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認知症の予防に有効な「5つの生活習慣」とは

2020-12-25 16:02:01 | 日記

下記の記事は日経グディからの借用(コピー)です  記事はテキストスタイルに変換していますから画像は出ません

健康的な食事をとり、中強度から高強度の運動を定期的に行い、タバコを吸わず、飲酒は節度ある適量に抑えて、認知機能(脳)を刺激する活動を日常的に行えば、アルツハイマー型認知症の発症リスクは6割低下する可能性がある――そんな結果が、米国の高齢者を対象とした観察研究によって示されました。
アルツハイマー型認知症のリスクは、生活習慣の工夫で6割下げられる可能性があります。(C)Alexander Raths-123rf
認知症の危険因子を修正すると、どのくらい予防効果が得られる?
 世界的に高齢化が進んでおり、今後30年間にアルツハイマー型認知症と診断される患者は3倍に増加すると予想されています。これまでのところ、アルツハイマー型認知症に高い効果を示した治療薬はありませんが、幸いなことに、アルツハイマー型認知症の予防が可能であることを示唆した疫学研究や臨床試験の報告はあります。
 例えば、好ましくない生活習慣や、狭心症や脳卒中などの心血管系疾患は、認知機能の低下やアルツハイマー型認知症発症の危険因子であり、生活習慣の改善や心血管系疾患に対する治療を適切に行えば、認知症リスクを低減できることが示されています。しかし、日常生活の中に存在する複数の危険因子を次々と修正していけば、より大きな利益を得られるのかどうかは、明らかになっていませんでした。
 今回、米Rush Institute for Healthy AgingのKlodian Dhana氏らは、シカゴ在住の2つの高齢者集団を対象に、食生活、運動、喫煙、飲酒、認知機能刺激活動の状況と、その後のアルツハイマー型認知症発症の関係を検討しました。
認知症の発症予防に提案されている食事法「MIND」を基に評価
 分析対象にしたのは、以下の2つの集団です。
1)
アルツハイマー型認知症の危険因子について検討するために、シカゴで1993年に始まったChicago Health and Aging Project(CHAP)の参加者。参加時点の平均年齢は73.2歳、女性が62.4%。
2)
認知機能低下の危険因子を明らかにするために、シカゴで1997年に始まったRush Memory and Aging Project(MAP)の参加者。参加時点の平均年齢は81.1歳、女性が75.2%。
 これらの参加者の中から、分析に必要な情報がそろっていた、CHAPグループの1845人とMAPグループの920人のデータを入手しました。
 どちらのグループの参加者も、参加時点で、144項目からなる質問票を用いた食物摂取頻度調査を受けていました。収集されていたデータにMIND (Mediterranean-DASH Diet Intervention for Neurodegenerative Delay)食事スコアを適用し、食事の質を評価しました。
 MIND食は、認知症の発症や進行を遅らせることができる食事法として米国の研究者が提案している食事法で、地中海沿岸地域に暮らす人々の伝統的な食事法である「地中海食」と、高血圧や心疾患の予防のために米国で考案された「DASH食」を組み合わせたものです。具体的には、摂取頻度を増やすべき健康的な食品として「緑色の野菜、その他の野菜、ナッツ、ベリー、豆類、全粒穀物、魚介、鶏肉、オリーブオイル、ワイン」の10種類を、摂取頻度を減らすべき不健康な食品として「赤身肉、バター/マーガリン、チーズ、甘いパン/ケーキ/菓子、揚げ物/ファストフード」の5種類を挙げています。
 今回の分析では、飲酒習慣を別の項目として評価するため、健康的な食品の中からワインを除外した上で、食生活が健康的であるかどうかを示すスコアを算出しました。スコアは、健康的な食品を一定頻度以上で摂取していればそれぞれ1ポイント、不健康な食品の摂取頻度が一定レベル以下ならそれぞれ1ポイントとして合計しました(スコア幅は0~14の範囲)。
 運動習慣については、5種類の中強度または高強度の運動(運動としてのウォーキング、庭仕事、徒手体操/全身運動、サイクリング、水泳)を過去2週間にどの程度実施していたかを尋ねました。喫煙習慣では、「現在も喫煙中、禁煙した、喫煙歴なし」のいずれかを選択するよう依頼しました。飲酒習慣については、飲酒の頻度と量を尋ねました。
 認知機能を刺激する活動については、「新聞や本を読む、手紙を書く、図書館を訪れる、チェスやチェッカーなどのボードゲームをする」などの7種類の活動のそれぞれを行った頻度を尋ねました。スコアは、「過去1年間に1回以下」を1ポイント、「ほぼ毎日」を5ポイントとし、平均を求めました。
 さらに、人種、体格指数(BMI)、学歴、スタチン(脂質異常症に使われる治療薬)または降圧薬の使用、心疾患または脳卒中歴、抑うつ症状などに関する情報も収集しました。
 著者らは、既存のエビデンスやガイドライン、専門家の意見に基づいて、以下の目標を達成している人のアルツハイマー型認知症の発症リスクは低く、達成していない人のリスクは高いと推定しました。
1)MIND食事スコアが集団の上位40%以内

2)認知機能を刺激する活動のスコアが集団の上位40%以内

3)現在喫煙していない

4)中強度から高強度の運動を1週間に150分以上実施

5)少量から中等量の飲酒(女性なら純アルコールを1日に1~15g、男性では1~30g)

 これら5項目のそれぞれについて、達成できていればスコアは1、できていなければ0として合計し、生活習慣態度スコアとしました。スコアの範囲は0~5で、高スコアほど、より認知症予防に良い生活を送っていることを意味します。
 著者らによると、MIND食事スコアと、認知機能を刺激する活動のスコアが上位40%以内というのは、生活習慣の改善を目指す人々の多くが達成できるレベルだということです。
スコアが1上昇するとアルツハイマー型認知症のリスクは27%低下
 CHAPグループの追跡期間の中央値は5.8年、MAPグループでは6年で、それぞれ379人と229人がアルツハイマー型認知症と診断されていました。
 2つの集団のデータを合わせて解析したところ、生活習慣態度スコアが1上昇するごとに、アルツハイマー型認知症の発症リスクは27%(CHAPグループでは30%、MAPグループでは26%)低下することが明らかになりました。
 生活習慣態度スコアに基づいて人々を層別化し、スコアが1以下だった人々を参照群として比較したところ、スコアが2~3だった人はアルツハイマー型認知症のリスクが37%低く、スコアが4~5だった人では60%低くなることが示されました(表1)。

 今回の分析で得られた結果は、健康的な食事をとり、積極的に運動し、タバコを吸わず、飲酒は節度あるレベルに留めて、認知機能を刺激する活動にいそしむことで、アルツハイマー型認知症のリスクを大きく減らせる可能性を示しました。



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