宮尾登美子を読む 「もう一つの出会い」「手とぼしの記」、「岩伍覚え書」

2024年12月18日 | 本・よもやま話
宮尾登美子さんの自伝4部作を読んで、その続きを読みたかったのですが、
作者の意欲に反して書かれていないと分かり・・・

それならばと、エッセイを借りてみました。


「もう一つの出会い」は、昭和57年発行、
「手とぼしの記」は昭和59年発行という、古い作品です。

戦後、満州から苦難の末に引き揚げて来て、
夫の故郷、高知の農家での生活を経て、
百円玉一つ握りしめての家出、離婚、そして再婚。

さまざまな人々との出会いや、折々の想いを書き綴ったエッセイ集です。


「岩伍覚え書」



著者の父親の日記を基に、岩伍の視点で描かれた作品です。

「櫂」から始まる宮尾さんの自伝4部作に感銘を受け、
つい、借りてみたのですが・・・

喜和の夫で綾子の父である岩伍。
喜和や綾子から憎まれる職業、芸妓娼妓紹介業を営む岩伍が、
独特の語りで描く大正~昭和の遊郭の世界。
自伝に描かれたのとは別の岩伍の一面が見えて、とても感慨深く読み終えました。
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