Loomings

映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

野田昌宏さん死去

2008-06-07 11:39:50 | 雑記

SF作家・翻訳家にしてTVプロデューサーでもあった野田昌宏さんが6日亡くなりました。享年74歳。
ニュースは毎日新聞web版より。
訃報:野田昌宏さん74歳 「スターウォーズ」を翻訳、「ポンキッキ」な人気番組制作も

主な経歴やお仕事、作品については Wikipedia をご覧下さい。

自分は、作家としての氏は殆ど存じ上げないのですが、翻訳や海外SF紹介記事や評論、エッセイ等は楽しく読ませて頂いておりました。日本SF界やファンダムにとって先駆者の一人であり、そういう意味でお世話になった人たちは多数いることと思います。
日本に最初に『スター・ウォーズ』シリーズを紹介した一人であり、今で言うところの旧三部作(エピソード4~6)のノベライズ翻訳も手がけていらっしゃいましたね。
『キャプテンフューチャー』シリーズや、最近では『シーフォート』シリーズも有名でした。
NHK教育TVで放送され、その後一冊の本になって星雲賞を受賞した『宇宙を空想してきた人々』が、もう十年前の出版であることに驚きます。
日本テレワークの仕事としては『ポンキッキ』が有名ですが、『料理の鉄人』や『クイズ・ミリオネア』もあちらの制作だったことは初めて知りました。

氏自身の小説として読んだことのある殆ど唯一の作品が『キャベツ畑でつかまえて』(または『あけましておめでとう計画』)です。
これは、サブタイトルにもある通りテレワークでのリアルな日常(実録)を描くうち、なぜかそれがSF世界に飛躍してしまい大騒動に──という話を集めた短編集で、騒動のきっかけは、あのガチャピンの体(着ぐるみ)を性格の悪い宇宙人が乗っ取ってしまうことなんですね(笑)。
ガチャピンの「中」に誰がはいっているかなんて、誰にも判らない、特に子供たちは気にもしないということを逆手に取った傑作です。現実の(?)ガチャピンも、それを活かして、ダイビングをしたりスキーで滑降したり華麗なるバイクテクを披露したり、いろんなことをしてましたからね。
SFとしても、ちゃんとハードSF的アイデアやガジェットが盛り込まれていて面白かったです。

個人的なことですが、上の作品を読んだのは夫の奨めによるもので、その本自体夫のものでした。いま家のどこにあるんだろう……
夫の死と前後して、彼が愛読していた作家や好きだった映画監督、俳優さんたちが相次いで世を去って行きました。アーサー・C・クラーク氏から、ちょっと前の今日泊亜蘭氏、そして野田さん。市川昆監督、ロイ・シャイダー、チャールトン・ヘストン……
夫が一人でないことがせめてもの慰め、と言っていいのかどうか判りませんが、本当にみんないなくなってしまうんだなあ……と、しみじみ思いました。

ご葬儀が東京カテドラルで行われるということは、野田さんご自身はカトリックだったのでしょうが、それこそガチャピンの手で宇宙葬も……などということも考えてしまいました。
どうぞ安らかにお眠り下さい。宇宙大元帥閣下に黙祷。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« デイジーデイジー・242 新作... | トップ | 『ファウンテン 永遠につづく... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
SFの翻訳 (rukkia)
2008-06-07 21:03:44
私も彼の著作はあまり知らず、R.A.ハインラインの翻訳で大変お世話になりました。
逝ってしまわれたんですね…。
合掌。
返信する
合掌 (Qまたはレイチェル)
2008-06-08 00:24:57
ハインラインの翻訳というと矢野徹さんの印象が強いですが、野田さん訳もあったんですね。
矢野さんのご葬儀では弔辞を読まれたそうですが、あちらで再会できているといいですね。
ご冥福をお祈りします。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

雑記」カテゴリの最新記事