たかお日記

高尾紳路九段オフィシャルブログです

渋川春海

2010-04-24 12:25:22 | 囲碁
「天地明察」を読んでいる最中ですが
興味を持ったのが、渋川春海の碁。

ウィキペディアの渋川春海にも載っている
有名な初手天元の1局を並べてみました。
(相手は、本因坊道策)




約350年前(!)の御城碁です。
白Aとシマッた局面。
いかに北極星(天元)を活かすか。
焦点は右下。




実戦の黒1は、中途半端。
白2、黒3を交換して
本因坊道策は、白4以下、
利かして十分と思ったでしょう。
この感覚は、現代と一緒です。

白10までコミ無しとは言え、
もはや、黒が大変な碁。
何より北極星(天元)の
輝きがまったくありません。





黒1,3と白を攻め立てるべき。
白4以下、堅く打ってくれば
黒11から右辺に模様を築きます。
このように打って、初めて天元が活きます。

渋川春海(安井算哲)は、
「これでもし負けたら一生天元には打たない」
と豪語しながら、まったく天元を活かせてない。
しかも、最後には、天元の石が取られてるし(笑)

何のために天元に打ったことやら。
やはり、天文暦学と碁は違うようです。

しかしこの後、天文暦学では、教科書に
載るほどの偉業を成し遂げたのですから
歴史に残る偉人、奇人でしょうか。


対局相手の、本因坊道策は、さすがの内容。
並べただけで、強さがよく分かりました。
感覚も優れているし、ヨミも深い。

タイムマシンに乗ってきて
現代のトップ棋士と対局したらどうか??

現代の棋士が簡単に負けるとも思いませんが、
やってみなければ分からないですね。
(月並みな感想で申し訳ないです)


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昨日の対局 | トップ | ようやく »
最新の画像もっと見る

囲碁」カテゴリの最新記事