Walking Holidays ~ニュージーランド編~

大好きなトレッキングを中心にニュージーでの生活を綴ります。なのでWorkingではなくWalking Holidays!

Rees Dart Track Day2-挑戦-

2013-06-20 | ニュージーランド・トレッキング
二泊目のハットに着いた。

それはそれは、びっくりするくらい立派なハット。
「立派なハットがあるのは、グレート・ウォークだけではないんだ・・」

今日の寝床となる自分のベッドをまずは確保して、さあ、やっとのランチタイムに♪

とゆっくりしたいところだけれど、自分の設定していた目標時間より若干遅めの到着。
天気の関係もあるし、余計な荷物を置いて、本当ならすぐに出発した方がいい。

けれど、安全、安心を感じられるハットに着くと、朝から風と雨とたたかって、いつの間にか緊張していた気持ちが、やっぱり緩む。

雨風がしのげるって、本当に素晴らしい。
こういう場所にくると、先人達は安全、安心、快適に生存するたびに、知恵を絞ってトライ&エラーで、建物を強固なものにしてきたんだろうなあ、と思う。

腹が空いては、戦はできぬ。
ということで、雨にあたらず、やっとホッと一息ついて食べる事ができる。
といいつつ、急ぎめで食べて再びの出発へ。

今日の、いえ、
今回のトリップの最大の目的地は、Cascade Saddle(キャスケード・サドル)

けれど、時刻は正午を回っている。
通常、ハットからCascade saddleまでは往復8-10時間かかると言われているので、1日費やすサイドトリップでとして行く場所。

そして、あいにくの空模様。
何日も前からたくさんの天気予報を見て、どうか変わりますようにと願っていたけれど、曇り&雨。
山の天気は読めない中、まだ、ときどき降りだす小雨程度の天気は良い方でしょう。

けれど、行く。
行けるところまで行く

それが自分の出した最終決断。

計画通りに行けば、
ハットから2時間位歩くとCascade glacierの先端にあたる。

私が見たいのは、滝のように流れるglacier(氷河)を見ること。
もしかしたら、そこまで行けば何かは見られるかもしれない。

しかし、何度考えても机上の計画は机上のもの。
実際は何があるか分からない。

どこにいても、4時になったら引き返す。
そして暗くなる前の6時までにはハットに戻る。
安全第一。無理はしない。雨が強くなりだしたら、引き返す。

そう決めて、小雨の中をキャスケード氷河目指して出発。

ここからは、いよいよ本当に一人。
スタートから一緒だった、他の二組は来ない。

ハットに寝袋が二つ置かれていた。きっと、サドルまで行っているのだろう。
もしそうならば、どこかですれ違うはず。

雨で道が消えていたらどうしよう、増水していたらどうしよう・・・。
先の景色が変わる度にドキドキ。雨足が強まると、引き返そうか、それとも、もう少し踏ん張るか。。。
けれど、限られた時間の中で行かなければならないので、雨宿りをして様子をうかがっているヒマもない。
なので、すすむ。迷って速度が落ちても、とりあえず進むしかなかった。

小心者の私にとって、まさに、一人チキンレースの始まりでした 笑。

雨が止まれば、元気になる私の心 笑。
ふたたび降り出せば、臆病になる私の心。

足元は悪い。
オレンジ色の道標のポールも見落とさないように必死。
先に見えない時は・・・泣きそうになったりw

もういいかな、引き返すのが懸命かな・・・。
けれど、あの先に見える開けた場所までいこう。そしたら、何か新しいものが見えるかも。
いやや、帰りのことも考えろ自分!
あのハンギング・グレーシャー(垂直状に垂れ下がってる氷河)の下まではいこう。
頭の中で、戻るか進むか、空模様とともに忙しく変わる。

(写真奥の氷河がhanging glacier。おそらく左手から谷間へ延びる山のさらに左に二日目のハットがある。そこから黄金色のように見える谷間へ出て、奥へ奥へ歩いていくのが cascade saddleへの道)

判断に迷いながら歩いていると変わる目の前の景色。
そんなことが起きれば、当然、私の冒険魂はくすぐられてしまう。小心者なのに 笑。
そんな自分に、どこかで、ため息をつく小心者の自分。
けれど、好奇心の強い自分の方が大きく上回っているようで。。。

