どうもこんにちは、令和無色です。
今日も溜まった古本を読んでいくのですが、
今回読んだ本はこちら
『コンビニ人間』です。
この本といえば数年前の芥川賞を受賞した作品です。
もしかしたら読まれた方も多いのではないだろうか。
コンビニの音に着目した始まりが、あまり類を見ない感じで面白いですね。
主人公はコンビニで働いているのですが、この主人公なかなか癖が強い人物。
そのエピソードは幼少期の話から小学校の話まで、
あまり感情的になることはなく、合理性に基づいた生き方であったため、
それが周囲と少し違うことを自覚すると、物静かな性格に変わってしまう。
大学生になったある日、コンビニのアルバイトとして働くことになる。
そこから彼女はコンビニ人間として生まれ変わるのですが、
新しく雇用された白羽という男性の登場で彼女の人生が
大きく変わっていくことになります。
コンビニで働く人たちの人間関係が細かく描写されてて、
コンビニで働く経験をしていない自分にとっては
コンビニってやっぱり大変なんだなと思いました
🤔「作者の人の体験談なのかな?」
作中ではクセのある登場人物もいるものの、
圧倒的にこの主人公のインパクトが強い。
水のような人物だと思います。
例えばコンビニで普通を取り繕うために
働く同僚の人のファッションや喋り方に似せたり、
どこか自分の本心がない、掴みどころのない性格というか心情を
しているところに変わり者のエッセンスを感じる。
(´∀`)「そして白羽くん、君も凄い。」
やはりこの本を語る上で欠かせないのが、彼白羽くんですね。
年齢に関する情報は特になかったが、
コンビニのアルバイトに志望した理由が婚活という
一見?マークが頭をよぎるが、彼曰く現代社会は縄文時代の皮かぶりらしい。
ムラの理論を頻繁に持ち出します。適応できなければ邪険に扱われる、
縄文時代で言えば狩りができないオスや子供を産めないメスは
ムラから弾かれるという、今発そうものなら間違いなく
糾弾に遭うような主張をしてくる。
そしてコンビニの店員を見下している様子や
商品のフェイスアップも侭ならないのに
商品の発注はさせろ!という
「自分は頭を使うことに長けてる」と言わんばかりの
全能感を捨てきれない子供のような一面がある。
どうやら儲かるネット起業のアイデアがあるらしいが、
特に行動する素振りは全くなかった。
^ ^「まぁ、わからんでもない」
特に後半の起業の話とか、共感できるわ。
アイデアもあるし、全能感に浸る感じとか
アルバイト始めたてに自分もありました。
そして他人に干渉されるのを嫌う節もわかる。
総評として彼は、どうしようもないクズではあるが、
言い当て妙なこの世の真理をついた発言も見受けらる。
賢いけどその根底にはヘドロのような掬い上げても
いつまでもドブのような匂いが残る人間性を持つ人物であると結論。
そんな白羽くんと主人公は同棲することになるのですが、
期待していた変化は起きていたものの、
最終的には自分にはコンビニしかないことを自覚した主人公。
18年間働いてたら、オーナーになれそうなものだけどね。
働いていたコンビニを辞めてからの堕ちっぷりも見事に表現されてて、
身だしなみのところの表現も、コンビニの音が聞こえなくなるシーンも
好きだったりします。
新しく働く場所に面接に行く前に立ち寄ったコンビニで商品を直したり、
店員さんにアドバイスする場面は、どこか最初の方に登場した、
コンビニで他の人を注意する潔癖症のような綺麗好きな男性を
彷彿とさせる印象を持ちました。
あの男性の場面はどうして入れたのだろうか。
作者さんの意図が気になりますね(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
というわけで今回はこの辺で失礼。