佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

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がん画像診断コンサルテーションについて

2008年07月12日 13時08分14秒 | オンタイム
 2006年6月がん対策基本法成立、2006年10月国立がんセンターがん対策情報センター開設。
 ニュースとしては知っていましたが、実際の活動は殆ど知らないままでした。今回、初めて全国のがん対策の最先端で活躍される先生の話を聞くことが出来たので、ご報告&ご紹介です。


 昨日金曜は、国立がんセンターの女屋先生がK館に来られ、国立がんセンター がん対策情報センターで行われている「画像診断コンサルテーション」についての説明会が開催されました。

 この画像診断コンサルテーションの概要を資料から抜粋すると

 ・判断が難しい専門家の意見を参考にしたい時などの相談先の一つとしてご利用下さい
 ・当該領域を専門とするコンサルタントが対応します
 ・意見報告は、疑問点にお答えするように診断ポイントをコメントします
 ・既存のインターネット環境利用、2つのソフトで稼働(匿名化を含む優れたセキュリティシステムを採用)
 ・教育的な症例画像はWeb公開

 といったものです。

 ・現時点では、コンサルテーション料は無料
 ・コンサルタント名簿には、あの先生も!そして、指名可能!
 
 という特徴もあります。
 注意点としては、
  
 ・診断の最終責任は依頼者にあります
 ・診断支援後のフォローアップ情報の提出(病理や経過観察画像)の提出が必須
 ・コンサルテーション症例は二次利用を想定(ただし、症例報告などの権利はコンサルト側にあり)

 システムの詳細や、利用登録方法は
画像診断コンサルテーション・サービス

 Webで公開されている症例集は
がん診療画像診断レファレンスデータベース
 
 をご参照下さい。
 また、現在の問題点としては

 ・システムのインストールが必要(通常のWindowsソフトの導入と同様。また、郵送によるコンサルトも可能な場合アリ)
 ・各病院の診療データの取り扱い制限をクリアする必要がある
 ・がん診療拠点病院の医師が対象(→コンサルトの方法によっては、それ以外の施設でも利用可能!ご相談下さいとのこと)
 ・コンサルト症例がまだ少ない

 だそうです。
 今後のシステム継続のためにも是非ご利用下さい!ということでした。


 説明会のあとは、磯寿司で懇親会がありました。臨床を大事にする、とても気さくな先生で、システムの運用によっては、非常に幅広い使い方があるという点や、コンサルタントの先生の熱意によって支えられていると言うことなど色々な話を聞くことが出来ました。また、画像診断コンサルテーション推進ミーティングで回った全国各地の話なども聞かせていただきました。
 
 もう一度、お会いしたくなるような先生でした

 診断に苦慮する場面に遭遇することのある放射線科医のかた、また新しい診断アプローチを探しているかたなど、是非一度上記のホームページを訪れてみてください!