大阪龍馬会

1987年に創立して2017年は創立30周年。龍馬好きの集まった大阪龍馬会が龍馬会の活動をお知らせします。

2015年4月19日 大坂史跡探訪vol.17

2017-08-11 10:00:00 | 活動報告
 この日も午前中の雨が上がり、街歩きにはぴったりの気候でした。ここ数年長谷講師は参加者の年齢層を配慮してか、かつての様な「市中引き回し」イベントでは決してありません。老若男女、安心して参加できます。
 今回のイベントでは冊子「大阪の史跡探訪VOL・3」で詳しく取り上げられている大阪ハリストス正教会を見学させてもらえるとのこと。とても楽しみにしてきました。
 阪急豊津の駅から徒歩数分、吹田の山手町という閑静な住宅街の高台に聖堂が見えてきました。
 丸い特徴のある屋根、鐘、十字架はビザンチン形式と呼ばれる建物で、緑の高台に映えて美しく函館で見たハリストス正教会の建物に色彩もよく似ています。



 正門を入ると笑顔の素敵な水口神父様が出迎えてくれました。
 明治15年、ハリストス正教会が天満橋の三橋楼の建物を購入、43年には木造ビザンチン式の聖堂が建立されましたが、昭和20年の戦火で焼失。その後も幾つもの困難を乗り越え、昭和37年吹田の地に新しい聖堂の完成をみることとなったそうです。



 三橋楼唯一の遺物の庭石がここに残されています。
 そして聖堂の中へ。中に踏み入れた途端、うわぁーという小さなどよめきが起こりました。
 写真でお伝えできないのが残念ですが、歴史的な美術館そのものに入っていった感じ。
 その荘厳さはうまく言葉にはできません。
 内部には「イコン」と呼ばれる聖像画が、様々な大きさの木の枠にはめ込まれて掲げられています。近くに行って聖像と目が合うとドキッとするくらいに美しい。イコンが壁となって聖所を仕切っているそうです。
 このイコンの壁(イコノスタス)は、1907年(明治41年)モスクワで作成され、日露戦争の松山捕虜収容所の聖堂で捕虜として永眠したロシア人の鎮魂の為に用いられ、1924年(大正13年)東京のニコライ聖堂に運ばれた後、1962年(昭和32年)に吹田の地にやってきました。様々な歴史を見てきた貴重なものです。
 宣教師ニコライが函館に領事館司祭としてやってきてから、日本文化に合った「正教」を根付かせ、資金集めに苦労しながら布教活動を行った事。沢辺琢磨はじめ信徒が膨大な量の聖書を翻訳、伝授していった事。プチャーチンも多額の支援をした事など知りました。神父様の丁寧な説明に、熱心な質問も続き、30分の見学時間が1時間に。いつもの龍馬会のイベントとは明らかに違う厳かな時間でした。



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