佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

放射線科医の日常や、診療紹介、推薦図書などをご紹介します。問い合わせ先等、詳しくはカテゴリー「はじめに」をご覧下さい。

RSNA報告より一部抜粋

2009年12月17日 22時17分21秒 | 研究会・学会
 と、いうことでECRの準備で忙しいM先生から原稿をもらうことが出来ました。
 差し支えのない一部分と、近況報告を含めて公開させていただきます。

 まずは近況から。

“シュッと振って、パッと当てるんだ”
長嶋読売ジャイアンツ終身名誉監督の打撃指導に対し、現役の選手はよく理解出来なかったという。

そう言えば似たようなフレーズをどこかで聞いたことがある。
放射線科の先生達の読影での指導だ!
“ここが何となくシュッとなっているでしょ“
“この辺りがモワモワしているでしょ“
“前回と比べてキュッとなっているでしょ”
枚挙に暇がない。
せっかく指導を受けても説明が感覚的かつ抽象的なため、理解が出来ない。
数多くの研鑽を積んだからこそ正確な読影は可能になるのかと、半ば諦め気分になった。

先日、王と長嶋の特集をテレビで取り上げていた。
努力家で秀才肌の王に対し、長嶋は天真爛漫な天才肌というのが多くの人のイメージであろう。
しかし長嶋は大変な努力家で、マスコミが作り上げた天真爛漫な天才肌というイメージを守るために演じ続けていたというのだ。
人目に付かないところで猛練習を積んでいたという複数の証言が取り上げられ、本人も認めていた。
今現在も連日のリハビリに取り組み続けているという。

私が勤務する病院でも医師になって半年を経過した頃の研修医が放射線科にローテートしてくる。
先日研修医に胸部単純写真の読影に関して質問を受け、指導した。
“ここ辺りが何となく白いでしょ”
“ん~、分かりません”との返答。
はっと我に返った。
いっぱしの放射線科医のような発言をしている自分に驚いた。
少しは読影に関して経験値が上がってきたのだろうか。
いや、まだまだ長嶋の様な絶え間ない努力が必要だ。

 そして、このようなDr.がCum Laudeを受賞!

 11時間のフライトを経て、飛行機の車輪は滑らかにアメリカの大地をとらえた。
入国審査でアメリカ入国の目的を聞かれ、学会に参加する旨伝えるとRSNA?と尋ねられ、意気揚々とアメリカに入国した。
 スーツケースを受け取り、いざ出陣といったところだったが、スーツケースの車輪は滑らかに動かない。よく見るとスーツケースの右前方が破損し、キャスターが歪んでいた。荷物破損の所定の手続きを済ませ、スーツケースの破損部位は分厚いテープで補強された。
 出鼻をくじかれたが気分一新、シカゴの摩天楼に向かって車は走った。

 充実したシカゴ滞在を終え、帰国前に思いがけなくCum Laudeを受賞したことを知人から知らされた。
 過分な受賞ではあるが、大変光栄である。

 今回の発表にあたり、共同発表の先生方やシカゴに行くことを快諾してくれた同僚の先生方、貴重な助言をしてくれた産婦人科、病理の先生方を始め、発表原稿作成に当たり色々な方に直接的、間接的にご支援をいただいた。この場を借りて最大限の感謝の意を表すとともに喜びを分かち合いたい。

 マイナートラブルで始まったシカゴ滞在であったが、あの場で悪運を使い果たし、幸運が舞い込んだのではないかと今になって思う。

 M先生、おめでとうございます。またECRの提出が終わったら、美味しいご飯を食べに行きましょう!