![]() | 〈プラチナファンタジイ〉 奇術師早川書房このアイテムの詳細を見る |
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/fine_sim.gif)
ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベイル主演、クリストファー・ノーラン監督で映画化が伝えられている "The Prestige" の翻訳。
以下、ストーリイネタバレ有り。
あらすじ:ジャーナリストのアンドルーは、幼い頃から「生き別れた双子の兄弟」の存在を感じていた。出生時のことを調べても、そんな事実はないにも関わらず。
或る日、奇妙な手記とメッセージを受け取ったアンドルーは、北イングランドのとある屋敷に赴き、彼を呼び寄せたレディ・キャサリン(ケイト)から思いがけない話を聞かされる。
アンドルーの曾祖父にあたるアルフレッド・ボーデンと、ケイトの曾祖父ルパート・エンジャは、ともに「瞬間移動」を得意演目としていた二十世紀初頭の高名な奇術師であり、生涯ライバル関係にあったという。そして、そのことは子孫である自分たちにも影を落とし、アンドルーの「双子」の謎を解く鍵もそこにあるというのだが……
昨年末の各ベストミステリランキングに挙げられた一冊ですが、いわゆる「本格」ミステリを期待して読むと、後半の展開には口アングリの状態になること請け合いです。ちょっと伏せ→何しろ「本格」ものでも「奇術」それ自体においても禁じ手だろうというネタが二連発で出て来るのですから。
1996年度の世界幻想文学大賞を受賞したと聞かされても、カバー見返しの「SFと幻想小説の境界線上にある作品」という解説を見ても、終盤の展開には呆然としますし、読後も何やら狐につままれたような感じです。
そこに到るずっと前、初めの方のボーデンの手記を読んでいる時から、読者はこれがどこにどう着地するのか全く予想できず、そもそも何を読まされているのかさえわからないような、居心地の悪い思いをすることでしょう。
文章自体は難解ではなく、むしろ平明で読み易く、また種明かしの部分だけ取り出せば、むしろ大通俗と言っていいようなネタなのに、どこで根太が抜けているかわからない床の上を歩かされるような感覚は、最後まで変わることはありません。
まるで、この作品自体が奇術師の眩惑のようで、読む人によっては、読後怒って床に投げつけてしまうかも知れない、そういう話です。
ややネタバレくさい感想ですが、ボーデンの秘密の件りでは、同じ早川から十年くらい前に出て話題となった、或る三部作を思い出したりしました。
にしても、映画化するとなると、ベイルくんとヒューとどちらがどちらの役なのか、読み終えても全く見当がつきません。どっちがどっちでもやれるとは思いますが。
それと、マイケル・ケインが演ずると言われている役ってどれなんでしょう?そのへんかなり脚色がはいるのかも知れません。
それよりも、これは本書解説でも触れられているので、伏せつつも名前を出してしまいますが、かのエジソンのライバルでもあった、世紀のトンデモ科学者ニコラ・テスラ!この役はいったい誰が…?ヒューやベイルくん以上に気になります。
こんにちは。"The Prestige" 読んだものの、あれを映像化するのは、いろいろな意味で難しいだろうなあと思いました。
途中でネタバレしないように、また安っぽくならないようにとなると…
原作が先か映画が先か、というのも難しい問題ですが(原作とかけ離れても映画としては傑作というものもありますし)、この話の場合、むしろ映画が先の方がいいかも、という気がします。
映画化するとなると、「どう話を終わらせるのか」が気になりますね。なんたって「メメント」(見てないけど)の監督さんだし…。
私もこれは原作より映画が先のがいいんじゃないかという気がしますね。
あのトンデモ科学者、誰がやるのか気になりますな。無しなんてことにはならないでしょうね…。
それから寝返り女も(^^;;;
それよりケイン氏の役は、原作よりふくらませた感じになるんでしょうか。
まさか、あの科学者の役割も兼ねるなんてことには…