まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

かどや(旧広野家住宅)のガラス

2021-02-03 21:05:33 | ディテール
2020年1月の伊勢・鳥羽の続き。

ガラスを見ていこう。
室内のガラス障子にはまった、明治建築独特の濃厚な色のガラス。鉛の入った古い色ガラスは発色がどぎつくて
透明度が高い。赤・青・緑の三原色のガラスを互い違いに配し、間に模様入りのケシガラスを嵌めてある。




閉めるとこんなふうにすべて色ガラスに!さらにケシガラスが重なって、模様入りの色ガラスにみえるのだ。
面白い効果だな!


しかし普通はやはり光が直接当たるよう、外部に面した窓に使われることがほとんどだが、こんな部屋と廊下の
境にあるのは不思議な感じがするな・・・


このガラスの上にも北斗七星が。ちょっといびつだけど(笑)


主人の間からお庭の方を見ると、欄間のガラスがえもいわれぬ美しさ!


霞がかかったような、こんな模様入りのケシガラス、見たことがない。絵画ではこういう霞や雲を場面の切替部分に
配するのはよくあるが、それの実写版か!?(笑)


これは表に面した窓。斜め半分を半透明にして、巴文や木瓜文のような模様を散らしてあり、とってもおしゃれ!




そして、トイレ前の廊下にも色ガラスがある。


お庭に面した廊下の欄間部分に、赤・青・緑と透明のガラスが嵌っているのだが、この割付のセンス!!
まるでモンドリアンパターンじゃないか!なんと斬新な・・・


壁にゆらゆらと映る、三色の光。・・・いやもう、感嘆!


トイレに向かった突き当りにも、さっきと同じようなガラス障子があった。
こちらは一部割れてしまったのだろうか、色ガラスが4枚しかなく、所々透明のガラスが入っている。


色ガラスを通して見るモノトーンの景色は、現実のものとは思えない不思議な世界。明治の人々も、ガラス一枚
隔てたこの異世界に夢中になったことだろう。


トイレの入口のガラス戸には、まるでパッチワークのように、いろんな模様のケシガラスが勢ぞろい!








ここに挙げた以外にも数種類あった。この建物内ではいったい何種類あるだろう。
しかし、自分の姿が映り込んでなかなかうまく撮れない・・・(汗)


トイレのタイルはストレートエッジの白無地タイル、そして染付便器が残されている。
小便器の方は途中で青磁のものに取り換えられたようだが、古いものも取ってあったんだな。


ちょっと色がわかりにくいが、この格子窓の四隅の部分にも小さな色ガラスが使われている。


赤・青・緑に加え、オレンジ色も。


そして・・・何と大便所の掃き出し窓にも!う~ん、これはちょっと・・・いくら異世界でもなぁ(爆)

あぁ面白い、ガラスだけでこれだけ見ごたえのある建物もなかなかないだろう。

これだけ楽しめて、なんと入場料は無料なのだから驚く!
建物は単に公開されているだけではなく、貸し部屋やイベント会場ともなる。平成24年に設立された
「かどや保存会」の方々が、建物の保存・継承に加え、鳥羽の伝統文化の情報発信の場として活動されているのだ。
建物見学とともに鳥羽のまちを楽しんで少しでもお金を落とさないとね!
鳥羽水族館のラッコにも会いたいし、また来よう~~

おわり。

もくじ

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