だけでなく和館も素晴らしかった。
洋間からつながった和室は「次の間」で、四方が建具に囲まれている。


しかし12.5畳と広い!部屋は雁行配置になっているので、全ての部屋が角部屋で明るいのだ。


そしてそこから続き間になっている、大広間がこちら。真っ先に目に飛び込んでくるのがこの欄間!!
すでに傾いた太陽が透かし彫りされた鳳凰のシルエットをくっきりと浮かび上がらせていた!!


上下に二羽の鳳凰が向かい合う。この大広間を格式高く演出しているな!


うわぁ、広い!天井が高く欄間も幅が広い。細かい装飾的な格子の欄間が次の間から連続し、さらに廊下の
ガラス戸の格子も見えるので、もう目がチカチカする~~(笑)




大広間は16.5畳に3畳の高座のような床の間と1間半の床脇がつく。


部屋のスケールに合わせた巨大な床の間。


冒頭の写真はこの書院の欄間の組子なのだが、これがまた精緻でため息が出るほど美しい。。。
組子は誇るべき日本の伝統的面格子だ。見る角度によって違った模様に変化するのは立体的な組子の魅力。


ところで、この鳳凰の欄間の端の部分は「田中」を現しているとか。ええっほんとかな?
それなら欄間の格子も田中に見えてくるじゃないの(笑)


こちらもおばちゃんが説明してくれて始めて気づいたのだが、隅にひっそりと、三つ扇の家紋。田中家の家紋である。


この三つ扇は結構あちこちに散りばめられていて、引き手にもあしらわれていた。
しかしゴージャスな引き手だなぁ!


建物の東側には広い庭が広がっている。


廊下の垂木天井。


写真の枚数の関係上(苦笑)、ここで玄関に戻って紹介。式台があり4畳の玄関の間がつく。


玄関の土間はなんと人研ぎだった。これは改修時にやり直したのだろうか?不明だが・・・
赤色の帯をぐるりと回しているのがおしゃれだね!


天井はこんな格天井で、端には換気口も空けられている。





玄関の間から続く4畳半の部屋も小さいながらしゃれている。ちゃんと床の間があって、
落としがけには粉を吹いたような竹が使われている。このあたりで竹が採れたので多用されているという。


床脇との間の袖壁の見付の部分にも竹が貼られている。しなやかさを生かした美しい曲線!


床脇の天井の網代は竹ではなく薄い杉板のようだったが、床の間の方の天井は細い丸竹で押さえられている。


そしてこんなところにも。漆塗り(と思う)床框の面取り部分に竹が!ここまでするか(笑)


続く。


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