明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
このメッセージが更新されるころには、2020年を迎えています。皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
’20年は、入団10年目の「研10」になる年です。 “男役10年”という言葉通り、入団時に「とにかく10年間は頑張ろう」と意識していました。しかし、時間が過ぎるのはあっという間で、焦りを感じます。男役10年というと、気負いなく舞台に立つことができたり、いろいろと楽しめるようになってくる時期だといわれていますが、なかなか難しいです。
’20年は東京オリンピックが開催される年。そんな記念すべき年に、研10という区切りの時を迎え、さらに花組に組替えしたこともあり、自分にとっては変化の1年になると思います。自分を見つめ直す機会、向き合う時間でもあると思うので、頑張っていきたいです。
これまではただ、ひたすらに前を向いて走ってきましたが、男役としての余裕につながるように、オフの時間やオンとオフの切り替えなどをもう少し楽しめるようになったらいいなと思います。
雪組全国ツアー公演の思い出といえば……。
少し前のことになりますが、雪組生として最後の公演となった10〜11月の全国ツアー公演『はばたけ黄金の翼よ』『Music Revolution!』を振り返ってみたいと思います。1カ月間という長期にわたる公演で、全国14都市を回りました。いろいろな街に思い出があるのですが、一番印象的だったのは滋賀県彦根市。開演前に、彦根城の辺りから琵琶湖まで行ってきました。とても気持ちが良かったですね。あと、彦根では“ひこにゃん”にも会いました。ゆるキャラには詳しくないのですが、本当にかわいすぎて……(笑)。忘れられないですね。
『はばたけ黄金の翼よ』のジュリオ役は、とても難しかったです。稽古場でも悩みましたが、本番が始まってからも役がなじまなくて苦労しました。最近は歌や台詞がギュッと詰まった作品が多いなか、伝統的な宝塚らしい雰囲気の作品をどう表現したらいいのか、時代設定やお衣裳に合うように台詞をナチュラルにしすぎないようにしたり、原作の少女漫画の世界観を表すことも難しくて……。役柄的にも、人に動かされて生きている、自己主張があまりない人物像をどう表現すればいいのかと悩みました。ただ、最後に己の意志に気付いていく過程を作っていくのは面白かったです。
のぞさん(望海風斗)とは、敵対する役柄でした。以前、『ドン・ジュアン』で恋敵役をさせていただき、決闘シーンがあったことを懐かしく思い出したりしていましたが、なかなかここまでご一緒させていただく機会もなかったので、とてもうれしかったです。
『Music Revolution!』では、いろいろな場面で皆さんとの別れを惜しむ場面を作っていただいたりして、先生方の愛情を感じました。すごくハードでしたが、とっても幸せでした。
印象的なのは、やはり「カノン」の場面でしょうか。大劇場公演よりも人数が減ったのですが、パワーは落としたくないと思っていました。振付のKAZUMI-BOY先生が「曲の初めから手拍子をいただけるといいね」とおっしゃっていたのですが、全国ツアー公演では最初から手拍子をいただくことも多く、うれしかったです。
公演もハードで移動距離も長かったので、始まってからはバタバタしていて寂しいと感じる時間もあまりありませんでした。ラストの梅田芸術劇場での公演中の3日間は、皆さんが温かく見送ろうとしてくださる気持ちを感じてとてもありがたくうれしい反面、寂しくなりました。
千秋楽では、のぞさんが掛け声のところで名前を呼んでくださったり、中詰めの自由な場面で「行ってこい!」と声を掛けてくださったりして、一生忘れられない公演になりました。笑顔で終わりたかったのですが、最後は涙が出てきてしまい……。こんな温かい場所にいられて良かったな、幸せだなと、皆さんのことがとても愛おしく感じました。改めまして、雪組でお世話になった皆様、本当にありがとうございました。これからも変わらず、どうぞよろしくお願いいたします。
花組の皆さんと早く舞台での信頼関係を築けるようになりたいです。
雪組全国ツアー公演の千秋楽翌日から、花組生となりました。全国ツアーチームには、組替えを経験された方がたくさんいらしたので、いろいろなお話をさせていただきました。「これを機にイメージチェンジをすることも可能だよ」とおっしゃっていただき、クールで魅惑的なキャラに……とも思いましたが、自分には無理だな、と諦めました(笑)。新しいことに出合って変化していくことはあっても、変に自分を作らず、心の扉を開いてそのままぶつかっていったほうがいいかなと思っています。
これまでは、どういうお芝居をする方なのかとわかったうえでご一緒してきましたが、花組の皆さんとお芝居を作り上げていく過程は未知なので、すごく楽しみです。組になじんで、たくさんの方と仲良くなりたいという気持ちは強いのですが、まずはお芝居をするうえで重要な、舞台での信頼関係を早く築けるようになりたいです。
12月21・22日の『タカラヅカスペシャル2019』が花組デビューとなりました。皆様いかがでしたでしょうか。組コーナーで、花組の皆さんと花組公演の楽曲を歌うのは、とてもドキドキします。
『タカラヅカスペシャル』は、ほかの組の方や懐かしい同期と話したりと、すごくリフレッシュする機会。いつもの生活パターンとは違う環境で、近い学年のさまざまな方と一緒にお稽古したり、普段はしないような会話をしたりするのも、とても面白いです。
『タカラヅカスペシャル2019』では、どなたと歌わせていただくのかなと思うと、緊張します。雪組の方ともご一緒させていただくと思いますし、楽しみですね。そんな感想は、また次回お話できたらと思います。
※このメッセージは、12/16(月)のものです。
テーマ:「化粧前の必需品」
◎メイク道具
当たり前ですが、まず必要なものなので……(笑)。毎回役に合わせて、さまざまなものを使って試行錯誤しながら練習します。私はいろいろなものを試すタイプで、使う道具の大半は公演ごとに違います。そのなかでよく使うものといえば、昔ハワイで買った青色のアイシャドウ。ショーでは発色が大切なので、重宝しています。
◎ブドウ糖
公演中にお腹がすくと集中できないので、着替える場所にも楽屋にも切らさないようにストックしています。集中力が切れそうだな、という時にさっと飲む。一気に2つくらい飲むことも。タブレットなどいろいろなタイプのブドウ糖を試しましたが、ベストはすぐに吸収しそうな顆粒タイプ(笑)。大切なエネルギー源です。
◎周囲の方との会話
物ではありませんが、楽屋は楽しく過ごしたいので同期とずっと話していますね。昨日観たテレビの話や、くだらないギャグ、美味しかった食べ物とか、たわいもない話が楽しいです。開演前に黙々と化粧をしていると、舞台に上がった時にテンションが上がりきらない気がするので、絶対に欠かせない必要なものですね。