何年か前、ニュースで知った、音楽著作権をめぐる裁判。
音楽教室にも、著作権使用料を請求するというような話だった。
* * * * *
音楽著作権の管理団体に勤務する橘樹が、
音楽教室の違法行為をさぐるため、潜入調査を命じられる。
少年時代にチェロを習っていたものの、
ある事件に遭遇して以来、トラウマを抱え孤独に生きて来た橘。

裏切りの行為に苦悩しながらも、
再びチェロを演奏することに歓びを見出していく橘。
「どんなに疲れた人間の心にだって、音楽だけは届くんです。
特にチェロの音域は、人の声に一番近いんだって言われてる」
ラブカとは、深海魚の名前。
読み始めてから、どんどん深い海の底に引きずり込まれて行く感じ。
そして、読み終えてからは、また何度も読み返したくなる、そんな作品でした。
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