不格好オヤジの日中のぼやき

主に日本と中国の話題についてぼやきます。

上海蟹の名店で日中経済力の逆転を痛感

2019-11-19 10:14:26 | 中国
 今、上海は上海蟹のシーズン真っ只中。先日、数年ぶりに蟹の名店「王宝和」に行ってきた。ただ、驚いたことに上海蟹のブランドである陽澄湖の蟹は、私の駐在時の三倍近くに値上がりしており、もはや気軽に食べられる値段(蟹一杯で17000円ぐらい)ではなくなっていた。
 
 周りを見回すと昔は3分の1ぐらいは日本人の客だったのが案の定、日本人顧客をほとんど見かけず、蟹をバンバン注文しているのはほとんどが中国人。ここでも日中の経済力の逆転を切実に感じた。もう、この店には来ることはないかもしれないかもと思い、半ば焼けくそで昔懐かしい蟹料理を存分に味わった。


意味不明の「の」がつく店

2019-11-19 10:11:33 | 中国
 中国では、日本の雰囲気を装うために「の」を入れた意味不明の店が多いが、この店もそれ。「鰻鰻の愛」。以下のキャチフレーズもなんと表現したら良いものやら。「再多的甜言蜜语不如一碗爱的鳗鱼饭」(どんな優しい甘い言葉も一杯の愛の鰻飯にはかなわない)どんな鰻飯なんだ!(上海の中山公園駅横にあるラッフルズプラザ)


店名に恥じないおいしい潮州料理

2019-11-19 10:00:17 | 中国
 上海出張中に立ち寄った「金玉満堂」 日本人からすると吹き出してしまいそうな店名ですが、中国では「金玉満堂」は部屋中に、金や玉が満ちた、大変高級な優美なイメージがあります。
 
 値段もそれほど極端に高くはなく、本場潮州料理が食べられるとても良いお店でした。特に魚のだしがきいたと思われる粥の味は素朴ながらなんとも言えない味わいがありました。(「金玉満堂潮州酒楼」上海新天地の無限極荟購物広場)


特別展「東寺・空海と仏像曼荼羅」

2019-05-16 11:55:54 | 中国

姪が住んでいる大阪からの帰り、「せっかく立体曼荼羅を見ようと思って東寺に行ったのに、仏像のほとんど全部上野に行ってしまっていた、本当悔しい!」という姉のぼやきを聞き、しめしめ、ならばこちらは上野で労せず見てやれとばかり国立博物館「国宝東寺・空海と仏像曼荼羅」展に行ってきました。

 

 

チケット売り場から入場前も長蛇の列で、正直楽をして見たという感じではありませんでしたが、第2会場の最後に展示されている(大日如来等ほんの一部を除いて、大部分上野に持ってきているという)東寺講堂・立体曼荼羅の仏像たちは圧巻でした。

東寺は、中学、高校の修学旅行、社会人になってからも個人的にも、研修生やお客さんのアテンド等でも幾度となく訪れていますが、若い頃は仏像に興味がわかず、ほとんど素通りに近い状態でした。通訳案内士(中国語)の勉強を始めた頃から、お寺や仏像の本を目にするようになり、ようやく仏像にも興味が湧いてきました。

この特別展、他の特別展同様、展示物の撮影は原則禁止ですが、ここの「帝釈天座像」だけは撮影可能(外国人はこの部屋の仏像が撮影可能と誤解したようで結構他の仏像もパチパチとっていました)です。この仏像おっさんの私から見ても本当にすばらしくイケメンです。当時は写真も映像もグラビア雑誌もないため、作者が仏像を彫刻するにあたって、おそらくモデルとなる実像のイケメンがいたんだと推察します。(自分もイケメンに生まれていれば人生変わったのに・・・・ブツブツ・・・・まあ、関係ありませんが)

それにしても、空海の時代は交通手段はほとんど徒歩か馬か、せいぜい船だった中で、しかもたった2年の中国留学(その内多くは移動時間、中国の福州近くに漂着してから長安までで数か月を要しています)で、密教をマスター、日本に持ち込み、真言密教、密教芸術の礎を築いた空海に思いを馳せると、気が遠くなりそうな作業と苦労の数々が目に浮かびます。その後の土木、灌漑、治水、農業、医療、教育、美術、ひょっとすると音楽?等での功績を目にしても改めて、ものすごい吸収力、構想力の持ち主であり、世界的にも本当の意味で天才と言える人だったのだと思います。

