まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

馬公の近代建築(台湾)

2009-09-06 01:31:31 | 建物・まちなみ
澎湖島続き。

澎湖島の中心地、馬公のまちは意外にも都会である。
とはいっても観光客が泊まるのはほぼ港周辺に限られる。
宿から歩ける範囲内に日本統治時代の建物がいくつか残っているので駆け足で見て回った。


元台湾総督府専売局澎湖出張所。澎湖県登録歴史建築。
モダニズムなシンプルデザインにグリーンのラインが効いている。
使われている気配がなく、今は隣接した建物の方を使っているようだ。


澎湖県政府。1934(昭和9)年築。澎湖県登録歴史建築。
コンクリート造に瓦屋根を載せた帝冠式だが、赤い瓦なので威圧感がなく
かわいらしい雰囲気だ。今も県庁舎として使われている。


車寄せの上の4本の付け柱は、橋の欄干みたいな意匠。


入口付近で見ていたら人が出てきて、怒られるのかと思いきや中へ入れてくれて
電気までつけてくれるという親切。内部は特段目を引く意匠は見当たらないが、
こじんまりした中庭を囲む配置で、なんだか南国のホテルにいるような気分。

会釈して出ようとしたら、おっちゃんがまた出てきて、これは日本時代の建物で、
壁が通常の2倍の厚みがあるのでとても頑丈だ、というようなことを説明してくれる。
言葉はわからないが一生懸命説明してくれる姿を見ると、日本が建てたこの建物を
気に入って自慢にしてくれているんだな、と思ってうれしくなった。

澎湖貴賓館(第一賓館)。1943(昭和18)年の築。県定古蹟。
角が反りあがった屋根、千鳥破風、車寄せのような玄関、塗り込めた壁・・・
和洋折衷というか、和台?和中?いろんなものがミックスされた不思議な建物だ。


元澎湖庁庁長官舎(現澎湖開拓館)。澎湖県登録歴史建築。現在は資料館として
一般公開されているのだが、残念なことに滞在した月・火が休館日。。。
玄関周りは褐色のスクラッチタイルが使われている。


窓から覗くと、やはり住宅らしい作りになっている。奥に座敷があるようだ。
あぁ入りたかったな。




旧澎湖郵便局。大正13年築。澎湖県登録歴史建築。
今は電報電話局だそうだが私が見た時は閉まっていた。昼間なら開いていたのかな。
そしたら内部も見れたかも?
濃いグリーンの壁は南国の太陽の下ではちょっと重々しい。後から塗った色だろう。


他に旧馬公港税関派出所<県定古蹟>(現高雄関税局分室)や旧馬公水上警察官吏派出所
(現警察文物館)など。
写真撮り忘れた・・・

日本統治時代の建物がとてもきれいな状態で残っているのは、ずっと途切れなく
使われてきたためだろう。必要な部分は随時手入れをして大事に使っているのが
伝わってくる。そして民間の建物も含めてほとんどが古蹟や歴史建築として指定・登録され、
その価値が公に認められているのだ。ほんとに幸せな建物たちだ。


これは宿近くの水仙宮。近代建築ではないかもしれないが、よく見ると車寄せのある
洋風建築に見える。


このほか、屋号や名字を掲げた看板建築のような古い商店建築が時々見られる。
こういう立ち上がった装飾壁のある建物は、三峡大渓鹿港などの老街や台北市内でも
見かけたように、どこの街にもある一般的な昔の台湾風(中国風)町家のようで、
日本の看板建築のルーツなのかもしれない。


これは四つ目井戸のある辻広場に面して建つ薬屋で、県定古蹟。


またもう少し時代の下る戦後建築(?)の渋いのをおしゃれ系バーにしてあったりして
なかなかいい感じじゃないの。

※この写真の色がおかしいのはカメラの設定ミス・・・(恥)

ホテルの部屋の窓からは港が見える。停泊しているのは台南行きフェリー「今日之星」。

※間違いに気づいて訂正。高雄行きフェリーは「台華輪」でした。。

続く。

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4 コメント

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こんばんは! (mayumama)
2009-09-06 22:10:20
台湾は行ったことがないのですが、日本統治時代の近代建築が
こんなにたくさん残されているんですね~
それもきれいに保存されながら今も使われ続けられてるものが多いんですね。
どことなく中国風の味付けのある建物たちがいい感じです~
タイルの楽園、というのがとっても気になります~(笑)
返信する
素晴らしい! (yume)
2009-09-06 22:17:25
どうして、こんなに綺麗にそのまま残っているんでしょ。
それだけ物を大切に丁寧に扱われてるという事なんでしょうね。

日本も、やればできたはず。
焦って前へ進みすぎたのでしょうね。
そのツケが今廻ってきて、住みにくい国になってしまったんじゃないかと。。思いたくなります。

もっと物も心も大切にしなきゃならないなぁと。。台湾の風景を見ていると重います。

でも ホント。。いいですねぇ。。。
返信する
mayumamaさん、 (ぷにょ)
2009-09-07 01:11:54
日本統治時代の建物はここ澎湖島に限らず台北でも高雄でも
各地でとてもきれいに使われながら残っています。
その多くは見せるために奇麗にしているのでなく使うために奇麗にしているのです。
いつまでも現役というのは素晴らしいですね。

タイルの楽園、お楽しみに~~
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yumeさん、 (ぷにょ)
2009-09-07 01:16:48
上のコメントでも書いたように、見せるためでなく使うために
きれいにしているので、やりすぎない。
そして、ず~っとほったらかしにしておいたあとで大改修するのでなく、少しずつ手を入れる。
それがいつまでも自然で美しい理由でしょうね。

・・・何か人間と同じ気がしてきた(笑)
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