まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

北方貨物線を見に行く。 (前編)

2009-09-28 03:06:55 | 鉄道風景
5連休後2日働いて土曜日。さて、何をしようか。安いきっぷもないし、遠くへ行くのも
なんだかめんどくさい。。。。
そうだ、宮原の操車場を見に行こう。加島のデルタ地帯も前から気になっていた。

JRの塚本駅のホームから見ると線路が交錯している。ん~ワクワクする!


さて、駅の東側にでて線路沿いに歩いていくと、宮原方面への短絡線がだんだん
高さを増していく。石積みの築堤は鉄桁に変わり、神戸方面からの本線上り線を一気に越えてゆく。
さて、その部分の下には歩行者用の通路があるのだが、えらく掘りが深いなぁ・・・と
思っていたら、あぁそうか、大野川遊歩道だ。実際はこの少し西の阪神高速神戸線より
下流側が自転車・遊歩道になっているが、ここまでグリーンベルトが続いている。


しかし・・・赤い桁に書かれた文字を見ると、「水戸川橋梁」と書いてある。水戸川??


一般に「大野川遊歩道」と言われているが、それは中島水道であった部分も含んでいる。
中島水道が造られたのはかなり古く1678(延宝6)年。度々水害が起こり「摂津水所」と
言われた淀川右岸の村々の農民が結集し、一切の費用を持ち出しで開削した排水路である。

大野川はもともと神崎川の派流であり、後年その下流部に中島水道が接続されたのであろう。
手持ちの地図を見ると1885年ではやはり中島水道の下流と大野川は別々の流路をとっているが
1929年になると、稗島(→姫島)町以下の部分が大野川下流につなぎ替えられている。
(それはおそらく新淀川開削のタイミングだろうと推測する。)

驚くべきことに現在でいう淡路から伝法までの9.2km間の排水路開削工事を、何と
50日間で完成させたという。もちろん一部は自然河川や既設水路のルートを利用したのだ。
”そしてその中に「水戸川」という川もあったかもしれない”
・・・・という仮設を立ててみたのだが、いや、待てよ。国鉄の東海道線が作られたときには
すでに中島水道はできており、もとあった自然河川の名前は消えているはずだ。・・・・う~ん。

謎は解明しないが、とにかく先へ進もう。

さて、JR東海道線と、宮原から尼崎方面へ行く北方貨物線と、宮原から塚本・大阪方面への
短絡線は、デルタ地帯を形成している。
その三角の中へ入るにはどこからアクセスすればよいのか・・・?うろうろして
工場の間の道を進んでみたが行き止まり。




引き返して次の道を行ってみると、小さな踏切が現れた。うわ~かわいい。
小さなかまぼこ型の踏切を越えるとすぐ低いコンクリートのガードがある。
本線を越えて下りてきた塚本→宮原の短絡線だ。(これは上り?下り??)


地平を走るのは宮原→塚本方面行の線路。


反対側から見たら、草のかたまりにしか見えない(笑)。


デルタの内側に入って田川公園を抜け、JR東海道本線をくぐる大きなアンダーパスを抜けると、
目の前には新家工業の工場が。あっ、ここに出るのか!!
いつも電車の窓から、一面工場風景の中にひときわ目を引く新家工業の事務所棟の星型の窓を
眺めながら、あそこへは一体どこからアクセスするんだろう・・・と思っていたのだった。
その建物はずっと前から気になっていたので、以前、雑誌大阪人の「発掘theOSAKA」という
歴博の酒井さんによる人気コーナーで取り上げられた時には、部屋の中を写真で見ることが
できて喜んだものだった。

しかし、門の陰になって建物がよく見えない。工場は企業秘密などあるためか、外からカメラを
向けるだけでも怒られたことが何度かあったが、人がいたので、ダメモトでお願いしてみた。
ちょっと門の中に入って建物の外観写真を撮らせていただけませんか。
すると、「どうぞ」と。えっ、いいの?うゎ~うれしい!

