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糖尿病は冬に悪化、コロナ太りでリスクも拡大!専門医に聞く予防策

2020-12-26 09:00:00 | 日記

下記の記事はダイヤモンドオンラインからの借用(コピー)です

国際医療福祉大学三田病院糖尿病・代謝・内分泌内科学の坂本昌也教授は、「特に今年はコロナ太りで血糖、血圧、脂質、体重のどれもが悪化している人がいる。この冬には心筋梗塞・脳梗塞の発症に、例年以上の注意が必要」と警鐘を鳴らす。この冬、血糖値などのさらなる悪化を食い止める健康管理を、坂本医師に聞いた。(医療・健康コミュニケーター 高橋 誠)
糖尿病は
60代の3人に1人の時代に
 実は日本人のカロリーと糖質の摂取量は減っている。にもかかわらず、糖尿病患者数は増えている。これはエネルギー摂取量に占める脂肪の割合が増えたことと関連が深い。面白いことに糖尿病患者数の上昇カーブは、米国ファーストフードチェーン店舗数や自家用車保有率の上昇カーブと相関する。繊維質摂取の減少を含めた食生活の欧米化、運動量の減少が影響していることを示唆している。
 このまま糖尿病患者数が上昇すると、いずれ60代の3人に1人は糖尿病になる(推定)。糖尿病になると、認知症リスクも高まる。70代の2人に1人は認知症の時代に突き進む。このシナリオは、コロナ長期化によるストレス太りで、さらに悪化する可能性がある。
 東京、山形で非常に多くの外来患者を診ている国際医療福祉大学三田病院糖尿病・代謝・内分泌内科学 坂本昌也教授は、「突然死でなくなる年間12万人のうち、最も多い致死性不整脈(心室細動・心停止)は糖尿病が関係する。コロナ太りで迎えるこの冬は例年以上の注意が必要」と語る。
世界初のエビデンス「糖尿病は冬に悪化
規則正しい生活を心がける
 坂本医師は昨年2月、米国糖尿病学会誌で、生活習慣病が冬に悪化する詳細を明らかにした。血糖、血圧、脂質の季節変動は以前から指摘されていたが、数値変動を追った解析は世界初であった。坂本医師のチームは、糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)における登録病院38施設10万人強の患者データベースから血糖、血圧、脂質、体重の月別季節変動の詳細と、それに伴うガイドライン達成率を検証、それらに影響を及ぼす因子を同定した。すると、「血糖、血圧、脂質の値が同時に変動し、12月から2月に悪化している。冬の健康管理が大切」という結果が出た。日本は東西南北さまざまな気候が共存する。「どの国でも参考になる科学的根拠」と世界的評価の高い論文となった。
 近年は、採血するたびに血糖・血圧・脂質の数値がばらつくことも心血管病を増やすと報告されている。後述する食事・運動療法に気をつけ、睡眠不足やさまざまなストレスに対処し、出来るだけ規則正しい生活を送ることの重要性が高まる。
 坂本医師の近著『最強の医師団が教える長生きできる方法』(アスコム)では、できるだけ長く人生を楽しむための有益な情報が63項目紹介されている。大きく分けて5つのカテゴリー、「食事」「運動」「睡眠」「生活習慣」「治療法」。その中から「食事」「運動」に絞り、坂本式実践メソッドを17項目抜粋、加筆する。
坂本式実践メソッド・食事編
バランスよい食事で血管ダメージを回避
◎1日3食、穀物や野菜を取り入れ、栄養バランスを良く
 血糖、血圧、脂質のトリプルリスクに気を配った食事、できれば、朝食は多め、夕食は少なめ。夕食は炭水化物や油分の多いものを控え、できるだけ早めの時間帯に。就寝前のドカ食いは絶対厳禁。
◎血管にダメージを与えない
 高血糖に加え、高血圧や脂質異常症が加わることで、血管を傷つけ、心筋梗塞、脳梗塞を引き起こすリスクが高まる。高血糖だけならそのリスクは「1」で済むが、高血圧や脂質異常症が重なると、「1+1」が10にも20にもなる。重い病気のほとんどは血管のトラブルが原因。この冬に備え一番大事なのは、血管にダメージを与えないことである。
◎「グルコーススパイク」に注意
