今回のグラミー賞の新制度や変更点について、知らなかった点が2点。
まず、主要部門のノミネート数が10から8に減っていた。
そして、プロデューサー賞とソングライター賞が主要部門に組み入れられていた。
テストとかやるのならそういうのも調べておくべきだけど、どうにも調べておくという発想が生まれず...。
ただ、もしサプライズで変更点発表!みたいな感じだったのなら、それはそれで迷惑...。
グラミー賞2024のノミネートがすべて発表されました!
発表は11/11なのでもう1週間近く経ってからの投稿になるのですが、感想と事前に行っていた予想テストの採点をしたいと思います!
ちなみに、2017年にもグラミー賞2018の予想をちょっとしていたことが発覚して、60点満点だったのですが17点でした。
100点満点に換算すると、約28点。翌年は19点、翌々年は21点だったので、ジェットコースターでしたね。
(参考:グラミー賞公式サイト)
・主要部門
年間最優秀レコード賞
- ヴィクトリア・モネ / On My Mama
- オリヴィア・ロドリゴ / Vampire
- シザ / Kill Bill
- ジョン・バティステ / Worship
- テイラー・スウィフト / Anti-Hero
- ビリー・アイリッシュ / What Was I Made For?
- ボーイジーニアス / Not Strong Enough
- マイリー・サイラス / Flowers
私はリアルタイムでノミネーションの発表を見ていたのですが、意外と早めに発表された年間最優秀レコード賞、まずは今年のチャートのトップ、シザとテイラー・スウィフトとマイリー・サイラスが入っていて安心しました。この3人が言葉通りチャートのTop3を占めていた週もあったと思います。とりあえず、ここでグラミーの正常さを確認できました。一方で、予想だにしなかったのがヴィクトリア・モネ氏。未だ聴いたことないのですが、ノミネートされた "On My Mama" は11月現在チャートを上昇中で、まさにこれから、といった感じです。しかもそれ以前に何かヒット曲があったかというとそうでもなく、彼女はこの "On My Mama" でメインストリーム・デビュー。グラミーが「おそらくこの曲は将来大ヒットになるから、今のうちから選んでおこう」と先走ることはほとんど無いので、チャート的な評価ではなくグラミー独特の学問的評価で選んでいる可能性があります。学問的評価で選んだものが、たまたま現在チャートを上昇している、といった感じですね。ちょっと珍しいケースでした。
(採点) 4点獲得!8枠を10の候補で予想していたことになるのでズルになりますが、差の2点は無条件で失ったことにするのでなあなあにさせてもらいます。上記3名と、オリヴィア・ロドリゴが当たりましたね。一方でけっこう本命だと思っていたビヨンセの "America Has A Problem ( Remix ) feat. ケンドリック・ラマー" や、今度こそ!と思って予想したモーガン・ウォーレンの "Last Night" は外れました。とはいえ、前年の記事でも言及していましたが毎年ここは半分がスタンダードだったので、まずはそれを達成できてよかったです。
年間最優秀アルバム賞
- オリヴィア・ロドリゴ / Guts
- シザ / SOS
- ジャネール・モネイ / The Age Of Pressure
- ジョン・バティステ / World Music Radio
- テイラー・スウィフト / Midnights
- ボーイジーニアス / The Record
- マイリー・サイラス / Endless Summer Vacation
- ラナ・デル・レイ / Did You Know That There's A Tunnel Under Ocean Blvd?