タイル貼りの外観やベランダの手すりの幾何学模様、ペントハウス(階段室?)の
壁上方の水平ラインがモダンな雰囲気だ。
しかしやはり一番のアイキャッチャーは八芒星の形の窓。素敵~~


写真を撮っていると他の方も声をかけて下さったので少しお話をした。
今も実際に管理部門や専務さんなどが使われているという。
玄関の風除け室の雰囲気もとてもいい感じ。

カッコイイなぁ~~!いつまでも工場地帯の「星」であってほしい!

さて、ここからまた向こう側へ渡るには・・・・と。結局、東海道本線側の辺には
内外を結ぶ通路は1ヶ所しかなかったので、デルタの北側へ抜けることになった。
そこにはさらに東海道新幹線の高い高い高架線が頭上を走り、まさに鉄道の網の中に
いるようなロケーションである。すごい場所だ。市営住宅の横の通路を通って、再び
デルタ内に入れるところを探すがなかなかない。
これは北方貨物線の線路であるが、やはり下り線が東海道本線を越えるために上っていくのだ。


目の前に壁のように立ちはだかる築堤。これをなかなか越えることができない。

続く。

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6 コメント

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Unknown (新之介)
2009-09-28 23:29:07
えらい渋い場所に来られましたね^^
地元の私でさえあまりうろつかない場所です。
でも、メッチャ面白い場所。
さすがです。

3枚目の「水戸川橋梁」。
私も見た事のない川の名前です。
推測通りこの辺りは水路がたくさんありましたので
水戸川という名前の水路があった可能性はありますが少なくとも東淀川区史では見つけられませんでした。

6枚目の小さな踏切の北側にある踏み切りは
水路だった場所です。
ぷにょさんならおそらくお気づきになったのではないでしょうか。次回に出てくるのかな?
返信する
新之介さん、 (ぷにょ)
2009-09-29 02:17:48
こんばんは。この辺り面白いですねぇ~
水戸川って、ネットで検索しても、昔の地図を見ても、川の資料を見ても、出てきません。
西淀川区史なら載ってるんでしょうか。

踏切が水路だった場所??全然気づきませんでしたよ。どのように水路があったんでしょう。想像がつきません。
返信する
沖田踏切 (京橋行き?)
2010-01-25 00:08:15
こんばんわ。 はじめまして。
6枚目の写真は、もしかして沖田踏切?
この踏切は遮断機がないんですよね。
この踏切で雷鳥37号(回送)を待っていたら
女の子に不審がられてしまいました。
この踏切の電車通過音はサイコーです!!
フランジの音とモーター音、それに電車が真横を通過していくのでスリル満点だと思います。
返信する
京橋行き?さん、 (ぷにょ)
2010-01-25 18:51:58
ようこそ、いらっしゃいませ!
あそこは沖田踏切というのですか、名前はチェックしていませんでした。
田川公園へ入るところです。
あんなところで特に夕方薄暗い時など一人立っていたら
そりゃ不審がられるでしょうねぇ。通報されないように気をつけて下さいよ(笑)。
私が見ている間は電車は来なかったですが、遮断機がないので電車に近いでしょうね。
吸い込まれないようにも注意して下さいね(笑)!

返信する
沖田踏切 (ぽよよ)
2012-03-04 01:43:18
はじめまして
こちらに載せています沖田踏切ですが
2012年3月に入ってから踏切周辺で昼間に
工事をしていまして、
沖田踏切に遮断機を取り付けるだろう?
と思える基礎工事をしています。

3月中頃にはもしかすると新しい遮断機がみられるかもしれません
返信する
ぽよよさん、 (ぷにょ)
2012-03-12 00:22:29
ようこそいらっしゃいませ!
ここの沖田踏切に遮断機が!?確かに危ないですからね・・・
もう3月も半ばですから、もしかしたらもう新しい遮断機が
ついているのでしょうか。
また行ってみないといけませんね~
情報ありがとうございます!
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