 血糖値が一気に上下するグルコーススパイク(血糖値スパイク)の繰り返しが血管を傷つけ、心筋梗塞、脳梗塞の一因となる。グルコーススパイクは健康診断でも見逃されやすい。糖尿病の既往歴がない健康な人でも起こる。穀物や野菜が少なく、糖質、脂質に偏った食事を短時間で済ませてしまう人に、より起こりやすい。
◎減塩が難しい場合は、しっかり睡眠
 血圧はズバリ血管に影響を与える。塩分を控えることが一番だが、減塩効果は一食や二食などの短期間では得られない。無理なく続ける事が重要。コンビニ食や外食が多く、コントロールが難しい場合は、しっかり睡眠をとる。血圧の大敵である睡眠不足を解消すれば、おのずと血圧は下がる。
◎脂っこい食べ物も血管に影響あり
 高脂質、特にトランス脂肪酸・飽和脂肪酸が多く含まれた加工食品は血液がドロドロになり、血管に影響を与える。体重増による脂質値上昇をウォッチすべく体重測定を習慣化する。巣ごもりせずに時には日光を浴び、ビタミンD不足による脂質悪化対策を。
◎甘いものは食べてもよい
 適量の甘いものは、脳の疲労回復を促し、ストレスの軽減にもつながる。朝食時の果物や、3時のおやつも問題ない。坂本医師は、外来患者が適度なアルコールや炭酸飲料を飲むことを否定しない。ストレス無く食事療法に向き合って頂く為には無理は禁物だ。
◎ゼロカロリーに身を委ね、バランスを考えずに摂取するのは危険
 ゼロカロリーにこだわる人が太っている傾向がある。ゼロカロリーで安心して、逆に食事摂取量、体重が増えるためだ。ゼロカロリーに含まれる人工甘味料が、腸内細菌叢などに影響を与え、糖尿病の発症に影響することが動物実験レベルで明らかになっているので注意。完全にカロリーゼロではない食品、飲料にも注意。
◎一時的、短期的なファスティングはOK
 早めに夕食を済ませ朝まで何も食べないといった一時的なファスティングは、生活習慣病の発症を食い止める。負荷のかかった臓器を休ませ、機能を正常化する効果がある。単に体重を落とすダイエットのための長期的ファスティングは、一時的に臓器に良い影響を与える場合もあるが、骨や臓器に悪影響を及ぼす。
◎親が糖尿病の人は、なおさら食事に注意
 糖尿病は遺伝するケースが多い。同じ家族が同じモノを食べ、同じ病気にかかりやすくなる。食生活が糖尿病のリスクを高めていることを自覚し、若い段階からの食生活の改善が望ましい。
「坂本式実践メソッド・運動編」については、以下のようにポイントをまとめたので参考にしてほしい。
■坂本式実践メソッド・運動編
◎食事前の過度な運動は、糖が吸収されやすくなるので控える
◎夕食後には軽い健康体操やストレッチで血液中のブドウ糖を消費し、グルコーススパイクを避ける
◎1日10分でも、長期的に続ける適度な運動を
◎座っている時間を少しでも減らす
◎腹筋は加齢とともに衰えやすいので、お勧めの健康法
◎過去1カ月にかけた負荷よりも、やや多めの負荷にとどめる
◎疲労回復のため、週に1~2回は運動を控える
◎運動を続けるきっかけとなるコーチの存在も大きな味方
岐路に立つ糖尿病対策
「メタボ検診」には疑問も
『最強の医師団が教える長生きできる方法』(アスコム刊)
国際医療福祉大学三田病院糖尿病・代謝・内分泌内科学坂本昌也教授ほか総勢10名の最強ドクターが執筆。216ページ
 冒頭で述べた通り、11月9日から公益社団法人日本糖尿病協会が啓発する全国糖尿病週間が始まった。今回のテーマは「サルコペニア・フレイル(※)」。標語は「筋肉量 コツコツ積み上げ 健康長寿」である。超高齢社会を迎えた日本における課題の一つをテーマ、標語としている。
 一方、糖尿病発症予防の早期対策である「メタボ健診」は、ごく最近その効果に疑問が呈されている。より効果的な手段の検討が早急に必要でもあり、本邦の肥満対策も大きな岐路に立っている。医療従事者のみならず、行政も含めた社会全体での取り組みが必要となってきている。
 2020年、コロナ長期化と夏の爆暑は、生涯忘れ得ぬインパクトを私たちに与えた。このインパクトを機に、世界標準の糖尿病研究の旗手、坂本医師が提唱する食事と運動法を参考に、元気な生活、健康寿命の延伸を目指したい。



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