Interactive Advertising Bureau(IAB)がスポンサーとなり、PricewaterhouseCoopers US(PwC US)が実施した調査から、2012年上半期に米国のマーケッターがオンライン広告に費やした金額が前年同期と比べ14%増加し、170億ドルに達したことがわかった。
1年間の前半にオンライン広告に費やされた額としては、同レポートが初めて発行された1996年以来、最も高い数字となった。ただし、2011年上半期に記録した23%という成長率には届いていない。経済危機のピークに際して、オンライン広告市場は2009年前半に5%縮小している。
広告カテゴリの中では検索があいかわらず最大勢力で、シェアも2011年前半から2%ポイント増え48%となったのは、とりわけGoogleにとって朗報と言えるだろう。検索広告支出額は19%成長している。
バナー、デジタル映像コマーシャル、マルチメディア、スポンサーシップといったディスプレイ広告のシェアは3%ポイント減の33%。同広告支出額は4%しか増加していないが、デジタル映像コマーシャル分野にかぎっては収入が18%伸びている。
モバイル・デバイス経由で配信される広告に対する支出は2011年上半期からほぼ倍増し、12億4,000万ドルへ飛躍した。
IABおよびPwCの関係者が10月11日に出した声明には、このたびの調査結果は米国オンライン広告市場が健全かつ堅調であることを示しており、モバイルやビデオ分野に存在する大きな成長の機会を浮き彫りにしたとある。
IABの社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるランドール・ローゼンバーグ(Randall Rothenberg)氏は、「マーケッターがモバイルやデジタル映像、さらには多種多様な双方向プラットフォームを活用し、革新的かつ創造的な方法で消費者にアプローチしていることをわれわれの調査が証明した」と、前述の声明に記している。
広告収入の73%はオンライン広告販売企業上位10社が稼いでおり、市場は依然としてそのほとんどをこれら一部のベンダーが掌握していると言ってよい。レポートでは具体的な企業名はあげられなかったものの、Google、Yahoo、Facebook、Microsoft、AOLなどの常連企業が含まれているのはほぼ確実だ。
オンライン広告支出額が高かった業界は上から順に、小売り(20%)、金融サービス(13%)および自動車(いずれも13%)、電気通信(12%)となっている。
(Juan Carlos Perez/IDG News Serviceマイアミ支局)