ざっと見て、女性の割合高っ!...ってなります。ボーイジーニアスは女性グループなので、男性はジョン・バティステだけですね。ただ、ノミネートされた彼女らはいずれも商業的にも大成功していたので、文句は特になし。確かに女性の活躍が多かった年だと記憶してますし、活躍してたのにノミネートを逃してしまった人も多いくらいなので選考に無理も感じません。ちなみに、ニュースだとテイラー・スウィフトがここにノミネートされたのは合計6回目で、女性ではバーブラ・ストライサンドとタイで歴代最多だそう。さらに、もし受賞すればキャリア4回目の同賞受賞になり、その場合は女性として歴代最多のアルバム・オブ・ジ・イヤー受賞になるそうです。その他、アルバム・オブ・ジ・イヤーへのノミネート2回目が4組、初が3組。やっぱりテイラーさんがとび抜けていますが、ジョン・バティステは受賞歴があり、しかもその時はテイラー・スウィフトの『エヴァーモア』を下していたので対立候補ですね。
(採点) 5点獲得!事前にわりと本気で分析をした甲斐もあり、5点とれました!テイラー・スウィフト、マイリー・サイラス、シザ、ジョン・バティステ、ボーイジーニアスが当たりましたね。ジョン・バティステに関しては一応前作で受賞してるから...と、どちらかというと控えめに予想したのですが、前作とはアルバムのジャンルが違うにもかかわらず2作連続でノミネートとなりました。一方で、ラップ・アルバムは2作とも外れたばかりか、今回はラップのノミネートがゼロであることも発見。上の年間最優秀レコード賞でもゼロです。このあたり、厳しいなあと思いつつも、しっかり時代を反映してるなとも思いました。なお、分析と今回のノミネート結果の照合は、年間最優秀アルバム賞の分析記事に追記で記します。
年間最優秀楽曲賞
- オリヴィア・ロドリゴ / Vampire
- シザ / Kill Bill
- ジョン・バティステ / Butterfly
- テイラー・スウィフト / Anti-Hero
- デュア・リパ / Dance The Night
- ビリー・アイリッシュ / What Was I Made For?
- マイリー・サイラス / Flowers
- ラナ・デル・レイ / A&W
ソングライターに贈られる楽曲賞。ソングライターとしてはジャック・アントノフが "Anti-Hero" と "A&W" の2曲に関わっているので、地味に有利になっていますね。また、映画『バービー』から2曲が入っています。『バービー』のサントラは、一時期意識して聴いていたのですが結局一番頭に残ったのは古い方の "Barbie Girl"(アクア)でしたね...。どこかで聴いたことがある気がして、それを共感してもらいたくて何人かに「これ、小さい頃とかどこかで聴いたことない?」と聞いて回っているのですが、未だに共感してもらえてません。気のせいなのでしょうか...?ともかく、真っピンクな世界観の楽曲に圧倒されました。
最優秀新人賞
- アイス・スパイス
- ヴィクトリア・モネ
- ザ・ウォー・アンド・トリーティ
- ココ・ジョーンズ
- グレイシー・エイブラムス
- ジェリー・ロール
- ノア・カハン
- フレッド・アゲイン
ノア・カハンがノミネート!!良かった!!そしてアイス・スパイスとジェリー・ロールも!!アイス・スパイスはまだデビュー・アルバムを出していない段階でのノミネートで、一方ジェリー・ロールはもう10枚以上アルバムをリリースしたうえでのノミネートです。後者に関しては、さすがに苦笑いですね...、これまでにリリースしたアルバムの枚数は関係ない、と経験から理解しつつも、ジェリー・ロールは新人なのか...といった感じです。ただ、確かに自分も最初は彼はカントリーの若手だと思っていて、フレッシュさもあったのでデータを知らなかったらノミネートに納得していたと思います。彼はラッパーとしてインディーズから何枚もアルバムを出したのち、ジャンルをカントリーに転向。それがうまくいってカントリー・シンガーとしてデビューすることに成功したので、新たなスタート的な感じでグラミーが祝福したのでしょう。
(採点)2点獲得!2点のみ!!ここも事前に分析したはずなのに、たった2点でした。グラミー賞2019から6年連続でここは2点なので、何も変わっていないことになります。これは残念...。R&B枠でヴィクトリア・モネやココ・ジョーンズの可能性もわずかに考えておきつつも、実際はレイとDoechiiを予想。特にレイは "Escapism feat. 070 Shake" とデビュー・アルバム『マイ・21st・センチュリー・ブルース』がヒットしたのでかなり有力だと思っていました。UKアーティストだから?とも一瞬思いましたが、UKからはフレッド・アゲインがノミネートを獲得しています。やっぱりここは難しいみたいですね...。
※「年間最優秀プロデューサー賞」、「年間最優秀ソングライター賞」は割愛します。
・ポップ部門
最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞
- オリヴィア・ロドリゴ / Vampire
- テイラー・スウィフト / Anti-Hero
- ドージャ・キャット / Paint The Town Red
- ビリー・アイリッシュ / What Was I Made For?
