http://www.townnews.co.jp/0103/2010/08/26/64656.html
競技者からエンターテイナーへ
○…人間の肉体を極限まで使ったパフォーマンスと演出で、世界的な人気を誇るエンターテイメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」。約6年前に米・ロサンゼルスでその出演者を指導し、自身も同団のオーディションに合格した経験を持つ。倍率4/500の狭き門を見事勝ち抜いたが、「帰国の間際で、アメリカにもそんなに長くいるつもりがなかったから」と辞退。あっさりと話すその佇まいからは、自信がうかがえる。
○…渡米したのは24歳の頃。日本発祥である男子新体操の普及のために2年間、単身ロサンゼルスに渡り、技術指導を行った。担当したクラスで、学生時代に遠征で知り合ったアメリカ人の友人が同団の出演者としてレッスンに通っていた。直接演技を指導する日々の中で、アメリカのエンターテイメントと出会い、「競技だけじゃなく人に魅せる面白さに気づかされましたね」。その後、その友人の勧めでオーディションを受けることになり、見事合格。実力も折り紙付きとなった。
○…高校生の時に「バク転がしたい」と思い立ったのが始まり。アクロバティックな演技が魅力の男子新体操にのめり込み、幼い頃から練習を積んできた部員が多い中で人一倍努力を重ねた。「伝統とか、レールに乗っかっているのがキライで。高3の時に初めて全国優勝した新興勢力の大学を選びました」。根っからの“負けず嫌い”が大学3年の頃から頭角を現し始め、全日本選手権など、数々の大会で入賞するまでに成長していった。
○…現在は、PVやコンサートの人材を派遣する一方、綱島のダンススタジオで指導する側に専念している。「観客に鳥肌を立たせたら勝ち」−、そう言い切る表情からはプロとしての意識の高さが滲み出る。「このスタジオが、子どもたちにとって一歩前に踏み出せる挑戦の場になれば」。後進の育成に情熱を注ぐ毎日だ。