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災害関連死事例集

2021-12-06 16:29:18 | パソコンで得られる役立ち情報

被災前から持病があった方々の事例が多いのですが、持病がなかった方でも亡くなった方々がおられます。

[例]

p25
[11]
災害区分 
豪雨
発災から死亡までの期間 
1か月以内
性別・年齢 
女性・70歳代
死因 
急性大動脈解離
死亡までの経緯等 
被災前は持病がなく、入院歴・手術歴はなかった。
また、定期的な通院もなく、災害までは家族に対して体調不良を訴えることもなかった。
発災時、自宅が床下浸水するとともに、敷地内に土砂が流入。
家族とともに知人宅へ避難した。
発災翌日から3日間、家族とともに自宅敷地に流入した土砂の撤去・搬出作業を行う。
作業が終わった日の翌日から疲れたと横になったり、昼寝をしたりするようになったが、そのようなことは災害前には見られないことであった
作業が終わった日から7日後に知人宅を訪れた際に、同宅で意識を失い倒れ、救急搬送される。
搬送先で、同日、死亡が確認された。
災害前は健康であったと考えられるが、復旧作業後、疲れを訴えるようになった後に死亡していることからすると、災害の復旧作業による身体的負担が、急性大動脈解離の発症に影響を及ぼしたと推測されることから、死亡と災害との間に相当因果関係があると認められた。

p67
[53]
災害区分 
豪雨
発災から死亡までの期間
6か月以内
性別・年齢 
女性・70歳代
死因 
呼吸不全
死亡までの経緯等 
被災前は、自宅で夫婦二人暮らしをしており、家事や庭の草むしりのほか、旅行に行くなど、日常生活の制限はなく暮らしていた。
豪雨による自宅裏山の土砂崩れにより、ボイラー室が崩壊し、浴室が損壊。
水道管が損壊したことにより断水した。
裏山の土砂崩れにショックを受け、食事がとれず、その分水分を多めにとったことで、基礎疾患である低ナトリウム血症の悪化を招いた。
発災から6日目から入院する。
入院加療により症状が改善し、約2週間で退院するも体力の低下は著明であり、ADL(日常生活動作)は低下し、退院から約1か月後に要介護2の判定を受ける。
夫による介護やデイサービス、ショートステイを利用しながら在宅生活を送っていたが、要介護認定から約2か月後、肺炎及び気管支炎の診断を受け、入院する。
入院後、症状の改善がみられるも、発災から約5か月半後に、肺炎を発症して死亡した。
災害による身体的・精神的負担により、体力の低下を招いて直接死因の原因である肺炎を発症して死亡したと推測され、災害と死因との間に相当因果関係があると認められた。

p105
【91】
災害区分 
地震
発災から死亡までの期間 
3年超
性別・年齢 
男性・70歳代
死因 
急性硬膜外血腫
死亡までの経緯等 
被災前は、妻と子どもの3人で、持病もなく生活していた。
自宅が全壊したため避難所で生活するが、1週間後に親せき宅に移り、被災から2か月後には、借家に移る。
発災前は物静かだったが、突然、ヒステリックになったり、ふさいだりと感情の起伏が大きくなる。
災害の映像も嫌がるようになる。
借家への入居から2年後に応急仮設住宅に入居する。
翌年、突然、意識を失い、病院に搬送される。
てんかんの疑いがあるとされ、2年間経過観察となるが、ストレスと疲れによるものと診断される。
その後も頭痛等を訴える。
応急仮設住宅入居から3年後に、頭痛等を理由に完全に離職する。
離職から5か月後に、別の仮設団地に転居。
換気扇の音と振動のため不眠を訴える。
転居から1年後に、入院し、症状が悪化する。
4か月後に転院し、さらに2か月後、検査のために転院する。
転院翌日に、転倒して頭を打ち、急性硬膜外血腫のため死亡する。
自宅が全壊し、生活環境が変化したことによる身体的・精神的負担、親族や知人の死亡による精神的負担は認められるものの、これらと死亡との因果関係が医学的に判断できないこと、死亡は、入院していた際、就寝時間中に誤って転倒し、頭を打ったという偶然の事故によるものと推認されることから、死亡と災害との間に相当因果関係は認められないと
された。

 

[出典]

災害関連死事例集
令和3年(2021)4月 内閣府
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/kanrenshijirei.html



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