- マイリー・サイラス / Flowers
主要でノミネートされたポップ・ソングがそのままここでもノミネートされるとすれば、デュア・リパの "Dance The Night" もあったと思いますが、今回はドージャ・キャットの "Paint The Town Red" が代わりに入りました。まあ、確かに広い意味ではポップ・ミュージックなのかもしれませんが、ラップがメインにはなっている曲だし、スローなビートもポップ・ミュージックらしくはないです。それゆえ、一見納得してしまいそうな感じでしたが、よく考えたらこれはちょっと雑だと思いますね。
(採点)3点獲得!"Paint The Town Red" と "What Was I Made For?" が当てられなかったのですが、代わりに自分が予想したのはデュア・リパの "Dance The Night" とエド・シーランの "Eyes Closed"。前者は同じ『バービー』のサントラ "What Was I Made For?" がノミネートされてて、後者は収録アルバム『-』の方がポップ・アルバム賞にノミネートされてたので、あながち見当違いではなかったんだなと嬉しかったです。
最優秀ポップ・デュオ / グループ・パフォーマンス賞
- シザ feat. フィービー・ブリジャーズ / Ghost In The Machine
- テイラー・スウィフト feat. アイス・スパイス / Karma ( Remix )
- マイリー・サイラス with ブランディ・カーライル / Thousand Miles
- ラナ・デル・レイ feat. ジョン・バティステ / Candy Necklace
- ラビリンス feat. ビリー・アイリッシュ / Never Felt So Alone
その...言いにくいのですが、確かにグラミーは一人の素晴らしいアーティストの作品を一気にたくさんノミネートさせることがあって、例えばAというアルバムが素晴らしかったらその収録曲がシングル・カットされてヒットしたか否かに関わらず、Aの収録曲を条件が合うところの賞にまんべんなくノミネートさせたりします。これがあるから一気に何部門もノミネートを獲得する人がいて、受賞どころかノミネートも少数に独占されたりしてしまうわけですね。グラミーの学問的評価と相性が悪いアーティストはチャートで曲をヒットさせることでグラミーにアクセスするチャンスが得られます。しかし、今回のここはあまりにもグラミーがチャンスを拾ってあげなかったな...と思わざるを得ません。
(採点)1点獲得!テイラー・スウィフトの "Karma ( Remix )" のみ正解です!歴代のここの成績を見ていくと、まちまちだったので一概に悪いとはいえないのですが、正直もう少しとれると思ってました。フィフティ・フィフティやノア・カハンなど、ジャンルに幅を持たせて予想したつもりだったのですが、主要部門で高評価された人たちの独占(正しくは寡占)により、予想はほぼ全滅しましたね...。この中だと、主要部門との繋がりが一切ないアーティストはラビリンスのみ。チャンスを拾ってもらえたのは一人だけでした。
最優秀ポップ・ボーカル・アルバム賞
- エド・シーラン / -
- オリヴィア・ロドリゴ / Guts
- ケリー・クラークソン / Chemistry
- テイラー・スウィフト / Midnights
- マイリー・サイラス / Endless Summer Vacation
