上の写真はBelfastにあるCity Hospital(左)とNI Cancer Centre(右)です。英国北アイルランドの医療機関としては最高峰でしょう。NICCは、うちの研究センターとはとても密接に共同研究を展開しており、馴染み深いです。
とはいえ、私は残念ながら英国医師免許は持っていませんので、医療には携わることは出来ません。日本で医学部教育を受けた身としては、やはり、なんとももどかしいような気がします。
私はphysician-scientistになりたいと医学生だった頃から思っていました。Physician-scientistとは、文字通り、医師でありながら研究者でもある人のことです。しかし、臨床も研究も共に一線級でやるのはとても難しいですし、通常はどちらか一方に絞ることになります。大谷翔平のようなtwo-wayプレイヤーが希少であるように、physician-scientistは世界的にも非常に稀なのですね。
それでも、私はphysician-scientistになりたいと思っていました。
しかし、臨床を離れて渡英してから2年近くが経ち、改めてその難しさを感じています。
私は日本に帰国した折に出来るだけ当直や外来の業務をしたりしながら、臨床医としての基本スキルを失わないよう努めてきました。それでも、徐々に薬の名前は忘れていき、幾つかの処置が出来なくなっているのを自覚しています。わずかな年月であるはずなのに、研究者としての力量を養うために留学に挑んできた間、臨床医としての実力はたしかに衰えてしまったようです。
もちろん、弛まぬ努力をすれば、どちらもそれなりのレベルに達することは出来ます。おそらく、2流の研究者と2流の医師を両立することは私にも出来ると思います。実際、日本の医学部の教授の多くは、教育、臨床、研究の3種の役割を求められて、どれも2流程度の力を保っています。それはそれで一つのやり方であり、そういう人材が必要なのは確かです。そして逆に、どこかに特化した場合、たとえば臨床に特化した場合は教育や研究が疎かになってしまうものであり、それはそれで教室運営が危うくなることがあります。
つまり、とにかく一流のphysician-scientistへの道は厳しいということです。
今週は、研究者としても、医師としても、なかなか上達しない自分に嫌気がさす体験がありました。悔しいですし、悲しいですし、色々な思いが入り交じった複雑な心情です。非才を嘆くだけでは駄目であり、なんとか工夫しなければなりません。
とはいえ、やはり、自分には才能は無かったか…
金曜日の夜、静かに、そのことを思い出しながら。
バーで独り苦いビールを飲んだのでした。
とはいえ、私は残念ながら英国医師免許は持っていませんので、医療には携わることは出来ません。日本で医学部教育を受けた身としては、やはり、なんとももどかしいような気がします。
私はphysician-scientistになりたいと医学生だった頃から思っていました。Physician-scientistとは、文字通り、医師でありながら研究者でもある人のことです。しかし、臨床も研究も共に一線級でやるのはとても難しいですし、通常はどちらか一方に絞ることになります。大谷翔平のようなtwo-wayプレイヤーが希少であるように、physician-scientistは世界的にも非常に稀なのですね。
それでも、私はphysician-scientistになりたいと思っていました。
しかし、臨床を離れて渡英してから2年近くが経ち、改めてその難しさを感じています。
私は日本に帰国した折に出来るだけ当直や外来の業務をしたりしながら、臨床医としての基本スキルを失わないよう努めてきました。それでも、徐々に薬の名前は忘れていき、幾つかの処置が出来なくなっているのを自覚しています。わずかな年月であるはずなのに、研究者としての力量を養うために留学に挑んできた間、臨床医としての実力はたしかに衰えてしまったようです。
もちろん、弛まぬ努力をすれば、どちらもそれなりのレベルに達することは出来ます。おそらく、2流の研究者と2流の医師を両立することは私にも出来ると思います。実際、日本の医学部の教授の多くは、教育、臨床、研究の3種の役割を求められて、どれも2流程度の力を保っています。それはそれで一つのやり方であり、そういう人材が必要なのは確かです。そして逆に、どこかに特化した場合、たとえば臨床に特化した場合は教育や研究が疎かになってしまうものであり、それはそれで教室運営が危うくなることがあります。
つまり、とにかく一流のphysician-scientistへの道は厳しいということです。
今週は、研究者としても、医師としても、なかなか上達しない自分に嫌気がさす体験がありました。悔しいですし、悲しいですし、色々な思いが入り交じった複雑な心情です。非才を嘆くだけでは駄目であり、なんとか工夫しなければなりません。
とはいえ、やはり、自分には才能は無かったか…
金曜日の夜、静かに、そのことを思い出しながら。
バーで独り苦いビールを飲んだのでした。