与一から出て来た生き物の記録

奇妙な生き物。早朝の自宅ガレージ奥の「与一」の中から、様々な働きをする者たちが生まれています。その有様と効能の記録です。

そらの物語12・「Hiたかおデビュー・2」

2010-01-20 06:57:31 | そらの物語


「Hiたかおデビュー・2」


 


 「食べ物」は何んなのか? なぜ「しゃべる」事ができる??


メンバーの様々な質問に対し、「Hiたかお」は、有名アイドルが記者会見でもするような、「お調子もの全開」の応答を始めたので、私たちの緊張はただならぬものとなった。 しかし、「えびすメンバー」の大柄な「男ども」が、「少年のようなまなざし」で「Hiたかお」をかこんでいる光景に、 私たちは「生きものとしての安全性」を感じてもいた。


”質疑応答” は次の通りである。


食べ物は何か?・・・・・・雑食。食べなくてもOK。


何の生き物なのか?・・・・・種類はわからない。「良い事」をする生きものである。


仲間はいるのか?・・・・・ピーッ!!


毎日、何をしているのか?・・・・・「大調査」の為、大阪府 寝屋川市から、ここ(京橋)に出てきて、活動を続けている。今の所はピーッ!!・・・・その目的はピピーッ!!


寿命はあるのか?・・・・・・・わからない。


趣味は?・・・・・・「良い事」を考え、「良い事」をする。また、それに関連する事柄の全て。


身体は何でできているの?・・・・・・わからない、もしくは「愛」。


彼女は?・・・・・・募集中。


なぜ「会話」ができるのか?・・・・・・「はなし好き」だから。「生きること」とは「話すこと」である。


 


「1号」は、この奇妙で、あり得ないような質疑応答が続く中でも、冷静な状況判断ができた。 「この質疑応答が続けば、みんな遅刻する・・・」。 しかし「ネコ」も「ヘビ」も、そしていい大人の「カイ」までも「Hiたかお」に夢中で、「1号」は切り上げ時を見つける事ができない。


「ヘビ」は「そら」は ”苦手”キャラだったが、「Hiたかお」は、そうではない様子で、質疑応答の途中から、 「たかおさん、オレと組まない?」とすっかり打ち解けている。「たかおさんのちょっと極悪な顔の感じが、オレとキャラかぶってるし!!」と、うれしそうに「ヘビ」。 「いやぁ!!ヘビさん! ”組む” となると一応他の仲間と相談せんとあかんのですよ!!そうそう!報告・連絡・相談が大事ですからね!!!知ってますか?「報・連・相」!!これは大事です!!ボクもボクの仲間も、この事は徹底しているんです!アレでしたら、ボク達の「10項目の確認事項(そらの物語・「いきものたちの前書き」参照)」を持って来ましょうか??持って来ます!!で、どこか目立つところに張り出しましょう!!」と勝手に話しを進める「Hiたかお」に、「ネコ」が割って入る。「なあ!たかおさん!たかおさんって、どうやって連絡したらいいん??携帯とか持ってんの?オレの女にも紹介したいんやけど・・・」 これに対し「Hiたかお」は「FA637」の事や、私たちの「やり取り」のしくみをどう説明するか、少しこまって「取り合えず、それも相談してみますね!!たぶん、また来ると思うんで!というか、しょっちゅう来ると思います!!何でかって言うと、こいつの・・」と「そら」を指差して、次に「あれ!!!!」と、「そら」の愛車、ボロボロになったスクーターを指差し、「あれはあかんで!!あれ、思っきり盗難車やろ?!!あれはあかんで!!あれは、止めささなあかん!!昨夜もさっぶい所でその話しをしてたんですが、ボクがもう、責任を持って止めさせます!!」 と意気込みだした。 


”切り上げ時”を見失っていた「1号」も、ついついその話題には「あ、たかおさんの言う通りやわ!!」と巻き込まれてしまった。 「全くその通り」とうなずく「カイ」。話しのテンポが早く、ついて来れない「6号」も、腕組みしてうなずいている。 「どう言って止めさせるか、悩んでたとこやわ!!」


「6号」の盗難車については、「1号」と「カイ」は悪戦苦闘していた。「6号」が「無免許」である事は ”彼ら的”には何んら問題はなかったが、盗難は「バツ」。「潰しては、盗ってくる」をくりかえす「6号」をなんとかしようと、一時は「1号」の顔面パンチが炸裂した事もあった。 怒った「6号」は鼻の骨を骨折したまま飛び出し、何日も「なないろ」に帰らなかった事もある。 「カイ」はスクーターを取り上げたうえで、「いかに盗られた人がこまっているのか」を、懇々と話して聞かそうとしたが、その全く正しい説教をあくびを噛みながらガマンして聞く「6号」を見て、更正への道を断念していた。「1号」と「カイ」はその後も様々に「6号」の盗難癖を治すチャレンジをしてみたが、その度に無駄な抵抗だと思い知らされていた。しかしなぜか、「Hiたかお」なら何んとかしてくれそうな予感がしたのだ。 ”不思議なものどうし” で効果絶大かも・・・・ いや、 ”神様みたいなものどうし”で・・・・