ケリー・クラークソン!チャートでは見ていましたが、率直に言うとアルバムをリリースしていたことすら忘れていました。ふと思ったのですが、彼女はデビュー・アルバム『サンクフル』(2003) から最新作『ケミストリー』(2023) まで、全作なんらかのコンテンツがノミネートを受けているかもしれません。気になって調べてみたところ、残念ながら全作ではありませんでしたが、9作中7作が何らかのコンテンツでノミネートを受けていました。彼女の場合は決してひいきされているわけではないので、これは本当にすごいことだと思います。
(採点)3点獲得!土壇場でオリヴィア・ロドリゴの『ガッツ』を追加した甲斐がありました!リリースからまだ間もなかったから、少し気が引けていたのですが、選考期間的にノミネートされるとしたら今回しかないので入れました。曲の場合は選考期間にそこまで縛られないけど、アルバムの場合は縛られるのでリリースされたばかり(選考期間ギリギリ)だからといって敬遠してると思いっきり外すかもですね。
・ロック部門
最優秀ロック・パフォーマンス賞
- アークティック・モンキーズ / Sculptures Of Anything Goes
- フー・ファイターズ / Rescued
- ブラック・ピューマズ / More Than A Love Song
- ボーイジーニアス / Not Strong Enough
- メタリカ / Lux Aeterna
大きな驚きはなし...。フー・ファイターズとメタリカは安定していますね。これまで明るいバンドのイメージで聴いていたバンドが不幸をきっかけに暗めの曲を出すことについて、個人的にトラウマや苦手意識があったのですが、フー・ファイターズの "Rescued" にはそれほど厳しさを感じません。明るめに仕上げても聴く側はどうしても不幸がちらついて、悲しい気持ちになってしまったりするものだと思っているのですが、それにしても "Rescued" は聴きやすいです。チャート的にはもう少しヒットしてもよかったと思いますね。
(採点)2点獲得!"Rescued" と "Lux Aeterna" です。特に言うことはありません。スリープ・トークンが無視されたのだけはちょっと意外でしたが。
最優秀ロック・ソング賞
- オリヴィア・ロドリゴ / Ballad Of A Homeschooled Girl
- クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ / Emotion Sickness
- フー・ファイターズ / Rescued
- ボーイジーニアス / Not Strong Enough
- ザ・ローリング・ストーンズ / Angry
ローリング・ストーンズが滑り込みでノミネート!2014年あたりに単発曲の「ドゥーム・アンド・グルース」が同賞にノミネートされていたので、めちゃくちゃ久しぶりというわけではないのですが、来年はメタリカにローリング・ストーンズに、ベテラン中のベテランが揃っています。超話題になっているビートルズの最後の新曲も、リリース時期がもう少し早ければもっとすごい顔ぶれになっていたかもしれないですね。
最優秀ロック・アルバム賞
- クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ / In Times New Roman...
