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映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

映画の『ジーキル博士とハイド氏』

2018-03-16 23:22:44 | 映画・DVDレビュー
R.L.スティーヴンソン作『ジーキル博士とハイド氏』。昨日のエントリーで言及したように舞台化作品は原作出版の翌年からミュージカル『ジキル&ハイド』にまで至り、また映画・ドラマ化作品も無声映画時代から何作も作られていますが、自分が観たことがあるのは『メアリー・ライリー』を原作とした『ジキル&ハイド』を含め3作品だけです。

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舞台出身の名優ジョン・バリモア主演、1920年製作の無声映画。邦題『狂へる悪魔』。
この作品でジキル博士はダンヴァース・カルー卿に放埓な生活をそそのかされて善悪分離薬を作り出すのです。卿の令嬢がジキル博士の婚約者という設定は、昨日紹介したリチャード・マンスフィールド主演舞台版を踏襲したようですが、ハイドが執着する酒場女(この映画ではダンスホール勤め)が初めて登場したのがこの映画版と言われています。
舞台版のマンスフィールド同様、この映画のバリモアもメーキャップを使わずハイドに変身した──と言われていますが、いま見るとメイクはしていると思います。但し、最初の変身シーンだけは、メイクを変えないまま演じているようです。



↑ 「偉大なる横顔」と称された美男俳優演じるこの紳士が ↓ こうなります。



無声映画ながら(だから?)終始流れるパイプオルガンのBGMが少し鬱陶しい感も……
個人的にはミュージカル『ジキル&ハイド』のアンソニー・ワーロウ歌唱による「対決」を聴くと、このバリモアの変身を思い出します。

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ルーベン・マムーリアン監督、フレドリック・マーチ主演、1931年の映画。時は既にトーキー時代。
この映画でも、ジキル博士の婚約者がダンヴァース・カルー卿令嬢という設定は踏襲されています。もう一人の女性キャラクターである娼婦アイヴィーに対するハイドの仕打ちは、ミュージカル版にまで影響を与えているのかもしれません。描写も当時としてはかなり生々しい感じです。

この映画の変身っぷりはバリモアとは別の意味で凄まじく、 ↓ この美男子が……



変身後は ↓ こうなります。



原作では「貧相な小男」だったはずのハイドがもはや獣人!しかし、これが後の映画やコミックス等に於ける「ハイド」イメージの原型となったくらいですから、インパクトは強烈でした。
この作品でフレドリック・マーチはアカデミー主演男優賞を受賞しています。美男俳優がこれだけ物凄いメイクで役に挑んだことが評価されたのかもしれませんが、それは確かな演技力に裏打ちされてのことです。変身シーンの撮影が評価され、撮影賞にもノミネートされました。ただ、現在の目で観て作品として面白いかと言うと疑問ですが。

1941年作、スペンサー・トレイシー主演映画は未見です。

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