そんな所へ「サソリ」が起き出してきた。 彼はまだ無職だったので、その彼が起き出して来る時間といえば・・・・・・・・「あっ!!」 「1号」が叫んだ。「おまえら!!時間っ!!遅刻や!!!」 「カイ」は急に目覚めたように、「たかおさん!!忘れてました!!仕事ですわ!!!御礼をする時間が無くなってしもた!!すみません!!」とあわてて仕事の用意をしながら言った。 「おおっ!!!そうでしたか!!それはさっぱり気が付きませんでした!!!全く、ボクとしたことが!!」 


全員が慌しく出勤の用意にかかると、途中から会話に乗れなかった「6号」が「みんな仕事やわ。たかおの家に帰ろっか・・・おれが送ったるわ、家まで。」とぽつんと言った。 「そやな!!ちょっとしゃべってしまったな!!せっかくピーピー鳴らんようになって来たとこやけど、おいとまするな!!・・・それでは皆さん!!!!どうも、お邪魔しました!!!お仕事、無事故で頑張ってください!!!」と礼儀正しく「Hiたかお」。


起き抜けのローテンションのままの「サソリ」は、逆に持った箸で納豆をくるくる回しながら、「Hiたかお」に、「・・・・あ・・・どうも・・・」と虚ろに答えて、おじぎをした。


 


 


こうして「なないろ」の特殊な朝は始まり、「そら」と「Hiたかお」も寝屋川に向けて出発した。 さっきの会話を何とも思っていない「そら」は「ねやがわやったら、おれのバイクで、 ”ばしっ” と送ったるわ!!」と言い、「Hiたかお」は「バイクはやめて、電車で送ってな!」と ”ばしっ”と答えた。


「なないろ」の近くで、「おがた」の上で待機していた私たちも、ひとまず「Hiたかお」の動きを追って、一拍置いた位置から監視する為に出発した。 ”監視” というのも、「大調査」の性質上、「Hiたかお」のおしゃべりによって、掴めるべき事を取り逃がしたり、知られない方が良いことが広く知られてしまう危険があったからだ。それに、「そら」の周辺でのみ起こる「設定異常・設定エラー」の原因もわからないままだったから。



 


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7 コメント

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おお!! (井川)
2010-01-26 03:27:21
すずさん、ばっちり!!!とりあえず、次の記事で紹介しますね~!!
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こんにちは^^ (すず)
2010-01-25 17:40:26
やっと・・・
画像をアップできました!
自分でサイズを変更できないものか
昨夜、パソコンと格闘?していたんですけど
試しにパソコン画像をデジカメで撮影し
アップしてみました・・・・でも
色が変わってしまい駄目・・・
今日、新たに送って頂いて大変助かりました。
何度もお手間を取らせてしまい申し訳ありませんが
ヤッター出来た!って感じでしょうか。
文章の何処部分に挿入したらいいか
迷いましたが、とりあえず、アップしてみました。
チェックをお願い致します。
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ありがとうございます!!! (すず)
2010-01-23 08:27:50
おはようございます。
今、メールを送りました。

わざわざ新たに描いて下さるのですか?
お忙しい中、申し訳ない気がしますが
本当に・・・?って天にも昇る思いです。
嬉しい~
心からありがとうございます!
出来上がりを楽しみにしていますね。
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コラボ!!賛成!!! (井川)
2010-01-23 03:48:22
コラボ!!賛成です!!これはおもしろそう!!
でも、どうやって画像をすずさんが使える様にできるの???とりあえず、gooのホームどうしでやり取りする方のメールで、僕の直接のPCのアドレスを送ります。画像はそちらの方でやり取りしたほうが、僕がわかりやすい

で、すずさんの記事の方ですが、拝見して(コメントの詳細は今からそちらに書き込みますね~!!)、「利用者さんたちに合う色のもの」は、今まで僕が描いた「ありもの」を使うよりも、これから新たに描く方がいいと思いました。今日は仕事で出かけますので、次、やり取りが出来るのは、明日の早朝になると思います。で、明後日は休みなので、ちょっとしたもの(水彩だったらすぐできるんで)をすずさんの記事の内容にあわせて作ってみようと思います。
やりましょう!コラボ!!

