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私は母と離れて暮らすようになって25年くらいになります。
母と生きた年数より離れて生きている年数の方が断然多いのです。
離れて暮らしてはいても、結構電話は頻繁にしています。
話す内容は、「今日は何食べたの?」から始まり一日の出来事を聞きくらいなのですが、
母の一日の出来事と母が描くストーリーを聞きながら、一緒にいないけど
母の心と体の健康状態に意識を向けています。
5年前から栄養療法も続けているせいか?77歳の今の方が70歳くらいの時より元気で
以前は全く通じなかった前向きな話も元気さに伴い通じるようになり、行動をすぐ変化させているようにも思えます。
昨朝、いつものように母に電話をしました。
母は長年、日舞をやっており生徒さんにも教えています。
最近の練習で、腰を落とせなくて、母の先生に度々注意され、自信喪失気味になっているようでした。
母の先生は81歳で自分より歳上なのにとても上手で、今回の夏祭りの舞台で母は一生懸命踊ったけど、先生ほどは踊れない。練習も週に2回は夜も遅くまで練習があるし、何かとお金はかかるし・・・・
母のストーリーは、どんどんネガティブモードでした。
歳と共に思うように体も動かないけど、やはり舞台で踊ったりするには稽古が必要で、うまく踊れないのは歳のせいでは済ませず、他の若い人と同じようにやはり怒られるようです。
歳を重ねるとなおさらなのか?母は人に怒られることがとても辛いようです。
母「お母さんは生徒の中で一番年上だから、若い人と同じように体が動かないのよ。先生は81歳だけどもの凄く上手で、5歳からずっと舞踊をやってきているからできるんだろうけど、お母さんは先生みたいにはできないのよね」
私「お母さんはお母さんなんだから、人と比べないで、自分が好きな踊りを楽しむことが大切なのではないの~
今日も踊りができて、舞台に立ててよかったな~と、毎回自分の体に感謝できたらいいなぁと私は思うよ~。
習い事をしているという事は、先生に習うのだから、できないことを怒られる事が仕事だし、
せっかく好きなことをやっているのに、踊りを楽しむことに目を向けないともったないよ~。」
母「そうだね。元気に踊りができていることがありがたいよね~楽しまないとね・・・・
(泣き声)・・・自分の娘がいつもこうやってお母さんを励ましてくれることが、本当に嬉しいがよ。(鹿児島弁)ありがとうね。(泣き声)・・・」
いつの間にか、立場が逆になり、母の元気や健康を大事に思う私になっています。
母が楽しく元気に過ごしてくれるそれだけが、私も幸せで、感謝の気持ちでいっぱいになります。
急に母が泣き始めてビックリしましたが、自分の娘と話している中で、娘からもらっているものを素直に感じ取れ、それを心から喜べる母にとても感激しました。
周りの人が自分にやってくれないことをいくらでも見つけることは簡単だけど、
いつも人からもらっているものがたくさんあっても、それは当たり前だと思っていて、
もらっているものに気づくことは簡単ではありません。
とてもたくさんもらっているのに・・・
もらっている事に気づき、感謝した時にはじめて、自分のものになって得ていく気がします。
母からもらったたくさんのことを再確認した時でした。