- グレタ・ヴァン・フリート / Starcatcher
- パラモア / This Is Why
- フー・ファイターズ / But Here We Are
- メタリカ / 72 Seasons
グレタ・ヴァン・フリート!フランクに言うと「グラミーに拾われて捨てられた」みたいなレッテルを貼ってしまっているバンドです(ファンの方がいらっしゃいましたらごめんなさい!)。バンドはデビュー・アルバムをリリースする前の段階でグラミーから高評価を受け、「最優秀新人賞」にもノミネートされて業界から大注目されたのですが、その後リリースしたデビュー・アルバム『アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー』(2018) もセカンド・アルバム『バトル・アット・ザ・ガーデンズ・ゲート』(2021) も、チャート的には大ヒットしたもののグラミーには取り上げられませんでした。この『スターキャッチャー』は3作目になるわけですが、ここで踵をかえすとは思いませんでしたね。ちなみにグレタ・ヴァン・フリートは "When The Curtain Falls" と "You're The One"、"Heat Above" が好きです。
(採点)2点獲得!メタリカとパラモアで正解でした。もう少しとれたかどうかを検討しましたが、フー・ファイターズはとれましたよね...。なぜ予想しなかったのか、不思議です。
最優秀オルタナティヴ・ミュージック・パフォーマンス賞
- アークティック・モンキーズ / Body Paint
- Alvvays / Belinda Says
- パラモア / This Is Why
- ボーイジーニアス / Cool About It
- ラナ・デル・レイ / A&W
Alvvays(オールウェイズ)というバンドだけ、知らなかったです。カナダのインディー・ロック・バンドだそうで、男性2人、女性3人のちょっと珍しい構成。オルタナティヴ・ミュージック・パフォーマンス賞がロック・パフォーマンス賞から分離してできたおかげで、こういった比較的知られていないインディー・バンドもノミネートされやすくなったんじゃないかなと思います。自分で言うのもなんですが、おかげで自分は知ることができました。
(採点)0点!!全然ダメでした!初ノミネートを予想してたメラニー・マルティネスとビーバドゥービーは叶わず!有力視していたホージアも今回はゼロノミネートでした!無念だし、ちょっと不平!
最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞
- アークティック・モンキーズ / The Car
- ゴリラズ / Cracker Island
- PJハーヴェイ / I Inside The Old Year Dying
- ボーイジーニアス / The Record
- ラナ・デル・レイ / Did You Know That There's A Tunnel Under Ocean Blvd?
私はアルバム自体あまり買わない方なのでアルバム賞に関しては実はいろいろいえないのですが...、でも、とりあえずこの選考は良さそうです。チャートとグラミーに距離が空きすぎることを悪しとする立場からすれば、文句はありません。特にゴリラズは聴いていたので、応援したいです。
(採点)2点!ボーイジーニアスとゴリラズで正解です!先述しましたがメラニーさんとホージアを予想で推していたので、そこを外したのは若干痛手でしたが、ここは選考に特に不満はないのでOKです!
※いつもながらやたら長くなってしまってるので、各賞1段落にまとめるようにします...。
・カントリー部門
最優秀カントリー・ソロ・パフォーマンス賞
- クリス・ステイプルトン / White Horse
- タイラー・チルダーズ / In Your Love
- ドリー・パートン / The Last Thing On My Mind
- ブランディ・クラーク / Buried
- ルーク・コムズ / Fast Car
(採点)2点獲得!(もちろん決まっているわけではありませんが)毎年ベテラン枠があるカントリー部門、前回はウィリー・ネルソンさんでしたが今回はドリー・パートンさんですね。前回の予想ではベテラン枠をドリー・パートンさんにし、見事外れたのですが、意外と惜しかったのかも、と今になって思いました。ところで、今回のグラミーのカントリー部門で主役になるのではないかと踏んでいたミーガン・モロニーさんは、ふたを開けてみたらまさかの落選!そこだけちょっと気がかりでした。