「Hiたかお」の記者会見、ご参加(笑)ありがとうございました(笑)
遅れて参加の「Hiすず」さん登場で、「Hiたかお」も「Hi」になってませんでしたか?ちょっと照れて「点滅」してしまってたでしょう?
そう、彼は無駄にしゃべるわりには、 ”へたれ” なもので・・・

お返事もそこそこに、今からそちらに伺いますね~
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単純に生きていきたい (すず)
2010-01-22 15:18:05
Hiたかおさんに再びお会い出来て光栄です。
記者会見場に私も遅れて着席させて頂きました。
私も何か聞いてみよう…と思っていたら、
肝心なところはピーピー
するするする~~っと会話が進んで
存在意義まで語られて、
そっか。良いことをするためなんだ。
不正をただすのね? そりゃ、盗難車は行かんわなぁ。
無免許はいいの? 運転技術があれば、まぁ、許せるってこと?
でも飲酒運転は駄目だよね?
とか。
勝手に私も会話に割って入っていたりします、はい。
面白いですよね。

仕事へ行かなきゃ、でも、どこで話を区切ったらいいかなぁ。
今急いでるッて云えない、それよりこの会話も聞いていたい・・・
本日も、お休みの日にお邪魔して良かったです。
ほんのうの赴くまま生きてはいられない。
普段はあくせくしながら、理性を働かせている私ですが、
そらくんたちのように
もっと単純に馬鹿みたいに
でも生き物らしく他人に迷惑をかけないレベルで生きていきたいなぁって
思いました。

これからどうなっていくのか
全く予想ができないけれど・・・・。
次回も楽しみにしています。

井川さんが描いたイラストの中で、
私が関わってきた利用者さんたちに合う「色の画像」って・・・ありそうなんですが、一枚、お借りできませんか?
ブログの記事に画像としてアップ出来たら、素敵だなって思いました。

コラボです^^ 記事は今、アップしました。
勝手なお願いで御免なさい。
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「毒」がまわったままのTomoyuki殿 (毒井川)
2010-01-22 03:24:44
じわじわ~っと、「毒」がまわっているようですね~

ー良い事ー
今の所、まだはっきりと具体的な「良い事」の内容は出てきていませんただ、「じわじわ~~」っと「良い事」の真相にせまって行きます。今の所は、「生きものたち」の言う所の「良い事」とは、 ”良くない事を、止める事” だ、とだけは言える・・・・

だいたい、これほど「今後の展開が読めない、読みにくい話し(笑)」はないでしょう??でも、この「良い事」の ”内訳” がハッキリしてくれば、「あらすじ」もハッキリして来ます
今後のキーワード(??)は、「大調査」と「優しさ倉庫」です。 
あと、「斎元くん」と「月の者」、「和解マン」、「友駄部長」、「木崎次長」、「粉砕ホール」・・・・などなど、です。んん?訳がわからない(笑)?ですね。すみません。

「良い事」について、もう一つは、物語の主人公の「そら」くんは、実は「何もしようとしていない」という事だと思います。「そら」くんがやっている事、と言えば「カイさんのお手伝い」、と、もうすぐ出てくるのですが、「京阪電車に乗ること」、あと「町のあっちこっちに赤いバッテンを付けてまわる(和解マンでのそらくんと同じです)」ことくらいで、どれも「意味不明」か「言われてやってる」レベルで、どれも自分のハッキリした考えがあっての動きではない、という事なんです。ある意味、「なすがまま」というか、「ただ、自然に生きている」というか・・・
それが「斎元くん」の登場で、一気に変わってきて、上に書いたキーワードが絡んでいく中で、「良い事」もどんどんハッキリしていく

んんんん~~・・・・あ~なって、こうなって、と、もっと言いたいのですが、あれも言えない、これも言えない(笑)って感じです。あ、お返事になってないかな??

とりあえず、「良い事」に目をつけたTomoyukiさんの着眼はさすがです!というか、やはり「毒」がまわっているのですね!!僕も、「生きもの」たちも、だいぶんドキドキしています
今後、「毒」をもった生き物となった、「毒Tomoyuki」には、僕も「生きもの」たちも、くれぐれも要注意でいきます・・・・
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「良い事」とは・・・ (毒Tomoyuki)
2010-01-21 17:33:34
今回の「Hiたかおデビュー・2」において私は生き物たちの目的ともいうべき
「良い事」について非常に興味を持ちました。さすがは井川さん、生き物たち
の存在目的が「良い事」とは面白いテーマを持ってきましたね。私が思う
のは、 「彼ら生き物たちが言うところの『良い事』とは一体どのような事なの
だろうか」という点についてです。

「良い事」。とても抽象的な表現ですよね。それゆえに人それぞれでさまざま
な解釈があると思います。それが面白いと思うのは、各個人が考えるところの
「良い事」が必ずしも同じでないということです。おそらく「1号」と「そら」の想像
する「良い事」は全く別の事かもしれないですし、もしかすると 自ら「良い事を
する」という生き物たちの考える「良い事」とは、もしかするとエビスのメンバーに
とってはとても「迷惑な事」だったりするかもしれませんよね。

しかし、それを「良い事」だと信じて行うのであれば、当人にとってそれはやはり
「良い事」だと言えるのでしょうね、少なくともその時点では。
なんだかこのテーマだけで一つのお話が書けそうです。ただ、盗難バイクに
関する「Hiたかお」の言動を読む限り、「生き物」たちの思うところの「良い事」とは、
「そら」くんのそれと全く違ったものではないように見えますね。

さて、「Hiたかお」そして「生き物」たち、この先どのような「良い事」をしてくれる
のでしょうか。
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