『大奥の最高権力者 姉小路の実像』
これも、ため息が出そうな分厚い本。

幕末に大奥最高位の上臈(じょうろう)御年寄として権勢を振るった姉小路が主人公。
天保の改革を推し進める老中・水野忠邦が大奥の華美を批判し倹約令を出しますが、
猛烈に反発し、大奥の発言が幕政改革を左右します。

京の公家出身の姉小路は、12代将軍・家慶付きとなり、『奥の政事』を取り仕切ります。
『表の政事』を担うのは、老中首座で福山藩主の阿部正弘。


多彩な史料を引用して、深く緻密な時代考証で、
教科書や大河ドラマで知られている通説を覆すような作品は、
とても興味深く、読み応えのあるものでした。
著者・穂高健一さんは、広島県大崎上島町出身だそうです。
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