酒好き文化風俗研究者

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良寛さん「月のうさぎ」。

2015-04-06 | 日記
ずっと昔にあったという。

サルとウサギとキツネとが共に暮らし、朝には一緒に野山を駆け回り、夕方には一緒に林に帰って休んだという。

この話を聞いた月の王様が、それが事実であるか知りたくて、老人の姿に変えてその所へ、よろめきながら行って言うことは、

「お前たちは種類が違うのに、仲良しだと言う。それが本当なら私の空腹をどうか救ってくれ」と言ったところ、

「それは、たやすいことです」と言って、しばらくしてからサルは木の実を拾って帰って来て、キツネは魚をくわえて来て老人に与えた。

ウサギは、辺りをしきりに飛び回ったが何も手に入れることが出来ないまま帰って来たので、老人は「ウサギは他の者と違って思いやりがない」とあしざまに言ったので、かわいそうに、ウサギは考えて言いました。

「サルさんは柴を集めて来て下さい。キツネさんはそれを燃やして下さい」と。

二匹は言われた通りにしたところ、ウサギは炎の中に飛び込んで、初めて会ったその老人に、自分の肉を与えたと言う。

老人は、この姿を見るやいなや心もしおれるばかりに天を仰いで涙を流し、地面に倒れ伏し、「お前たち三人の友達は誰が劣っているのではないが、ウサギは特に心が優しい」と言って、やがて月の王様はウサギの亡骸を抱いて月の世界の宮殿に葬ってやったと言う。

今昔物語集より今の時代にまで語り継がれる「月とウサギ」伝説です。


「満月の夜の 月の光を見るごとに 身を犠牲にした兎を想う」

私の好きな良寛もまた酒好きと呼ばれる者です。

その良寛の心をいつの世も語り継いでほしいものです。