トラックが川の横に進むようになってきた。
「この小雨の量だから増水もそんなにすぐはしないだろうけれど・・・」。けれど、けれど、怖いです 笑。
行きはよいよい帰りは怖い、です。

そして次に立ちはだかったのは、大きな大きな岩。
5m以上はあるような巨大隕石のような岩で、どうやらこの岩は登らないといけないらしい・・・。
岩と岩の間に人が通ってきた後がある・・・・けれど、滑り台のように急 汗 
登るのはいいけれど、帰りが怖いです。だって勢い良く落ちたら、そのまま川へダイブイン!だから・・・。

もう帰ろうか~。

けれど、この先の開けた場所までは行ってみたい。
一瞬迷ったけれど、悔いを残さないように行くことに。

岩を登ったら、当然、下るのです 笑。
足元に細心の注意を払いおります。そして再び川岸へ。
岩を越したら、その先には黄金色に見える開けた場所が!そしてハンギング氷河も目の前に。

よし、あそこまで行ってみよう。

開けた場所というのは、下写真のハンギング氷河の真下。その辺りだけ短い丈の草地でした。
こう遠くから見ると簡単そうだけれどね~、歩くと遠いし、結構荒いアップダウンがあるのよ~笑。


開けた場所に着いたら急に足元がフラットになり、大きな空き地を歩いているよう。
目の前には、ハンギング氷河が流れるモヤの合間から見え隠れする。

谷間は右へカーブするように続いている。
山肌の裏へのつづく谷と道。

この先はどうなっているのだろう、せめてあの曲がり角まで行って奥の景色を見たい。

進めば進むだけ、先への欲が出てきてしまう。
もうちょっと、もうちょっと。

ついに曲がり角へきたら、その奥に見えたもの。
それはV字の山間の奥に真っ白い山が霧に見え隠れしつつも、確かに存在していた。
周りの山とは違う、氷河で覆われた真っ白い山。

もう少し谷を進めば、もう少し開けて山も見えるはず!
再び、進んでしまう自分。

その白い山見たさに夢中でしばらく進んでいると、
急に視界に入る狭いV字谷の景色が広がり、目に入る景色の色も変わった。

目の前に広がるネズミ色の砂利のような景色。それがずーっと奥に続いている。
今まであった黄土色の草がない。
不気味。

なんだろ、ここ?
まるで魔界の入り口にきてしまったかのよう。。。

あっ!!!!!


一面に広がる魔界(笑)の奥に見えたもの、それはCascade sadle!


氷河をかぶった山の右横に見える馬の乗り鞍部のように見える場所がCascade saddle.

ずっと行きたかったサドルが目の前に現れて鳥肌もの。
だって、まさかサドルが見える場所まで来れるとは思っていなかったから。

リミットの4時まで、まだ少し時間がある。

もしかして、サドルまでは行けなくても、その手前に広がる、見たかった大氷河の先端までは行けるかもしれない!
と足を進めてみる。

と、ここから先は砂利地獄のような道。
この一面砂利景色は、氷河のモレーン(堆積土砂)だったのです。
そして、川辺まで一気に下るようで、あまりに深くて先が見えない道 笑。

なるほど、サドルも近そうには見えるけれど、谷底まで下って再び上がっての繰り返しかと思うと、まだ2時間はかかるわなあ~っと、サドルまで行くことへの諦めは気持ちよいほどついた 笑。

そして、下ったら登ってもこないと行けない事を考えると・・・20分くらいしか進めないかな。
うーん、20分で氷河の先端まで行ける気はしない。
上の写真でいうと、私のみたい大河のように流れる氷河は、左の山の裏側、そして半分見えている氷河のかかった山の前にある谷間に存在してるはずなのです。

な の で、

ロードオブザリングの悪者たちが住んでいる魔界の入り口へきたような気分は味わえたし、憧れのcascade saddleを拝むことだけはできたので、天気も心配だし帰ろう

帰り道は、来るときはさっとしか見なかったハンギング氷河をじっくり見ながら足を進める。









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