最優秀カントリー・デュオ / グループ・パフォーマンス賞
- ヴィンス・ギル & ポール・フランクリン / Kissing Your Picture ( Is So Cold )
- カーリー・ピアース feat. クリス・ステイプルトン / We Don't Fight Anymore
- ザック・ブライアン with ケイシー・マスグレイヴス / I Remember Everything
- ジェリー・ロール with レイニー・ウィルソン / Save Me
- ダークス・ベントリー feat. Billy Strings / High Note
- ブラザーズ・オズボーン / Nobody's Nobody
案の定知ってる曲は少なかったですが、好きな曲が入っていました。ジェリー・ロールさんの "Save Me" ですね、全米チャートではもうTop20入り目前です。また、ザック・ブライアンさんの "I Remember Everything" も、数回しか聴いていませんが好感触で、UKチャートではカントリー・ソングとしてはかなり珍しいTop20入りを達成していました。その他、カーリー・ピアースさんの "We Don't Fight Anymore" も最近チャートに入ってきて、これからヒットしそうです。ハーディ "Wait In The Truck feat. レイニー・ウィルソン" 等これら以外のノミネート選択肢も浮かびますが、多くはないので今回のここはそこまで無理がない選考かなと感じました。
最優秀カントリー・ソング賞
- クリス・ステイプルトン / White Horse
- ザック・ブライアン with ケイシー・マスグレイヴス / I Remember Everything
- タイラー・チルダーズ / In Your Love
- ブランディ・クラーク / Buried
- モーガン・ウォーレン / Last Night
モーガン・ウォーレンが...!!!ついに...!!!!!1週間経った今でも、ちょっと感動しています。メインストリームの最前線を走り続けてきた実力者かつ超人気者なのに、今までグラミーにはご縁がない感じでした。それが、ついにここで初ノミネートです!"Last Night" は今年の代表曲にもなり得るほど大ヒットしたので、さすがにグラミーは無視できなかったのでしょう。思えば2年前も、当時メインストリームで大ブレイクしていたウォーカー・ヘイズさんがこの賞で初ノミネートを獲得していましたね。意外とチャート音楽に優しい賞なのかもしれません。
最優秀カントリー・アルバム賞
- ケルシー・バレリーニ / Rolling Up The Welcome Mat
- ザック・ブライアン / Zach Bryan
- タイラー・チルダーズ / Rustin' In The Rain
- ブラザーズ・オズボーン / Brothers Osborne
- レイニー・ウィルソン / Bell Bottom Country
(採点)3点獲得!!歴代の成績を見ても平均して1点ぐらいしかとれてなかったので、大きな前進です!しかも正解した3作(ケルシー・バレリーニ、タイラー・チルダーズ、レイニー・ウィルソン)いずれもどうなんだろう?と思いながら予想してたので、これでここの賞の感覚がちょっとつかめたかも。...それと、レイニー・ウィルソンさんも初ノミネートですね!これは普通に嬉しいです。カントリーのCMAアワードでは大活躍だったそうですが、グラミーでも受賞までいけるでしょうか?
R&B部門
最優秀R&Bパフォーマンス賞
- ヴィクトリア・モネ / How Does It Make You Feel
- クリス・ブラウン / Summer Too Hot
- ココ・ジョーンズ / ICU
- シザ / Kill Bill
- ロバート・グラスパー feat. SiR & アレックス・アイズリー / Back To Love
(採点)2点獲得!ここも特に文句はないです!ジャズ・アーティストだけどR&Bの音楽も作る、ロバート・グラスパーさんはR&B部門でもすっかり常連ですね。そして最優秀新人賞にもノミネートされているヴィクトリア・モネさんとココ・ジョーンズさんは、初グラミーでR&B部門を席巻しています。シザさんやエラ・メイさんがデビューしたときもそうでした、新人R&Bシンガーがグラミー賞を盛り上げるのはもはや風物詩なのかも。
最優秀R&Bソング賞
- ヴィクトリア・モネ / On My Mama
- ココ・ジョーンズ / ICU
- シザ / Snooze
- ハリー / Angel
