【カツオに含まれるセシウム】 2013 (H25) 4.3~ 22採取
検出限界~セシウム合算 3.3Bq/kg まで
魚種等 | 都道府県名等 | 採取地 | 東日本太平洋海域に おける生産水域名 |
公表日 | (単位:ベクレル/kg) | 分析機関名 | 生息層 | |||
カツオ | 全国近海かつお・まぐろ漁業協会 | 太平洋沖(N33°30、E139°00) | - | H25.4.3 | 検出限界未満 | <0.559 | <0.486 | (公財)海洋生物環境研究所 | 表層 | |
カツオ | 全国近海かつお・まぐろ漁業協会 | 太平洋沖(N33°40、E140°00) | - | H25.4.8 | 検出限界未満 | <0.458 | <0.556 | いであ(株) | 表層 | |
カツオ | 全国近海かつお・まぐろ漁業協会 | 太平洋沖(N34°30、E140°10) | - | H25.4.10 | 検出限界未満 | <0.410 | <0.430 | (一財)日本冷凍食品検査協会 | 表層 | |
カツオ | 全国近海かつお・まぐろ漁業協会 | 太平洋沖(N33°30、E139°30) | - | H25.4.15 | 0.45 | <0.359 | 0.451 | (一財)日本食品分析センター | 表層 | |
カツオ | 全国近海かつお・まぐろ漁業協会 | 太平洋沖(N33°30、E140°30) | - | H25.4.17 | 3.3 | 1.05 | 2.22 | (一財)日本冷凍食品検査協会 | 表層 | |
カツオ | 全国近海かつお・まぐろ漁業協会 | 太平洋沖(N33°30、E140°00) | - | H25.4.22 | 0.56 | <0.434 | 0.555 | (公財)日本分析センター | 表層 |
*カツオのみ抜粋。
水産庁「水産物の放射性物質調査の結果について~4月18日更新~
ー以下、FBより全文転載ー カラー:筆者
【カツオ 放射能汚染】
最後尾に付記したサイトをご覧になるとわかりますが,このカツオは水産経済新聞記事によれば,
... ・太平洋沖(N33°30、E140°30)=千葉県沖南約180km
・4月13日採取,4月17日公表
・検査主体は,全国近海カツオマグロ漁業協会(近かつ協)
・分析機関は「(財)日本冷凍食品検査協会」
・検査結果の放射性セシウム合計は3.3ベクレル(セシウム134が1.05,セシウム137が2.22)
となっています。ゆゆしき事態と言えるでしょう。
サンプルの抽出の仕方や,検査の仕方,あるいは検査に係る利益相反行為の排除などに問題がなかったのかどうか,気になるところですが,ともあれ近海物の春カツオにこうした放射性セシウム汚染が確認されたことはゆゆしき事態です。
これまでも日本近海で獲れるカツオについては,1ベクレル未満の放射性セシウムが検出されることがありました。しかし,今回のように数ベクレル単位で汚染が確認されたのは,おそらく事実上,3.11福島第1原発事故以降では初めてではないかと思います。千葉県沖で,かつ180kmもの沖合で獲れたものであることに注目する必要があります。そして,その原因は,おそらく食物連鎖ではないかと推測されます。
確かにベクレル数の絶対値は,まだ小さいものですが,しかし,これは
(1) 氷山の一角の可能性があり,中には汚染度合いがもっとひどいカツオがいる可能性がある,
(2) 当事者能力が欠如した東京電力と政府及び原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の,ずさんでいい加減な事故後処理・管理のおかげで,放射性物質の海への流出は依然として止まらず,東日本一帯の海洋汚染を日に日にひどく深刻なものにしている中,今後も,こうした広域回遊魚と言えども,食物連鎖を通じて,その汚染が拡大・拡散していく可能性があること,
(3) 危険な放射性核種のうち,放射性セシウムだけが検査されているにとどまり,放射性ストロンチウムをはじめ,その他の放射性核種については,規制値もなければ検査もなされていない危険極まりない状態であること,
(4) 食品検査をめぐる「公正」性が依然として担保されず「利益相反」が広範囲に見られること(データ改ざんや隠ぺいの可能性あり)などの理由から,看過するわけにはまいりません。
我々は,あきらめることなく,政府に対して食品の残留放射能検査=とりわけ水産物に対する検査の充実を訴えていく必要があります,更に,水産物については,北は北海道太平洋側から南は神奈川県沖合くらいまでの漁業・水産業をいったん停止し,関係者に対して万全の賠償・補償を行ったうえで,水産物の徹底した残留放射能検査,及び海洋生態系と海洋汚染(海底汚染を含む)の徹底的な調査を行う必要があります。また,少なくとも,福島県とその隣接県の茨城県及び宮城県牡鹿半島より南では,当分の間,漁業は中止されるべきです。そして,こうした検査・調査については,政府や自治体が協力の上,しっかりとした体制をとり(利益相反排除を含む),中長期的に続けていく必要があります。貧弱な調査・検査に立脚して,安全・安心を説教することが政府や自治体の仕事ではないのです。
カツオは,南方から回遊してくる春カツオと,肥え太って油ののった状態で北方から南方へ産卵に帰る秋ガツオの2つがありますが,今年はこの調子ですと,秋カツオが非常に心配です。
(また,カツオについては,南方太平洋やインド洋において,中国・台湾や東南アジア・南アジアその他諸国による資源状態を無視したカツオの乱獲が続いており(主として巻き網漁業),このままいくと近未来において,カツオが「幻の魚」となる危険性が指摘されています。事実,数年前より,日本の伝統漁業でもあるカツオ一本釣りの漁獲状況のよろしくない事態が続いており,日本の漁業関係者の懸念を増大させています。
更に,近年におけるカツオ・マグロ類の乱獲は年々ひどくなり,国際的な漁業管理機関が十分に機能しないまま,乱暴な漁獲が続けられています。カツオと同じ運命にあるのが,キハダマグロ,メバチマグロ,ビンナガマグロであり,既に乱獲されて絶滅危惧種に浮上しているのがクロマグロとミナミマグロです。人間の愚かな行為が,大切な食料資源を枯渇させる危機が続いています)
それから,水産庁の「各都道府県等における水産物放射性物質調査結果」を見ますと,これまであまり汚染が検出されなかったスケトウダラからも数ベクレル程度の放射能検出が散見されるようになってきました。スケトウダラは北方系の魚で,放射能汚染がひどいマダラなどとは少し生態が違います。一方で,辛子明太子などの原料のタラコが獲れ,他方では,その身をすりつぶして「すり身」=カマボコ等の原料にするのがこのスケトウダラです。これに放射性セシウムがでているのもまた,深刻な事態と言っていいでしょう。
タラコのお茶づけ・おにぎり,それにカマボコ・ちくわなどの練りものは,もう多食してはいけない食品になってしまっているようです。こうした検査結果を見るたびに,私は原子力を推進してきた東京電力・政府自民党・原子力ムラに対する怒りがこみ上げてきます。そして,この期に及んでも,飲食品の放射能汚染があたかも心配がいらないかのごとく嘘八百を垂れ流すマスごみ,及び御用学者・へっぴり腰学者に対しても同様です。
*水産庁「各都道府県等における水産物放射性物質調査結果(平成25年度)」(4月18日まで)
http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/pdf/130418_result_jp.pdf
*水産庁「水産物の放射性物質調査の結果について~4月18日更新~」
http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/kekka.html
*東京新聞特報(TOKYO Web):数少ない批判的報道「こちら特報部」
2013.4.21 政府新指針 放射能検査縮小へ 「食の安心」なぜ奪う特報(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013042102000150.html
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