とぼけた魚の鮟鱇(あんこう)が海の中で「ぷかぷか」と流れに身を託して泳いでいる歌と認識していた。耳で聴いただけなので、そう思っていた。
ところが、この歌は西岡恭蔵(作詞作曲)の歌だと最近知った。不思議な魅力の歌で、泉谷しげる・桑田佳祐・福山雅治・大西ユカリ・クミコなど多くのミュージシャンがカバーしていることも知った。YouTubeを開けば、他にも沢山出てくる。それだけプロの歌手たちにも人気の曲なのだ。
だが、何と言っても大塚まさじと歌う本家のが一番良い。→
西岡恭蔵 with 大塚まさじ プカプカ - YouTube
プカプカの感想を一口で述べるのは困難だ。
例えば、「フリースの子守歌」→Hayley Westenra - Wiegenlied [Slow Version] (Mozart's Lullaby) なら、「限りなく清らかな天国への誘い」。
寺島尚彦(作詞作曲)「さとうきび畑」なら、「いつまでも続く重い正座」と答える。→♫ さとうきび畑 ♫ 森山良子
「プカプカ」への答えは、なかなか出てこない。一口だと「感覚的に共有しちゃう」と答えるしかない。迷っていると、以下のYouTubeを見つけた。
70年代への鎮魂歌 プカプカ - YouTube (歌っているのは拓郎だろう。)
[2008/09/21 に公開]
「あの時代がいい時代だったとは云わないが、煙草やジャズやロックが日常で、多くがクルマやバイクを楽しんでいた。あの頃に思い描いた未来は今とちょっと違ってるんじゃないだろうか。」
この時代は、激しい学園闘争が下火になり、フォークからメッセージが消え、若者の夢が曖昧になっていた時だろう。 鮟鱇が「あん娘」であろうが、「ぷかぷか」が煙草であろうが、歌詞には頓着すまい。
「アカシアの雨にうたれて」死んでいった娘に涙を流した全学連の闘士たち、彼らの理論を支えた吉本隆明や西部邁(にしべ すすむ)も、この世にいない。
話を戻すが、70年代の若者の夢は何だったのだろうか。暴走族が流行した時代だ。映画「星空のマリオネット」では、主人公の若者が、長い橋の向こうに現れたトラック目がけてオートバイを吹かしながら突っ込んでゆくラストシーンが脳裏から離れない。西部邁も最近、自死した。
矢沢永吉や沢田研二に多くの楽曲(作詞)を提供し、細野晴臣とも親交を保った
西岡恭蔵が、(たしか) 51歳という若さで自死してしまった。プカプカに出会って日が
浅いというのに、残念で仕方がない。