マッシンのblog

農業/まっちゃん農園運営しています。

菊芋ニキへの道 ①コストと目標

2023-11-26 11:02:06 | 菊芋ニキの話

という事で出荷は二回目ですが、
一通り作業工程を標準化させて、
コスト計算をしてみました。

一応、一番の目的は来年からアルコール加工用として
の栽培依頼があったためデータどりです。


生産量は13.6Kg
これは単位が1コンテナを満杯した
場合です。
逆に言うと、
1コンテナでいくら稼いだ。とか
時給や給与を高めるためには、
何コンテナ分掘る必要があるのか。
といった目安を作る為です。

ただ正確にはスタッキング
(段積み)
出来なかったので実際は10kg程度では
無いかと思います。



でわ

■単位(1コンテナ)/13.6kg
■時給860円(分給 ¥14)
①【収穫工程】
60分で860円で
全体コストの34%

②【洗浄工程】
45分で645円で
全体コストの26%

③【製品化】
0.3Kgごとに袋詰めするのに
70分で1003円で
全体コストの40%

となりました。
これ農業の特色ですが、①とか②に関しては
10単位で数字を動かす事が出来ます。
要するにそれだけ
属人性が高いという事ですね。
機械/半機械や、
固定姿勢などでは数%くらいしか動きません。


【利益】
①イニシャルコストについて
で、どう削減するかは置いといて
経済性を見てみましょう
まず支出として、
種芋代、移植や耕起の人件費は考えません。
これは資金調達や拡大計画の時に考えます。
イニシャルコストというは一般管理費の一部。
生産しお金に返る原資。にいくら
掛かるか?
これはハウスやよほどの支柱でなければ、
最初は考えない方がいいです。

仮に考えた。としても、
実は相場が決まっています。
ハウスならだいたいですが
140円/kgが償還費です。
単純に生産量が10tで償還額が
1000万円÷10年ならば、100円ですわな。
生産すればするほどまります。
生産量が200%ならば70円まで落ちます。
しかし味が相対的に変化するので、
販売先が変わる可能性もあります。
という事で、イニシャルコストは
償還(すなわち借金の返済期間)値を
伸ばして伸ばして薄める。
のが正解です。
正解というかリスク避けというか、
始めにそうしておけば選択肢が増えます。
儲かれば返せばいいだけの話なので。

で考えないもう一つの理由は、
順序が逆だからです。
償還ありきで考えず、
ひとつの差益を生み出す公式があるとして
そこのパラメーターをカイゼンするための
投資がイニシャルコストです。
ファミコンがハード
カセットがソフト。という考え方はしない方
がいいでしょう。

償還ありきだと
ほんと細かくてどうでもいい努力をしがち
になります。
一番減らすべきは
豊作だろうが不作だろうが
離農しようが
必ず払わなければならない
金、それが償還。
(要するに儲かるものに投資しましょう。
という意味です)

■資産整理からの逆算
脱線しますが、
例えば10年償還で2000万円借りるとしましょう。
こういう話のとき、
必ず言われるのが安パイの事業を取れ。
になります。理由はサラリーマンになると
返済できない返済がきつい。
という事になるんですが、
こんな理由で事業の選択肢が限定される
のは愚の骨頂と言えます。
これ実は組み直す事もできるし、
サラリーマンでも。というかサラリーマンの
方が皮肉にも返せてしまう。
事もあります。
農業がうまく行かず離農したとして、
2000万円一括返済は無いです。
年200万ずつの返済であれば、
4年払ったら残りは1200万円ですし、
あと6年。
スタート年収250万円のサラリーマンからでも、
1200を10年償還に救済してもらって120万
ずつにする事もできますし、
売却という方法もあります。
とはいえ、いいとこ800万くらいですが、
それでも1200△で600万。しかしながら現実は、

所有権の関係や時期の問題で売却の
見通しがつかない事も多いのですが、
その際はサラリーマンをしながら栽培しちゃう。
まあ、とにかく農家は農家に相談しない
方がいいですね。
整理資産やそこからの逆転方法などは
農家では考え付きませんので。
ソレで駄目だったではなくコレでできる
方法を編み出す必要があります。


あと支柱類も償還/償却で割ると、
少ない。
というのも、
そもそもですが屋外露地で償還が必要な支柱類
はだいたい3年でも100円いかない。

菊芋の場合、
トラクターに乗車しながら種芋を
植える事もできるし、
(芽の向きを選択しなくてもいい)
(投げてりゃいいって事それで残株率90以上)
スパンも密度もスカスカでいいので、
種芋をカットする時間も大して掛かりません。
とはいえ
ここは一応積算はしています。期間中周囲の
草刈りをする事もありますしね。