- ロバート・グラスパー feat. SiR & アレックス・アイズリー / Back To Love
顔ぶれはR&Bパフォーマンス賞とほとんど同じですね。理由はよく分かりませんが、ヴィクトリア・モネさんとシザさんは別の曲になっています。今回最多の9部門ノミネートで注目されているシザさんですが、数えてみたら5曲もそれぞれ異なる曲がノミネートされていました。一番ヒットした "Kill Bill" が主要2部門とR&Bパフォーマンス賞の合計3部門にノミネートされていて、次にヒットした "Snooze" がここ1部門、『SOS』収録曲の "Ghost In The Machine"、"Love Launguage"、"Low" がそれぞれ別の賞で1つずつノミネートを得ています(残り2部門はアルバム『SOS』が主要1部門とR&B1部門で獲得)。『SOS』収録曲という括りでみれば "Good Days" も2年前にノミネートを受けていたので、アルバムからは合計6曲ですね。恐るべし、恐るべし...。
最優秀プログレッシブ・R&B・アルバム賞
- シザ / SOS
- ジャネール・モネイ / The Age Of Pressure
- ディディー / The Love Album : Off The Grid
- テラス・マーティン & James Fauntleroy / Nova
- 6LACK / Since I Have A Lover
(採点)3点獲得!R&Bは2つしか賞を予想していなかったのですが、半分当てられましたね。候補について、正直商業的には微妙だったものの方が多いと感じますが、今年のR&Bアルバムはチャート的にはやや不毛だったので、特に異論はありません。ただ、この感じだとシザさんの受賞はもう確定でしょう。
最優秀R&Bアルバム賞
- ヴィクトリア・モネ / JAGUAR Ⅱ
- エミリー・キング / Special Occasion
- ココ・ジョーンズ / What I Didn't Tell You ( Deluxe )
- サマー・ウォーカー / Clear 2 : Soft Life ( EP )
- ベイビーフェイス / Girls Night Out
サマー・ウォーカーがグラミー・デビュー!アルバムは出せば大ヒットする人気者ですが、意外にもグラミー賞は初めてです。なお、私はサマー・ウォーカーさんのキャリアはメジャー・デビュー時から一応知っているものの、音楽はあまり聴いたことがありません。セカンド・アルバム『スティル・オーヴァー・イット』(2021) から "No Love with シザ" がヒットしていたので、聴いて、ちょっといいなと思ったくらいです。...が、売れてるのに賞に恵まれない人はやっぱり気にかかるので、一人でもそういう人が減ると安心したりしますね。
・ラップ部門
最優秀ラップ・パフォーマンス賞
- キラー・マイク feat. アンドレ3000、フューチャー & エリン・アレン・ケイン / SCIENTISTS & ENGINEERS
- コイ・リレイ / Players
- ドレイク & 21サヴェージ / Rich Flex
- ブラック・ソート / Love Letter
- ベイビー・キーム feat. ケンドリック・ラマー / The Hillbillies
(採点)1点獲得!これは厳しい...。知らない曲ばかりです。ラップ部門もどんどん専門的な感じになっていってしまうのでしょうか...?せめてコイ・リレイの "Players" は当てたかったですね。同曲は全米Top10入り曲ですが、今年はTop10で大ヒットしたラップ・ソングの絶対数が少なかったので、「ニッチを狙ってやろう」とか言ってかっこつけずに数うちゃあたれで攻めればよかったです。...ガンナの "FukUMean" もアイス・スパイスの "Princess Diana feat. ニッキー・ミナージュ ( Remix )" もダメでしたね。特に後者...思いの外アイス・スパイスが主役になっていないです。
最優秀メロディック・ラップ・パフォーマンス賞
- シザ / Low
- ドージャ・キャット / Attention
- ドレイク & 21サヴェージ / Spin Bout U
- バーナ・ボーイ feat. 21サヴェージ / Sittin' On Top Of The World
- リル・ダーク feat. J.コール / All My Life
