まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

西住之江の洋風長屋めぐり

2007-03-23 01:42:38 | 建物・まちなみ
前にチェックしてて見に行こうと思っていた西住之江の洋風長屋群。
こないだ歩いた粉浜あたりにもポツポツと見受けられたが(これこれ)、
西住之江には「群れ」で残っているのです。

南海住之江駅の駅前にあるこの建物。2軒に見えますがこれで4軒分。
手前から2軒目はお店をやっていたのでしょう、改築してあります。
3軒目は近々引越しするのか、家の前に粗大ゴミが置いてありますね。


大きな出窓。細かく割った窓の白い桟がかわいい。
玄関周りも丸窓や六角形の窓を配してあります。
妻の装飾やバルコニーのとっくり型の手摺子など、ちょっと装飾過多ぎみ。


こちらは建物自体は和風ですが、1軒ずつ小さな庭がついたテラスハウス。
柵に囲まれた前庭は明るくて開放的。
ずっと続いた建物に見えますが、4~5軒ずつ別棟になっています。


こちらは前庭付で、2階に洋風のバルコニーがあるタイプ。
このお宅の窓はオリジナルと思われるガラスがきれいに残っています。


こんな袖壁とバルコニーが一体化したデザインの長屋はたくさん見られます。
ここは3戸一で、それぞれ違った形の窓がワンポイントにつけられています。
窓の形は八角形、丸、楕円、縦長六角形などいくつかパターンがあります。
こんな感じの長屋はほんとにたくさんあります。


こういうキッチュな色付の型板ガラスを組み合わせた窓もよく見られます。
洋風長屋は、今は残っている数が少ないので珍しく見えますが、
建てられた当初は今の建売住宅のように、一つの窓のデザインのみ違えた
ほとんど同型の住宅がずらりと並んでいたのでしょう。
酔っ払って帰ってきたら自分の家がどこかわからない、なんて話も
多かったかもしれませんね。


住之江土地区画整理完成記念碑が建っていました。
裏側には「昭和十一年四月建之」、「組合長竹中源助」以下8名の名前が
彫られています。このあたりの昔の地主さんたちが筆頭組合員として
区画整理を進めたのでしょう。
この碑の後ろの立派なお屋敷は「竹中」さんでした。なるほど。


このエリアの一番南側にはこんなお風呂屋があったのですがすでに
廃業されてしまったようです・・・残念。
屏風のような看板建築。


西住之江温泉の「之」の字が落ちかかっていて哀れを誘いますね。。。


洋風長屋が建ち並ぶ特異な景観を残すこの地区も、木造の建物は見るからに老朽化しており、
駅前に大きな駐車場ができていたり今まさに解体中の長屋があったりと、
どんどん町並みも変わりつつあるようです。
もともとリーズナブルな住宅として建てられた長屋の寿命はそろそろ限界かもしれません。

コメント (14)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大阪府庁の装飾 | トップ | トンネルを抜けると・・余部鉄橋 »

14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ぽりさん、 (ぷにょ)
2011-02-28 01:47:37
マンションでなく戸建住宅でしたか、少しホッとしました。
あの長屋の開発は辻栄というところなのですか。
今でもやっぱり人気があるのですか、そしてマンションよりも
家賃相場が高いとは驚きです。
それなら物理的に危険なほど老朽化してしまうまでは安泰かも!?
返信する
Unknown (ぽり)
2011-02-25 13:59:40
追記:建築計画のお知らせが掲示されていました。隣の空き地とは別に
取り壊し前の4軒がT様邸としてヘーベルハウス3階建てのお宅になるようです。
マンションではないようです。 辻栄の物件は壊れかけでも人気があるので、家賃は写真5枚目の物件だと10万~15万くらいのようです。
この地域の低層マンションだと1.5~2.5倍くらいの広さで同じ家賃かそれ以下で借りれるみたいです。

ちなみに取り壊し物件の斜め向かいぐらいにあるのが吉本新喜劇座長の○藪さんの実家の自転車屋さんです。
返信する
ぽりさん、 (ぷにょ)
2011-02-20 23:54:20
はじめまして!
あの洋風長屋が取り壊されたのですか!ついに・・・
ほんとに老朽化してるので取り壊しは仕方ありませんが、
マンションマンション。どこでもマンションマンション。
いったいそんなにたくさんマンションが必要なのでしょうか。
良質な分譲戸建て住宅、50年後に写真に撮った人が
ブログに載せて称賛するような建築を建ててくれないものかと
いつも思いますねぇ。

