QOOTESの脳ミソ

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歯医者の定期健診とアルハンブラ宮殿の関係 (1)。

2024-08-02 18:44:31 | 日記
今朝起きて、何かを忘れているような気がしたまま思い出せず、コーヒーを淹れて飲んでいたらふと思い出した。

歯医者の定期健診だ。年に3回、4か月おきの3月、7月、11月の末に行くようにしているのに、今回はなんとなく後まわしにしていた。

急遽歯医者に電話をして直近だといつ頃空きがありますか?と聞いたら少し調べてくれた後「今日、今から1時間半後なら空いてますがどうですか?」とのことだったので、それでお願いした。在宅勤務は便利だ。

予約の時間に合わせて歯を念入りに磨きデンタルフロスで細部の仕上げをして向かうと「普段からよく磨けていますね。この調子で続けてください。」とのお褒めをいただき、少しついた歯石を取ってもらって定期検診&クリーニング終了。

歯科クリニックでは多いことらしいのだが、歯科衛生士さんがなかなか定着しない。今回は4人ほどのうち半数だったが、行ってみると前回とは歯科衛生士さんが全員入れ替わっているということもたまにある。

どの方もきちんとやってくださるので問題はないのだが、ちょっと面倒だなと思うのが毎回同じことを初めてのように言われるのが少々苦痛なことだ。向こうにとっては初めての患者なので職業倫理上きちんと注意事項を伝えてくれているのはわかるのだが、こっちは人は変わっても皆さん同じ歯科衛生士さんなので(毎回初回のように同じこと言ってくるなあ)と思いながら辛抱強く聞かねばならない。

それはまだいい方で、歯科衛生士さんそれぞれのポリシーや最初に勉強されたクリニックで教わったことがベースになっているため、担当が変わると違う指示を出されるのが非常に困る。Aさんは検査の後「じゃ、この状態を維持するために半年に一回来てくださいね」と言われる。で次回行くとAさんはもういなくてBさんが「じゃ、これまで通り4か月に一回の割合でチェックに来てくださいね」と言う。

どっちなん?

こういうのはクリニックを取り仕切る歯科医が中心になって、ポリシーを決めるべきだと思う。

とはいいつつも、その歯科医のことはかなり信頼していたりする。なぜ信頼しているかと言うと、それは2020年1月2日にさかのぼる。

その前日(つまり元旦)僕はスペインのグラナダに入った。2日の朝はアルハンブラ宮殿に向かって、お願いしていた現地ガイドツアーに入り口で合流して城内を歩いていた。一度訪問したいと夢にまで思っていた場所だった。

スペインの城とはいえ、元々イベリア半島に侵入していたイスラム教徒の王朝(ナスル朝)の宮殿なので、広大な敷地内のどの建物にもイスラムの意匠が見て取れる。そこをかなり興奮しながら歩いていたら、宮殿の敷地内に入ってものの15分ほどした頃だろうか、縁石につまづいた。スマホを持っていたために受け身を取ることもできずにそのまま顔から地面にたたきつけられた。

そこにはちょうど金属の突起のようなものがあり、それが前歯を直撃。一本は半分くらいのところから折れて一点でかろうじてつながりプラプラしていたが、もう一本はきれいさっぱり根元からスポっと抜けた。

流血をタオルで止血しながら抜けた方の歯を探したが、どれだけ探しても結局見つからず、僕の前歯一本はアルハンブラ宮殿の土となった(笑)。

折角アルハンブラ宮殿に行ったし、入場料・ガイド料ももったいないので(←名古屋人(笑))、タオルで口を押さえながらその後アルハンブラ宮殿内の観光はきっちりして宿に帰ったのだった。

それにしてもアルハンブラ宮殿は非常に美しかった。メインの建物にたどり着くころにはもう出血は大体止まっていて、体調的にはそれ以上の大事にはならなかった。

12月26日に日本を出てきてその日は1月2日。スペインでの休暇は1月9日までの予定だったので、3日後にバルセロナに戻ったら歯科医で応急処理をしてもらおうと思い日本の保険会社に電話をして紹介をしてもらった。

しかしそれはあくまで応急処置なので、日本に帰ったら(前歯を二本無くして流血していても、旅行を中止しようなどとは全く思っていなかった(笑))近所のクリニックで診てもらおうと思い、ネットの予約サイトで信用できそうな近所の歯科クリニックを探して通信欄に現状と帰国日、そして「それよりも早く診てもらえそうならお願いしたい」というメッセージを添えて、適当な日時で予約を取っておいて、

恒例の、夜の飲み歩きに出かけた(笑)。

スペインと言えばサン・セバスチャンが美食の都と言われて久しく舌に自信のある若い方々がこぞって出かけられるが、グラナダも負けず劣らず&知られざる飲兵衛天国なのである(笑)。

グラナダの飲み屋の特徴は酒を注文すると軽い小皿のおつまみを無料で出してくれるというところにある(お通し料金は取られない(笑))。中には一杯につき一皿出してくれるお店もあるらしい。それでどうやって料理を売るのかがミステリィだ(笑)。

その夜の合言葉は「Vino Tinto, por favor!」。

ひたすら赤ワインを飲み続けた。が、朝に前歯を二本無くして大出血したくらいなので、酔うごとにその部分がズキンズキンしてきた。

が、店を替え店を替え、深夜人通りが無くなるまで一人で飲み続けた。

単にワインもタパスも何もかもが美味しくて楽しかったのだ。

酒の精が僕の血管の中でダンスしているようだった。

(つづく)


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