あとイニシャルコストを掛けたことにより
何かの項目を半減させる事を
いったん考えてみますと
製品化のコスト比は40%で
最も高いのですが、室内の業務なので。
配置/器具のチューニングと、
マス(分母)で相当動きます。
作業効率は右肩がりカーブなので
(選別はだいたいそうなりやすい)
4hでやれる量=35kgくらいで数値を取るとまた
少なくなっていると思います。

次の掘りが34%なので、
これは倒伏した地上部が邪魔なのと手堀り
だからです。
この二点を解決するために芋掘り機や支柱を
調達し、生産性を50%縮められると、
全体としては17%も下がります。
しかし他の産業からすれば17%削減しないと
大きく利益がでないとすればよほどの大企業で
これが個人だと事業の素質がよくない。
(まあそれが農業の実際なので補助金が
豊かであるのよね)


②損益分岐点
という事で今回は a=13.4kg生産する為の
費用はb=2508円。となりまして
これを割ります。
(a ÷ b =184円)
これが損益分岐点です。

損益分岐点とは
この金額で販売すれば
自分が働かなくても従業員に給与が
支払える値。
(拡大再生産の基礎値)
だったり、
全部自分でやるなら
最低賃金
達しているかの目安。
(個人生産性の計測値)
になります。
コピペの元
ですね。

この損益分岐点を成績になぞらえ、
損岐を下げれば下げるほど成績が
上がる。
この損岐の設定は経営上というより
組織の説教に効きます。
なんか理由は明確では無いがダルい。
とか
なんか理由は無いんだけどアイツが
ウザい。
とか
集団行動をさせると必ずしも平均化は
しません。
そんな時に少ない語彙力で叱っても
通用しない。
どちらかと言えば、
叱られる事で本人も学びを得る。
くらいじゃないとなかなか。。。

難しいでしょうね。
(要するに落としどころが感情じゃなければいいだけ)


③販売
これは利益の事を指します。
安い高いというのは結局変わるので。
目標としてどこの価格帯を狙えば
より市場をハックできるのか?
(競合調査のこと)
これをまず探りつつ、
そこにペルソナを当てて、
品質基準や外装などをIMAGEします。

だからJAや組合の品質基準とか
研修の時には参考にはしますが、
ぶっちゃけどうでもいい。し、
オーガニック無農薬とかそうでないとかも、
全く関係ないのです。
逆にペルソナを意識しつくすと、
なんとJAの出荷基準と一致した。
という話もあります。
(キュウリ)

で自分の目標というと、
袋詰め/洗浄済みならば、
だいたい kg330円が目標です。
400というとジャガイモになります。
ジャガイモの劣位。という事ではなくて、
ジャガイモの方が儲かる。というか
楽なんですね。収穫機があるのと、
キャッシュフローが短い。
なのでジャガイモより高いと、菊芋を
植える畑が増えてしまいます。
ジャガイモより安いじゃん。
と思わせるような感じが狙いどころでしょうか。

となると0.3kg入りでto B値99円、
店売り200~258円。といったところかな。
to Bで利益率は79%になります。
これは利益率が高いというより。
やはり原価が安い事の方がフックは
効いてますな。

まだ損岐も下がるし、売値も下げていくのが目標です。
米が売値でキロ280円なので、
米より安く作れるのが理想です。
難しいけど。
ワンチャン重量がありますからね。


④6 次化
ブランディングの事ですが
現在2回目の出荷で
菊芋はキロ184円以下で生産できる。
事がいったん証明されたのですが、

実際にはキロ1000円とかで売り出している
場合もあります。

さらに高値が菊芋パウダー、クッキー
ドライフーズ。
それがブランディングという事に
なるのですが、

広告宣伝費や外販を伴わない
ブランディングは辞めた方がいいです。
自分の力でSNS拡散とかは
完全に無駄ゲー。

結局、キロ200円のものを5倍にして
売ろうとするにしては、
レクサスやグッチみたいな億かかった
ショールームで面接を勝ち抜いてきた大学に
学費を納入し続けた優秀な
セールスが売るなら分かるんですけど。

それをどこの誰でもない人間が、
売ろうとするのはまあ普通に考えて
うさんくさい。

という事でブランディングも
広告屋の戦略にハマらざるを得ないのですが、

それもダリィという場合は、
個人的に費用対効果が高いのは
外販ですね。
菊芋の場合
どう外販のかは想像しがたいのですが。
仮に外販をするにしてもとにかく生き急ぎたい
場合は雇ってでも外販せざるを得ません。
となるとやはり金がかかる訳です。

まあ、菊芋ブランディングはあんまり
考えない方がいいでしょう。
ちょっと難しいかな。