それに引き換え、20年も中国にいたくせいに自分は何を残したんだ?(ここで空海と比較しても仕方ないか・・・・)

なお、空海を軽く見るわけではありませんが、空海は中国においては流暢な中国語を話したのではなく、主に筆談によりコミュニケーションを取っていたと思われます。中国語を多少でも勉強したことのある自分の目から見て、この短い期間で地域によって方言やアクセントの大きく異なる中国語を不自由なく、聞き取り、話すことは不可能です。

司馬遼太郎「空海の風景」を始めとする小説や逸話集の中における空海の描写を見る限り、中国に到着したばかりの空海が中国語会話に何一つ苦労せず中国での生活に溶け込み、密教の師である恵果和尚と何不自由なくコミュニケーションを取ってるように感じられますが、それはさすがに無理だと思います。ただ、彼の漢文力からしたら筆談でのコミュニケーションにはほぼ不自由は感じなかったでしょう。

いつか空海が中国でたどった足跡を巡礼してみたいと思います。

 

 


中国春節を祝って東京タワーも真っ赤にライトアップ

2019-02-04 15:52:47 | 中国
 今日は中華圏では大晦日(除夕)、明日が元旦(大年初一)である。東京タワーでは中国の旧暦新年を祝って今日は夜通しで赤色のライトアップが行われている。そもそも東京タワーの鉄骨は赤なので、光を当てるだけでも赤に見える気もするが、いつもより真っ赤に見えるライトアップである。









 なぜ赤(レッド)なのかと言えば、中国では赤が最も縁起が良い色とされているからだ。中国では正月、結婚、開業行事等でふんだんに赤の装飾が使用されるほか、年男、年女は下着も赤を身に着けたりする習慣がある。

 今でこそ太陽暦の正月を祝うのが当たり前の日本であるが、かつては中国文化の色濃い影響を受けていたため明治(地方によっては戦後間もない)頃までは、日本でも普通に旧正月(春節)を祝っていたようだ。

 さて、春節は旧暦(月の満ち欠けを基に計算)なので毎年太陽暦と比べるとその時期が激しく変化する。例えば、昨年は元旦が2018年「2月16日」だったの対して、今年は「2月5日」、東京オリンピックが開催される2020年の元旦は「1月25日」である。これだけ見ても最大で3週間程度のブレが生じる。もし、現代において旧暦の正月を導入したなら、この時期に節分等の行事や建国記念日などの祝日を配している日本ではパニックになるであろう。下手するとバレンタインデーも正月にぶつかってしまう。おせちにチョコでは激太り間違いなしで、シャレにならない。

 私は中国駐在中は毎年、日本と中国で二度正月を味わう感じだったが、上には上がいるもので多民族国家であるシンガポールやマレーシアでは、1年に四度の正月(新暦、旧暦、ヒンズー歴、イスラム歴)が来るという。何ともにぎやかな国である。

 すでに中華圏を中心に大量の訪日客が押し寄せているが、中国大陸については当面増え続けることだけは間違いない。昨年の訪日外国人総数は3,119万人と初めて3,000万人の大台を超えたが、その内、中国大陸、台湾、香港の3つの国、地域だけで1,415万人(中国大陸838万人、台湾475万人、香港221万人)と45%を占める。ただし、人口比で見るなら台湾の総人口は2,358万人中475万人と20%以上、香港も740万人中221万人と総人口の30%近くが来ている計算になるが、13.86億人の総人口を擁する中国はわずか0.6%しか来ていない。ビザの要件等が厳しいとは言え、すでに中産階級で4億人を超えたと言われる中国にあってこの数字は低すぎると思われる。しかも、中国の中での旅行先として、日本はタイに次いですでに二番人気である。日本の中では中国人旅行客のマナー違反等いろいろな問題も指摘されるが、訪日中国人観光客の日本への印象は極めて良好であり、若者を中心にリピーターも増え続けており、早晩日本が一番人気になることは間違いないとみている。




 ということで、クリスマス商戦同様、爆買い目当ての春節商戦がますます日本の中に根付いていく。そのことも間違いないのである。