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http://www.ajronline.org/cgi/reprint/190/6/W360
では、早速内容を。
Time –Resolved 3D MR Angiography of the Foot at 3 T in Patients with Peripheral Arterial Disease
Karl M. Ruhl et al
AJR: 190, 2008
○Objective
・3T-MRI装置でのサブミリメートルの分解をもった造影Time-resolved 3D-MRAを用いて、糖尿病あるいは末梢血管障害患者のpedal vasculatureを評価する。
○Subjects and Methods
●症例:21例(女性5例、男性16例。平均年齢65±14歳)
・Fontaine分類Ⅱb~Ⅳ:内70%が臨床的に虚血と診断(同分類Ⅲ, Ⅳ)
・13例が糖尿病合併
・2症例で、バイパス術前後の撮像
●MRI
・撮像装置:Philips社製3T-MRI Achieva
コイル:8-エレメントフェイズドアレイコイル
・Time-Resolved 3D MRA (4D MRA)
3Dグラディエントエコー法によるT1WI
矢状断像
パラメータ:TR/TE 4.2/1.6, FA 30°, FOV 290×290mm, matrix 352, 120スライス, 空間分解能 0.8×0.8×1.6 mm
再構成:0.6×0.6×0.8 mm
時間分解能:3.9秒
2D-SENCE:R=4 AP方向, R=2 左右方向
CENTRA(contrast enhanced timing robust angio)使用:ハーフフーリエ法と、centric orderを併用してk空間を充填
動脈相~静脈相まで描出される間
・造影剤
Gd 0.2mmol/kg
3.0ml/sec、30mlの生理食塩水後押し
注入後10秒マニュアルスタート
●画像評価方法
2名の放射線科医の合議
・足部の血管がシャープに描出されているか
・動静脈の分離が出来ているか
・動静脈シャントが描出されるか
・軟部の増強効果は見られるか
・時間分解能を3.9→7.8秒にしたときの画質は?
11例では、動脈および静脈のピーク増強時間を計測可
13例では、静脈のピークが確かではなかった(5例では全く描出されず)
SNR=SI(ROI)/SD(air)
ROIは足背動脈、後脛骨動脈、筋、空気
CNR=(SIROI-SImusc)/SDair
○Results
・全例が良好な画質
・AVシャントがあっても、良好に動静脈を分離可能
バイパス術に必要な動静脈の情報が得られた
・12/24例(58%)では時間分解能3.9秒が必要
10例 (42%)では、7.8秒でも診断可能
・平均動脈ピーク時間 24±13秒
15/24例では、早期に静脈が描出され、内12名ではAV shuntによるものと判断された
・足背動脈のアーチ:22/24例で描出 残りの2例はアンギオでも描出されず
(1例は著明な流速の低下あり、1例は近位で動脈が閉塞)
・軟部の増強効果は17例で観察された
(前足部10例、踵9例、足趾8例)
*SNRやCNRはパラレルイメージングかつ3D撮像なのでよくわからず略…ごめんなさい
○Discussion
・NSFの問題はあるが、造影MRAは下肢動脈疾患の診断に有用な検査方法である
・3T装置での、本撮像法は高時間分解能、高空間分解能を両立させることができた
・ハードウェアの改善により、今回困難であった、静脈の評価が可能となるかもしれない
多チャンネルコイルの開発により、更に時間、空間分解能が向上するかもしれない
相当キレイな絵が載っています。当施設では、総腸骨分岐上からテーブル移動をして下肢全長を撮像するので、なかなかここまで空間および時間分解能を絞ることができません。バイパス術式が分かっている上でなら、ウチの3T MAGNETOM Trio Timでも、このレベルで撮れるかな?
ちなみに、リファレンスでバイパスの目標となる血管の評価にDSAはどうなのか?というものあったので、いずれ読んでみようと思います。
http://www.ajronline.org/cgi/reprint/190/6/W360
では、早速内容を。
Time –Resolved 3D MR Angiography of the Foot at 3 T in Patients with Peripheral Arterial Disease
Karl M. Ruhl et al
AJR: 190, 2008
○Objective
・3T-MRI装置でのサブミリメートルの分解をもった造影Time-resolved 3D-MRAを用いて、糖尿病あるいは末梢血管障害患者のpedal vasculatureを評価する。
○Subjects and Methods
●症例:21例(女性5例、男性16例。平均年齢65±14歳)
・Fontaine分類Ⅱb~Ⅳ:内70%が臨床的に虚血と診断(同分類Ⅲ, Ⅳ)
・13例が糖尿病合併
・2症例で、バイパス術前後の撮像
●MRI
・撮像装置:Philips社製3T-MRI Achieva
コイル:8-エレメントフェイズドアレイコイル
・Time-Resolved 3D MRA (4D MRA)
3Dグラディエントエコー法によるT1WI
矢状断像
パラメータ:TR/TE 4.2/1.6, FA 30°, FOV 290×290mm, matrix 352, 120スライス, 空間分解能 0.8×0.8×1.6 mm
再構成:0.6×0.6×0.8 mm
時間分解能:3.9秒
2D-SENCE:R=4 AP方向, R=2 左右方向
CENTRA(contrast enhanced timing robust angio)使用:ハーフフーリエ法と、centric orderを併用してk空間を充填
動脈相~静脈相まで描出される間
・造影剤
Gd 0.2mmol/kg
3.0ml/sec、30mlの生理食塩水後押し
注入後10秒マニュアルスタート
●画像評価方法
2名の放射線科医の合議
・足部の血管がシャープに描出されているか
・動静脈の分離が出来ているか
・動静脈シャントが描出されるか
・軟部の増強効果は見られるか
・時間分解能を3.9→7.8秒にしたときの画質は?
11例では、動脈および静脈のピーク増強時間を計測可
13例では、静脈のピークが確かではなかった(5例では全く描出されず)
SNR=SI(ROI)/SD(air)
ROIは足背動脈、後脛骨動脈、筋、空気
CNR=(SIROI-SImusc)/SDair
○Results
・全例が良好な画質
・AVシャントがあっても、良好に動静脈を分離可能
バイパス術に必要な動静脈の情報が得られた
・12/24例(58%)では時間分解能3.9秒が必要
10例 (42%)では、7.8秒でも診断可能
・平均動脈ピーク時間 24±13秒
15/24例では、早期に静脈が描出され、内12名ではAV shuntによるものと判断された
・足背動脈のアーチ:22/24例で描出 残りの2例はアンギオでも描出されず
(1例は著明な流速の低下あり、1例は近位で動脈が閉塞)
・軟部の増強効果は17例で観察された
(前足部10例、踵9例、足趾8例)
*SNRやCNRはパラレルイメージングかつ3D撮像なのでよくわからず略…ごめんなさい
○Discussion
・NSFの問題はあるが、造影MRAは下肢動脈疾患の診断に有用な検査方法である
・3T装置での、本撮像法は高時間分解能、高空間分解能を両立させることができた
・ハードウェアの改善により、今回困難であった、静脈の評価が可能となるかもしれない
多チャンネルコイルの開発により、更に時間、空間分解能が向上するかもしれない
相当キレイな絵が載っています。当施設では、総腸骨分岐上からテーブル移動をして下肢全長を撮像するので、なかなかここまで空間および時間分解能を絞ることができません。バイパス術式が分かっている上でなら、ウチの3T MAGNETOM Trio Timでも、このレベルで撮れるかな?
ちなみに、リファレンスでバイパスの目標となる血管の評価にDSAはどうなのか?というものあったので、いずれ読んでみようと思います。