これからもよろしくお願いします!
返信する
Unknown (ぽり)
2011-02-18 21:27:18
表題の洋風長屋 先日取り壊しになりました。
が隣の空き地とあわせてまんしょんになるようです。

裏通りの方はまだ残っているようです。
返信する
ようこそ! (ぷにょ)
2008-01-05 11:31:12
はじめまして。(ですよね?)
Mr.ビーンさんは西住之江温泉のお孫さんでいらっしゃいますか!
開店前に男湯女湯両方を独占で入られたとは贅沢ですねぇ~
お風呂上りに熱い鍋うどん、最高の取り合わせ!
西住之江温泉が廃業されてうどん屋さんもお客が減ったのでは。。
返信する
知ってますよ (Mr.ビーン)
2008-01-03 18:20:48
時々気になり前を通ります。西住之江温泉、30年程前に私は入りました。そう、祖父と祖母の持ち物です。開店前に男風呂、女風呂掛持ちで入りました。近くの瀧徳という名のうどん屋さんがまた、旨い。牛鍋うどんがおすすめです。
返信する
そうですね (ぷにょ)
2007-03-26 01:16:18
妻部分の出っ張りは構造的には別に意味がなさそうですが・・・それを支える持ち送り部材がやたら頑丈そうですね。
勉強不足で知らないんですが、こういう西洋建築のスタイルがあるのでしょうか。
返信する
ようこそ! (ぷにょ)
2007-03-26 01:12:55
コハクさん、いらっしゃませ。
楽しんでいただけたようでよかったです。
また時々でも見に来てやってくださいね~。
返信する
同じようですね (びんみん)
2007-03-25 10:44:29
かなり似ていると思います。同じ会社かもしれませんよね。
私もその本は持ってますので、該当場所を読んでみます。
ちょっとよく分からないのが、妻の過剰な持ち送りです。
どういう美意識でそうなるのかなあと。
いろいろ見せていただいていて、ますます面白くなってきました。
この春は郊外住宅、長屋を中心に回ってみようかなと思っています。
返信する
初めまして (コハク)
2007-03-25 00:51:08
初めの方から見させてもらって、途中挫折しましたが楽しませていただきました~。(^^)
パソコンのお気に入りにしましたからまた来ますね。
南海住之江駅の駅前にある建物は怪しい雰囲気のありそうな建物ですね~。
見てみたいです~。細かな細工が、随所にあって面白いと思いますね~。(^^)
返信する
前に (ぷにょ)
2007-03-25 00:49:45
びんみんさんやひろさんがアップされていた堺の
洋風長屋もほとんど同じデザインでしたよね?
「大阪 新・長屋暮らしのすすめ」という本には、
住之江土地区画整理地区内の近代長屋の建設に
幡建築設計事務所(幡八郎)、八木工務店などの建築家や
建設会社が携わっていた、と書かれています。
同時期に区画整理された地区でも同じ会社が関わっていた
ということは十分考えられますね。
阿倍野区の阪南町にも洋風長屋があるようです。
返信する
行き着くところ (びんみん)
2007-03-24 01:14:53
装飾をとことん盛り込んだ洋風長屋ですね。
先のくるっと回った門扉もいい感じ。
西住之江は一度見に行かないとと思っています。
これだけ残っているのは、最初に住んだ人の思い入れが強かったのか、最初の供給量が多かったのか。
量として見られるうちに見ておきたいところです。
返信する
今で (ぷにょ)
2007-03-24 00:20:34
昭和11年から数えると約70年。
普通に考えてもう寿命はまっとうしているでしょう。
邸宅なら高級な材を使い十分な手入れもされるでしょうが、
もともと借家ですからねぇ。
後年払い下げ(というか買い取り)されたという話を
聞きますが、「貸家」の看板があがっている家もあり、
全部そうでもないみたいです。
しかしよくここまで残ったものです。
返信する
住之江は (ひろ009)
2007-03-23 23:04:57
すごいですね。

窓、バルコニー、手すり子、前庭などが実にええ感じです。

私が最後に訪れたのは何年前なんだろう。。。
やっぱり寿命の限界が近づいているのですかねえ。
減ってきているとはいえ、これだけまとまった長屋群は壮観ですね。

返信する

コメントを投稿

建物・まちなみ」カテゴリの最新記事