(採点)1点獲得!これはさらに厳しい...!ここ、主要以外だと多分一番自信があったところだったんですが、もうボロボロでした。リアルタイムでノミネートの発表を見ながら、それは焦りましたね...。シザやバーナ・ボーイなんて考えてもいなかったので、もう無理です。逆に、常連のビヨンセやタイラー・ザ・クリエイターを予想しないことも、無理です。大ヒットしたトゥージーの "Favorite Song" なども落選する中、リル・ダークの "All My Life" だけはなんとか選考を勝ち取りました。唯一よく知っている曲として、受賞を応援したいですね。
最優秀ラップ・ソング賞
- キラー・マイク feat. アンドレ3000、フューチャー & エリン・アレン・ケイン / SCIENTISTS & ENGINEERS
- ドレイク & 21サヴェージ / Rich Flex
- ドージャ・キャット / Attention
- ニッキー・ミナージュ、アイス・スパイス & アクア / Barbie World
- リル・ウージー・ヴァート / Just Wanna Rock
モーガン・ウォーレンとレイニー・ウィルソンの初ノミネートに次いで嬉しかったのが、リル・ウージー・ヴァートの "Just Wanna Rock" ノミネートでしょうか。個人的な推し曲の一つです。ぶっ飛んでいるセンス系の楽曲で、それゆえ音楽賞的ではない気がしていたのですが、まさかのノミネートでした。客演を除けばグラミー2018で最優秀新人賞にノミネートされて以来、6年振りの出来事。上ではヒットしたラップ・ソングが全然候補入りしていないなど絶望的なコメントをしていましたが、救いがありました。
最優秀ラップ・アルバム賞
- キラー・マイク / MICHAEL
- トラヴィス・スコット / Utopia
- ドレイク & 21サヴェージ / Her Loss
- ナズ / King's Disease Ⅲ
- メトロ・ブーミン / Heroes & Villians
(採点)3点獲得!トラヴィス・スコットとドレイク & 21サヴェージとメトロ・ブーミンを当てられました。メトロ・ブーミンは今年は自身のシングルも多数ヒットしましたが、どちらかというとプロデューサーとして高評価を受けている感じですね。そしてナズは、一体何連続でしょうか?少なくとも『キングズ・ディシーズ』シリーズはすべてラップ・アルバム賞の候補に選考されていて、しかも一部受賞しています。ここも、激戦区になりそうですね。
追加...新部門に関して。
最優秀ポップ・ダンス・レコーディング賞
- カイリー・ミノーグ / Padam Padam
- カルヴィン・ハリス feat. エリー・ゴールディング / Miracle
- デヴィッド・ゲッタ with アン・マリー & コイ・リレイ / Baby Don't Hurt Me
- トロイ・シヴァン / Rush
- ビービー・レクサ & デヴィッド・ゲッタ / One In A Million
おそらく、元々は「ポップ・デュオ / グループ・パフォーマンス賞」に含まれていたものです。ポップ・ミュージックともとれるダンス・ソングは、グラミー賞のジャンル分けでは多くがポップ部門に入っていました。昨年創設された「オルタナティヴ・ミュージック・パフォーマンス賞」同様、より多くの素晴らしい楽曲を評価するため分離したかたちですね。グラミー賞はまだまだアメリカ勢が強く、特に人気部門は他国だとノミネートすら不利だという印象があるのですが、ポップ・ダンス曲は市場的にはヨーロッパの方が大きいので、この賞はかなりヨーロッパやオーストラリアに有利かもしれません。また、自分はポップ・ダンス曲が過小評価されてると毎年思ってるので、その理由でも創設には賛成です。...まあ、もう少し早くてもよかったと思いますが。
総合得点・・・39点
...39!?リアルタイムで見ながらあんなに「やばい」ってなってたのに、自己最高得点です。でも、何回数え直しても39なので、そうなんでしょう。今回はダメかな~と思ってましたが、でも、よく見たら0点のところが1つしかない。ダメかな~とか思いつつも、成長してるのかもしれません。まあ、絶対社会で役に立たない成長だけど。
グラミー賞のノミネート結果に関しては、全体的にはGoodです。チャートをめちゃくちゃ見ている身としてグチグチ言っているところはありますが、肝はおさえられてるかな、といった感じ(上から目線!)。2月の授賞式まで間があいてるので、ひとまず嬉しかったことだけは忘れないようにしておこうかな...って感じですね。結局長くなってしまいましたが、本記事も読んでくださった方ありがとうございました。
ノミネート予想テスト・歴代得点(2018~2024)
28点 → 19点 → 21点 → 24点 → 33点 → 35点 → 39点